ゾムさんはすぐに部屋を出ていってしまった
イライラしているはずなのに何故か心が痛む
エーミール
つ…
会いたい
エーミール
…ははっ…何考えてるんだ
エーミール
まず何故あんな人といつも一緒にいたんだ…
その考えに辿り着いた瞬間、頭の中に今までのゾムさんとの日々が思い出された
撮影で一緒に笑い合った時
みんなで遊んだ時
そして、ゾムさんと2人で遊園地に行った時
その思い出の全てが頭をよぎった
エーミール
…っ
思えばほとんどの出来事にゾムさんがいた
あの明るい笑顔を、忘れたくない
まだ、あの人に付いていきたい
ずっとずっと…あの人といたい
エーミール
ゾムさんは…いつも俺のことを気にかけてくれていたんだ…
エーミール
っ…やっぱり…俺の言ってたことは間違ってた
エーミール
俺もゾムさんのことを忘れたくなかったんだ…
ポトッ
エーミール
ごめん…っ
エーミールの目から沢山の涙が溢れ出る
エーミール
ごめんゾムさん…っ
エーミール
グスッ…うう…っ
エーミール
俺…知らないうちに…ゾムさんのことを好きになってたんだ…
エーミール
あっ…そうだ
(;つд⊂)ゴシゴシ
エーミール
ゾムさんに直接伝えられたらよかったけど…
エーミール
俺がもし死んだ時に読んで貰うように…手紙を書こう…
そしてエーミールは、鉛筆を持ち手紙を書き始めた
「ゾムさんへ」
「最後だったのに、喧嘩してごめん」
「みんなでした撮影、どれも楽しかった」
「ゾムさんと二人きりで、色んな所にも行ったよね」
ハラッ…
エーミール
っ…‼
「でもそれも出来なくなっちゃうね」
エーミールに巻きついている花から花びらが落ちる
エーミール
(花びらが…)
「……エーミールより」
エーミール
…っ
エーミール
な…泣いちゃ駄目だ…っ!!
エーミール
駄目…なのに…っ
手紙を引き出しに入れる
エーミール
ゾムさんに…会いたいよ…っ