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貴方とひとつになれるまで

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貴方とひとつになれるまで

12 - 過剰な愛情だとしても

♥

155

2024年08月12日

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ルイの部屋

ルイ

…………

ツカサ

……ルイ

凛と咲く薔薇を眺めていると、 ツカサが部屋に戻ってきた。

ツカサ

…本当に、すまなかった

ルイ

…………別に

薔薇を見つめながらそう応えると、 動揺したような声音で ツカサが問う。

ツカサ

…別に…ってなんだ

ルイ

……僕はいいです

ルイ

…謝るならエムさんに

淡々とそう言ったルイに、 何も言えず黙り込む。

ツカサ

………………

ルイ

…謝れないんですか?

呆れたような口調でそう言われ、 言い返せなくなってしまった。

ルイ

…大の大人が何言ってんだか……

ルイ

…話聞いてあげます

ルイ

……だから、ちゃんと謝れるようになってください

薔薇から視線を外し、 困り果てたような表情の ツカサを見つめた。

ツカサ

……わかった

おずおずとそう答え、 言いづらそうに話し始めた。

ルイ

……まとめると

ルイ

…嫉妬と独占欲の赴くままに行動していた事が原因、

文字が書き連ねられた 備忘録を見つめながら、 そうまとめた。

ツカサ

…………

ルイ

…………ですよね?

ツカサ

………ああ

ページをぐしゃりと握り、 破り捨てた。

ルイ

……僕のこと、信用してないんですか?

ツカサ

…ぇ、

意外な言葉に、 呆然として固まる。

ルイ

…今更逃げられる訳でもないのに……

ルイ

勝手に嫉妬して人を傷つけて

ルイ

……やってらんないです

ハッとして顔をあげた瞬間、 ルイもまた、呆然として 目を見張っていた。

ルイ

………あれ、僕……

ルイ

こんなに好きなのに……

ルイ

何言って……

はらり、と涙がルイの頬をつたい、 生ぬるい空気を引き裂いていった。

ツカサ

…………

どんな関係でいたいと 願っているのだろうか。

ツカサ

……そう、だよな

本当に好きなのだろうか。

ツカサ

悪い、

椅子から立ち上がろうとすると、 ルイがツカサの服を掴んだ。

ツカサ

………なんだ?

ルイ

捨て、ないで…

ぐしょぐしょの顔で、 幼子のように訴える。

ルイ

寒いの、もうやだ……

ルイ

暑いのも、蹴られるのも痛いの…

ルイ

もう、捨てられたくない……

悲痛な言葉で訴えられたが、 他人のような 返ししか出来なかった。

ルイ

………

ツカサ

…………落ち着いたか?

ルイ

…ええ、ありがとうございます

ルイは、赤く腫れた目元を擦ると、 ノロノロと椅子から立ち上がった。

ツカサ

…どこ行くんだ

ルイ

………フフ、どこでしょうねぇ……

見るに堪えない下手くそな笑顔に、 思わず大きな声が出る。

ツカサ

っ、馬鹿!

ルイ

…はい?

地下の牢獄で話したときよりも 儚げな雰囲気を持つルイを見ると、 不安で不安で仕方がない。

ツカサ

…………もう一度聞くぞ、

ツカサ

どこへ行くんだ?

全てを諦めたような表情で、 外を見つめながら言った。

ルイ

…大臣の所に、です

ルイ

私を愛してくれたのは、大臣と将校殿だけ

淡々と語るルイは、 感情が混ざり合う、無惨な表情で。

ルイ

…けど、もう嫌になりましたよね

ルイ

…必要のないものは、捨てるべきでしょう?

ルイ

…………だから、出ていきます

「 捨てられたくない 」 と泣いていた彼は どこへ行ったのだろうか。

ツカサ

……馬鹿…………!

ルイ

…馬鹿で構いません。

微笑むルイを見ていると、 不安が募っていく。

ツカサ

…愛してる、って、伝わってなかったか……?

ルイ

……伝わっていましたよ、

ルイ

けれど、今は――

ツカサ

愛してるって、言ってるだろ……

ルイの全てが愛おしくて 堪らなかった。

ツカサ

…正直、今のルイは嫌いだ

ルイ

…はい?

ツカサ

………冷たいときも、甘えてくれているときも…

ツカサ

愛おしくて、どうしようもない

ツカサ

でも、今の……

ルイ

!?

ルイの腕を掴み、 引っ張って抱き寄せる。

ツカサ

オレからの愛を避けるお前は…

ツカサ

………大嫌いだ

動揺するルイに、 噛み付くようなキスをした。

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コメント

1

ユーザー

やっぱり好きだなァ~~! これだから将参はやめられない,

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