帰り道
黒の絵の具で塗りつぶしたような 真っ暗な空に見えるのは
ぽつぽつとした灯火
意味もなく煌々としているように 見える
ひとつひとつの明かり
その奥にあるのは
誰かの暮らし
誰かの命
名前はわからない
でも、確かにそこにある
僕たちに光をくれる存在
そうして僕の心は
だんだんと開いてゆく
その明かりの奥に
どんな世界があるのか
知ることはできない
でも
願うことならできる
ありったけの幸せが訪れますように
そう願う
生きる意味をくれた仲間たち
顔もわからない仲間たち
そんな仲間がいるから
人生は今日も平和だ
どんなどん底にいようと
どれほどの暗闇でも
君たちの笑顔は
一筋の、かけがえのない光
僕ひとりではぼかせない闇も
君たちの光がぼかしてくれる
そんな力がある街の光は
とても、とても
美しい
点滅するライト
車、バイク
それを眺めていれば
なぜだか笑顔になれる
僕ひとりでは作れなかった
たくさんの笑顔のシワ
お前たちのおかげで作れた ひとつひとつ
なんて頼もしいのだろう
やがて明かりは消える
そしていつかは灯る
静けさの中
バトンタッチをするように
消えて、点く
暗闇を乗り越える光を
みんな、ちゃんと持ってる
ひとりひとりの光
全部、届いてる
君たちの笑顔は
生き抜くための光
数え切れないほどある光
とても美しい光
これから生きていく日々
悲しみに包まれて
光を掴めなかったとしても
抱え込んでしまったとしても
僕たちはみんな
乗り越えてゆける
同じものを受け取って
同じ光を受け取って
お互いを照らしあって
笑顔になれる
今日も一日が終わる
全ての光は
ちゃんと届いてる
おやすみ、ありがとう
コメント
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Official髭男dism「破顔」を自分なりに解釈し、物語にしてみました。 解釈の違いなどもあると思いますが、温かい目でお読みいただけると嬉しいです。