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私は久美子。37歳独身。 花屋をしている。

今日は5月○日。つまり母の日。

この日は花を買いに来る人が 沢山いる。

そんな今日、 小さな女の子に出会った。

久美子

う、いてて…

久美子

今日はこのくらいにしておくか…

と、顔を下に向けると小さな女の子が立っていた。

久美子

あらお嬢ちゃん、お花を買いに来たのかな?

女の子

う、うん

久美子

そっかあ〜
お母さんにあげるの?

女の子

いや、違う…

久美子

あれ、違ったか…あはは

こんな日に母親に花をあげないのは なぜだろうか

こんな小さな女の子だから きっと買いに来たのだと思ったが…

久美子

じゃあ、どんなお花にする?

女の子

青と、赤、あと黄色も…!

久美子

…よし。
何本ずつ欲しい?

女の子

えっと

女の子

女の子

女の子

よ、42本ください

久美子

全部で42本かな?

女の子

多分、そう

久美子

じゃあー、青色も黄色も赤色も
14本ずつでいいかな?

女の子

うん!

久美子

なんのお花がいい?

女の子

チューリップ!

久美子

じゃあ、ちょっと待っててね

久美子

チューリップは…ここか

久美子

赤と、黄色と…

久美子

あれ、青がない!?

久美子

そういえば、チューリップは青がないんだった…

久美子

あーどうしよ!

女の子

お姉ちゃん、どうしたの?

久美子

あー、えっと…ねぇ

久美子

青色のチューリップがないんだ

女の子

え…

女の子

う、うわああん

久美子

あー!泣かないで!

女の子

うわああん、わあん

久美子

ちょちょっと
アイスあげるから!

久美子

美味しい?

女の子

うん

久美子

よかった、よかった

女の子

どうして青色のおはながないの?

久美子

あー、えっと…

小さい子にあんな話をしても わからないか…

久美子

それはおばちゃんにも分からないんだ

久美子

けど、青いチューリップはないんだ。ごめんね?

女の子

……

女の子

ぱぱに、あげたかった…

久美子

え?

女の子

わたし、ママいないの

女の子

多分、ゆりが小さい頃にしんじゃった

ゆり

だから、ぱぱがままの代わりをしてくれてるの…

ゆり

だから、だから…!

久美子

ゆり

お姉ちゃん…?

久美子

あ、ごめんね!

久美子

そっかそっか、
お父さんにあげるんだね!

久美子

1回こっちおいで!

花屋(私の家)の裏にはお花畑がある。

きっとないと思うが、この景色をこの子に見せてあげよう

久美子

ここだよ!

ゆり

わ、わあ!

ゆり

きれい……

ゆり

青いチューリップは……

久美子

んー…

やっぱりないか。。

この子に悪いなあ…

久美子

やっぱりないね…

久美子

ごめんね、お嬢ちゃ

ゆり

あった!

久美子

ええっ?!

驚きで声が裏返ってしまった

女の子が指さす先には

ゆり

ほら!見て!これこれ!

チューリップに似た花、 カンパニュラだった

チューリップに似てるが、ちゃんとカンパニュラだった。

もうこの花しかない…

久美子

あー!ほんとだ

久美子

じゃあ、このお花採るね

その瞬間

ゆり

お姉ちゃん!

ゆり

それじゃない…そのおとなりだよ!

久美子

え?

確かに、咲いていた

紛れもない、それはチューリップだった

久美子

う、嘘!

久美子

どうして青のチューリップが…

女の子の方を見ると女の子はにっこりと笑っていた

久美子

ありがとうございました!

あれから5年

あれは一体なんだったのだろうか

と、いうのも、目を開けると私はベッドの上にいたから。

あのまま倒れた?いやいやそんなはずが無い

私の玄関には、あの青い 『チューリップの花』が飾られていたから。

あの女の子は全く見かけない

あれは小さな『妖精』だったのかな

けれど、あの子は私に幸せを与えてくれた。

あれから私は結婚し、 1人の子を授かった

そして生まれつき病弱だった私が、 あの日を境に元気になれた。

??

お母さん!

久美子

あ、ゆり!

ゆり

これどーぞ!

久美子

んー?これなあに?

ゆり

お花だよ!みてみて!早く!

久美子

はいはい

久美子

あっ……

それは黄色と青と赤の、 チューリップだった。

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