皆さん!帰り道という国語の物語を覚えていますか?
今日はその物語を、ミセスで作ろうと思います!
涼ちゃんは出てきませんっ泣
ではれつご
放課後の騒がしい玄関口で、いきなり、滉斗から
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と、声をかけられてどきっとした。
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上履きを脱ぎながら滉斗が言って、靴下にぽっかり空いたあなから、
やんちゃそうな親指をのぞかせた。その指をスニーカーに収めても、
滉斗はなかなか歩き出そうとしない。
どうやら、一緒に帰るようだ。
小四から同じクラスの滉斗。
家も近いから、滉斗がサッカーチームに入るまでは、
よく一緒に登下校をしていた。
なのに、今日の僕には、滉斗と2人きりの帰り道が果てしなく遠く感じられる。
もたもたと靴を履き替えて外へ出ると、5月の空はまだ明るく、
グラウンドに舞う砂ぼこりを、西日がこがね色に照らしていた。
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滉斗の話があちこち飛ぶのは、いつもの事。
なのに、今日の僕にはついていけない。
まるでなんにもなかったみたいに、滉斗は普段と変わらない。
僕だけあのことを引きずっているみたいで、1歩前を行く紺色のパーカーが
”どんどん憎らしく見えてくる。”
今日の昼休み、友達5人で喋っているうちに、
「どっちが好き。」って話になった。
「山と海は。」「夏と冬は。」「ラーメンとカレーは。」
「歯ブラシの硬いのと柔らかいのは。」
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みんなで順に質問を出し合い、
「海。」「海。」「山。」「海。」
と、ぽんぽん答えていく。
そのテンポに、僕だけついていけなかった。
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とか、ひとりでごにょごにょ言っていたら、
滉斗が急にいらついた目で僕を睨んだんだ。
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先のとがった鋭いものが、みぞおちの辺りにずきっと刺さった。
そんな気がした。そのまま今も刺さり続けて、
歩いても、歩いても、振り落とせない。
返事をしない僕に白けたのか、滉斗の口数も次第に減って、
大通りの歩道橋を渡る頃には、
2人してすっかり黙り込んでいた。
階段を上る滉斗と、僕の間に距離が空く。
広がる。
ここ1年でぐんと高くなった頭の位置。
たくましくなった足取り。
僕より半年早く生まれた滉斗は、これからもずっと
どんなこともテンポよく乗り越えて、ぐんぐん前へ進んでいくんだろう。
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声にならないため息が、僕の口からこぼれて、
足元の影に溶けていく。
どうして、僕、すぐに立ち止まったりしちゃうんだろう。
思っていることがなんで言えないんだろう。
僕は海のこんな所が好きだ。山のこんなところも好きだ。
その「こんな」を上手く言葉にできたなら、
滉斗とちゃんと肩を並べて、歩いて行けるのかな。
「どっちも好き」と「どっちも好きじゃない」
が、一緒なら、「言えなかったこと」と、「無かったこと」も一緒にしちゃうのかな。
考えるほどに、みぞおちの辺りが重くなる。
市立公園の遊歩道に差し掛かった頃には、
僕は滉斗に3歩以上も遅れをとっていた。
もうだめだ。追いつけない。
僕は天を仰いだ。信じ難いものを見たのは、その時だった。
空1面からシャワーの水が降ってきた。
もちろん、そんなわけはない。なのに、何故か咄嗟に
プールの後に浴びるシャワーが浮かんだのは、公園の新緑が振りまく初夏の匂いのせいかもしれない。
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頭に、顔に、体中に打ち付ける水滴を雨と認めるのには、
少し時間がかかった。
晴れているのに雨なんて、不自然すぎる。
僕と滉斗はむやみにじたばたし、
意味もなく飛んだり跳ねたりして、瞬く間に天気雨が通り過ぎていくと、
互いの濡れた頭を指さしあって笑った
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本当に、あっという間の事だったんだ。
ざざっと水が降ってきて、何かを洗い流した。
滉斗の気取った前髪がぺたっとなったのが愉快で、
さんざん腹を抱え、気がつくと、みぞおちの異物が消えてきた。
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単純すぎる自分が恥ずかしくなったのは、笑いの大波が引いてからだ。
はしゃいだばつの悪さを隠すように、僕はずっと目を伏せた。
アスファルトの水たまりに、西日の反射がキラキラ光る。
その眩しさに背中を押されるように、今だ、と思った。
今、言わなきゃ、きっと二度と言えない。
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勇気を振り絞ったわりには、しどろもどろの頼りない声が出た。
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滉斗はしばし瞬きを止めて、まじまじと僕の顔を見つめ、
それからこっくり頷いた。
滉斗にしては珍しく言葉がない。なのに、わかった貰えた気がした。
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濡れた地面にさっきよりも軽快な足音を刻んで、僕たちはまた歩き出した。
おかえりなさい~
この、帰り道という物語、めちゃよく考えたら、BLやと思いません?
次回のお話は、滉斗sideから始まります!
ではまたね~
コメント
8件
帰り道?……やってないから分からないや😅💦笑
帰り道やった記憶ある! 懐かしい🤣
今勉強してるやつだ!