青赤
* 桃赤要素 *
普段から君のこと
この目で
しっかり見ておけばよかった
赤
ころちゃ、ごはん…、
青
いらない、
青
ていうかしつこい、忙しいの見て分かんないの?
赤
ぇ、あっ、
赤
ごめ、…
青
…あぁもう、
青
うざい、早く出てって
目が回るような忙しさとストレスで
何も考えず、君に当たってしまった
赤
あの、ころちゃんっ、
赤
編集おつかれさま、コーヒー…
青
…、ねぇ
青
ほんとにさ、何回言ったら分かんの?
青
こっちは忙しいんだって、!
君の気遣いにも気付かず
自分の都合だけを押し付けた
赤
…ころちゃん、
赤
今、ちょっとだけ…時間、いいかな
青
なに、
赤
一分、でいいから
青
…はぁ、分かった
青
一分だけだからね、早くして
赤
……ころ、ちゃん…、
赤
俺と、別れてくださいっ…、
喉から絞り出したような弱々しい声で
君は言った。
青
……は、?
理解ができなかった
赤
じゃあね、っ
青
…ぃ、いやっ、ちょっと待ってよ、!
青
ねぇ、なんで別れるとか言うの、やだっ
青
やだ、りいぬくっ…
必死に止めようとする僕に目もくれず
君は出ていってしまった
はやく追いかけなきゃ、
と思ったけど
スマホの通知音が鳴って画面を見ると
桃 | りいぬは俺がもらうから
とだけ表示されていた
あのあと
どうやってベッドまで行って
どうやって寝たのか
よく覚えていない
あとから聞いた話では
彼とりいぬくんは付き合って
一緒に住んでるらしい。
ちゃんとこの目で君を見ていれば
君のことを少しでも思いやれていたら
毎朝ゴミ箱に捨ててあった料理にも
僕が帰るまで消えていなかった電気にも
君の目線の先にも
気付けていたはずなのに
あいつなんかに
盗られなくて済んだのに
Fin .