「かげおくり」って遊びをちいちゃんに教えてくれたのはお父さんでした…
あの人は、 出征する前の日、ちいちゃん、お兄ちゃん、私をつれて、先祖の墓参りに行きました。その帰り道、青い空を見上げあの人がつぶやきました…
お父さん
お兄ちゃん
ちいちゃん
お父さん
お父さん
お父さん
私
ちいちゃんとお兄ちゃんを中にして私達は手をつなぎました…
私
お兄ちゃん
ちいちゃん
私達は約束しました…
お父さん
私
お兄ちゃん
ちいちゃん
空には、私達4人のかげが浮かび上がりました…
ちいちゃん
お父さん
私は、泣きそうになりました…あの人は、明日を最後に帰らぬ人となるかもしれないのです…
この日、あの人は、白いたすきを斜めにかけ…日の丸の旗に送られて列車に乗りました…
私
ちいちゃんやお兄ちゃんは、悲しさを紛らわすかのように、かげおくりをして遊びました…
それから2週間後…
?
私
私
?
私は、渡された手紙をみて、思考が停止しました…
あの人が帰らぬ人となってしまったとの報告でした…
私は、ちいちゃんやお兄ちゃんが悲しまないよう…この事は話しませんでした…
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