屋上を後にした一同は、階段を降りて校舎内へ戻る
まだ朝の空気が名残を残しているのか、廊下にはわずかに冷たい風が流れ込んでいた
如月 不稲
先頭を歩いていた不稲が呟くように言った
階段下、曲がり角の先に姿を現したのは、生徒会長・白鳥翠
さっきの女性と一緒ではなかったが、手には何やら資料の束を抱えていた
再びきちんと整えられた制服姿に戻っており、彼女の無駄のない動作が、そのまま生徒会長という肩書きの重みを物語っていた
白鳥 翠
にこやかに言いながらも、 どこか申し訳なさそうに頭を下げる
如月 蓮夜
連夜が気だるげな声で尋ねた
ポケットに手を突っ込みながらも、 その目は鋭く白鳥を捉えている
白鳥 翠
藍川真流
真流が楽しげに声を上げる
藍川真流
藍川真流
如月 幸斗
幸斗がすかさず牽制した
如月 不稲
不稲がぽつりと口を開く
如月 不稲
如月 不稲
その言葉に、白鳥は苦笑いのような表情を浮かべた
白鳥 翠
如月 不稲
白鳥 翠
如月 蓮夜
連夜がニヤリと口角を上げる
如月 蓮夜
白鳥 翠
白鳥が静かにため息をつきつつも、どこか照れたように頬をかすかに赤らめるのを、幸斗は見逃さなかった
如月 不稲
不稲がぽつりと感心したように言った
白鳥 翠
白鳥は歩き出すと、要所ごとに立ち止まりながら丁寧に説明を加えていった
教室、図書室、実験棟、そして訓練施設
話は自然と、それぞれの生い立ちにも繋がっていった
藍川真流
藍川真流
空気がわずかに張り詰めた
幸斗は無言だったが、表情は特に変わらない
ただ、ギターケースのストラップを握る手に少しだけ力がこもった
如月 蓮夜
連夜が代わりに応じた
如月 蓮夜
如月 蓮夜
藍川真流
真流はそれ以上何も言わず、前を向いたまま黙った
その後も白鳥の案内は続き、最後に一行が辿り着いたのは、校舎裏手に広がる自然公園のようなスペースだった
そこは人工的に整備された場所とは思えないほど、自然のままの風景が広がっていた
木々のざわめき、風の匂い、土の感触。まるで学校の中とは思えない別世界
如月 不稲
如月 蓮夜
連夜は木々の間を見渡すように言う
白鳥 翠
白鳥がそう言って歩き出した
だが、その途中で連夜が 何かに気づいたように立ち止まった
如月 蓮夜
如月 不稲
幸斗がそっと視線を向けると、木の間に小さく設置されたカメラが確かにあった
藍川真流
真流が指差しそうになったのを、 連夜が睨んで止める
白鳥はその視線の先を追い、軽く頷いた
白鳥 翠
白鳥 翠
如月 幸斗
幸斗は一歩だけ下がって、カメラの角度と位置を確認するように見上げた
如月 幸斗
白鳥が案内しながら各ポイントを丁寧に説明してくれるおかげで、カメラの配置や動線が自然と頭に入ってくる
言葉にはしないが、それは大きな意味を持っていた
やがて、公園の案内も終わり、白鳥が立ち止まって言った
白鳥 翠
藍川真流
真流が両手を広げて声をあげる
如月 幸斗
幸斗がぽつりと言い、連夜が「はぁ?」と睨んだ
白鳥 翠
白鳥が苦笑を浮かべながら、次の目的地に向けて歩き出した
コメント
5件
おぉ...ついに過去について触れられたぞ...!次は寮か..!早く見てぇ!!(強欲)そして生徒会長も呆れる仲の良さ...(?)
本編に入れるの忘れてたのでここで書きますよ。 樹に拾われた順は幸斗、連夜、不稲です
うおぉ…如月家について少しだけ触れられたぜ…(?) というか今日更新多いですね… 短い時間で神作品何個も作れるとか…凄…