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たった一言
その言葉だけが虚空に響く
『其方に逢いたい』
それだけを胸に
今日も此処を訪れる
ヒラヒラ
静かに輝く月を背に
舞い落ちる桜の花弁を眺める
ふたりの会話はそれだけだった
只それだけなのに
ふたりは想いを寄せ合った。
月の灯に照らされて
ふたりだけの一時を過ごした
そのような約束をした其方は
もう此処に訪れない
あの日から毎日
雨の日も風の日も
忘れず此処に訪れる
其方に頂いた傘を持ち
鳥居の前に立ち止まり
この言葉を独り呟く
何処に居るかも分からない其方へ
其処に居るかの様に話し掛ける
大きな桜の木の下に腰掛ける
最近は何処でも蝉時雨が響いている
しかし此処は静か
俺と此の桜の木と二つの鳥居だけが
丘の上に存在する
何処を見ても色付いた一葉に囲まれている
其方に逢いたい
それだけを想ひ今日も此の道を独り歩く
そんな冗談を言いながら
いつもの場所へ ____
___年後
何の為に
それすら分からず貴君は此処を訪れる
何年も何十年も欠かさず毎日
あの子の存在を忘れても尚
宿縁に惹かれて
それを言い、丘を下る
___年後
毎日来てる筈なのに
何故か寂しく想う此処は
俺にとって何なのか
分からない
分からないのに何故こんなにも
懐かしく感じてしまうのか
それが叶わぬ宿縁と知っても
願わずにはいられない程の想い
今日も此処へ足を運ぶ
手を合わせ、目を瞑り
この言葉を独り呟く
幾千の季節を越えようと
その願いだけは途絶えずに
『其方の幸せ永久に祈る___。』
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
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主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主