ザッザッザッ…
落ち葉を靴で踏みしめる音が辺りに木霊した。
そこに不機嫌そうな青年と、ニヤニヤと薄く笑みを浮かべる青年がひとり。
月ノ宮 リツ
月ノ宮 リツ
月ノ宮 イツ
月ノ宮 イツ
月ノ宮 リツ
リツはイツの胸ぐらを掴み怒鳴った。 …だがイツは一切響いていないようだった。
数時間前…
校庭にて
結局リツは自業自得で、この学園に通う事になった。
イツは楽さを求め、あと片割れを揶揄うが為、入学を決めた。
校庭、月ノ宮兄弟御一行はこれから始まることも知らず、話を聞いていた。
人数は意外と少なく、ざっと100人程の生徒が並んでいた。 「学園長からの試験説明がはじまります」と司会が言うと、 マイクが少しハウリングしながら学園長の手に渡された。
「試験説明?」とふたりは思いながら兄弟は聞き入った。
学園長
学園長の姿や顔は少し離れていたせいか、よく見えなかった。
学園長
学園長
学園長
学園長
学園長は少し息を吸うと、「試験説明」を始めた。
学園長
学園長
月ノ宮 リツ
リツがイツの胸ぐらを離しそう呟くと、イツがまたからかってきた。
月ノ宮 イツ
月ノ宮 イツ
リツは黙ってイツの額にデコピンをかますと、大して痛くなさそうに「いてっ」と返ってきた。
月ノ宮 リツ
月ノ宮 イツ
月ノ宮 リツ
月ノ宮 リツ
月ノ宮 イツ
月ノ宮 リツ
ホント空気くらい読めよ、と突っ込もうとしたが無駄だなと察し、黙って森林を歩き続けた。
少しだけ明るい場所、少女のかわいらしい鼻歌が響いた。
チョコレート色の髪、宵闇の瞳と鈴の鳴るような声は液晶へと向けられた。
???
???
???
「ここに来ようよ」と言い終わる前に、何者かの大剣が彼女の頬を掠めた。
少女の頬に、つぅっと少しだけ血が流れた。
???
仔猫を甘やかす声が一瞬にして凍てついた氷のように変化を遂げた。
???
???
草木を踏みしめる音が聞こえ、「入学志望者」であろう人間が出てきた。 少し、というかかなり血なまぐさい。
入学志望者
返り血が着いた剣、身体…
そして半狂乱と化しているだろう顔、瞳…
どこからどうみても、彼女に殺意を向けていることが明らかだった。
ガキンッ
鉄と鉄がぶつかり合う、高い音。
入学志望者
相手は大きく後退り、少女に剣の先を慌てて向けた。
???
???
???
???
???
入学志望者
相手の怒号が静かな森林に響き渡る。
そして
入学志望者
守りを捨て、彼女の頭目掛けて大剣を力任せに振った。
血が辺り一面を汚した。
それは彼女のモノではなく────
入学志望者
大剣を彼女に振った、男のモノだった。 腹からは大量の血が流れた。
入学志望者
入学志望者
???
無慈悲に少女は吐き捨てると、もうじき息を止まる男の頭を、鎌で貫いた。
???
???
少女は鎌に着いた血を払う様に振るうと、ヒスイに問いかけた。
ヒスイ
液晶の中のヒスイは、軽く頷いた。
???
少女は血生臭さに眉をひそめ、枯葉と土を踏みしめた。
???
ヒスイ
少女は返事を聞けたのが嬉しいのか、スキップをしながらそこを去った。
ヒスイ
機嫌が良い彼女の耳には、注意の声は届かない。
スキップをする少女は、片手に鎌、もう片手に最愛の人がいる携帯を握り締めていた。
next time…
コメント
4件
戦いが始まった!! 話が段々動き始めた感じがしますね… 続き楽しみにしてます!!
なんか表記が3話になってますが気にしないで下さい!!! 私の機械音痴が発動しただけですので…()