滉斗
あの、帰ります

涼架
え、?

ここに居たら
家のこともあいつのこともバレてしまう
バレたら施設に逆戻り
そんなのは絶対に避けなくちゃいけない
滉斗
迷惑かけてすみませんでした

涼架
でも、まだ体調戻ってないよね…?
さすがにそれで帰ってもらう訳には行かないよ

滉斗
俺は平気です、
元貴も大丈夫そうなので、

涼架
そっか、………じゃあ、
元貴くんが起きるまで

涼架
ほんのちょっとだけお話しない?

滉斗
ぇ………

涼架
そしたらもう帰っていいから、ね?

滉斗
…………わかりました

何かされてしまうんだろうか
助けてもらったのに帰るなんて言ったから
涼架
まだ熱あるでしょ?
お茶でも飲みながら話そっか

滉斗
ありがとうございます…

涼架
持ってきたよ〜、
温かいのでよかった?

滉斗
ぁ、はい、いただきます

涼架
きつくなったら
すぐ言ってね

滉斗
ありがとうございます

滉斗
……………

涼架
まだ怖い?

滉斗
ぁ……

涼架
そりゃそうか、
急に声掛けちゃったもんね

涼架
びっくりさせてごめんね

滉斗
いえ…助かりました

涼架
滉斗くんたちが何を抱えてるのかとか、

涼架
何に困ってるかとか、
僕にはわかんないけど

涼架
僕、ふたりが嫌なこととか
困ることとか

涼架
絶対しないよ
約束する

滉斗
……!

滉斗
どうして……

涼架
声をかけてすぐわかったよ
きっとなにかあるんだろうなって

涼架
滉斗くんがあまりにも
大人な顔してるから

滉斗
そう、ですか…

滉斗
……何も…聞かないんですね

涼架
だって
聞かれたくないでしょ?

涼架
さっきも言ったけど滉斗くんが嫌なことは絶対しない

この人なら大丈夫なんじゃないか
助けてくれるかもしれない
滉斗
(でも………)

いや、このままじゃ何も変わらない
いつか限界が来る
滉斗
聞いてもらっても、
いいですか…

涼架
え?

滉斗
俺たちのこと

涼架
もちろん!

涼架
ふたりは兄弟だけど
血は繋がってないって
言ってたよね?

滉斗
そうです、施設にいて

滉斗
俺が5歳のとき、
生まれたばかりの元貴が来たんです

滉斗
そして、
半年たったくらいに今の母親に引き取られました

涼架
じゃあ、元貴くん施設のこと知らないの?

滉斗
ほとんど覚えてないと
思います

滉斗
でもいいんです、
知らなくていいんです
あんなところ

涼架
そっか…

滉斗
ぁ、すみません…

滉斗
えっと、家に行ってからは…
家事とか全部自分でやらなきゃいけなくて

涼架
お母さんはやってくれない
っていうこと?

滉斗
やってるの、
見たことないです

涼架
でも、5歳で…難しくなかった?

滉斗
やってないと叩かれるから
やるしかなくて……笑

涼架
叩かれる………

滉斗
もともとそういう人なんです

滉斗
子供っていうか…
すぐヒステリック起こすような
そんな人なんです…

滉斗
小さいうちは大丈夫だったんですけど、
3歳くらいから元貴も標的になっちゃって

涼架
もしかして、
元貴くんの顔の傷って…

滉斗
そうです、

滉斗
あれだけじゃない
体中に残ってます

滉斗
俺が守れなかったから……っ

滉斗
……俺のせいです

涼架
それは違うよ!

滉斗
…違わないです!……俺がっ
俺が守らなきゃいけなかったのにっ……ゲホゲホッ

涼架
ごめんね、落ち着いて…

滉斗
はぁ、はぁ、はぁ…
すみません

涼架
少し休憩にしようか

涼架
ついでに僕の話でも聞いてもらおうかな〜笑
