泡沫夢幻

⚠️ATTENTION⚠️ ❤︎水白 ❤︎自殺表現あり

💎side……… 　　　

僕は、深い、暗い海の底で目を覚ました。

あれ…………なんでこんなとこにいるの‥‥…？

あぁ、そっか。

自殺したんだ…僕。

自分の生きてる意味がわからなくて

海に飛び込んだんだっけ………w

けど、楽しかったなぁ…あの人と過ごせて、話せて。

あの人、今頃焦ってるかな………。

家帰ったらいないんだよ、？部屋にも、どこにも。

僕の視界の遠くにはゆらめく浮遊体が見える

ﾝﾌﾌ……海月………綺麗だなぁ…………………

捕まえようと僕は手を伸ばす。

けど、届かなかった。

あの人と過ごした時間も、そうだった。

あの人を掴もうとしても届かない。どれだけ好きを伝えても君は応えてくれなかった。

あれが、僕にとって最初で、最後の恋だった。

あぁ、神様。来世は…………心から愛せる人と…出会えますように……

そう思った途端、暗くて視界の悪かった海の底に眩しい光が差し込んできた。

ま…ぶし…………………

あまりの光量に目を瞑る。

ふと目を開けるとそこには…

そこには、どこかで一度見たことがある光景が広がっていた。

あれ、ここ‥‥

低い吐息混じりの声に目を覚ました。

そこには、白髪でスーツ姿の男性がいた。

いかにも仕事ができそうな姿の男性は、関西の人のようだった。 　

男性に言われ、自分の身体を見る。

やっぱりだ。 以前仕事で見たことのある光景だったのだから。

え、けど…待てよ待てよ。 僕さっきまで東京いたよね？？？ そこから逃げ出して海沿いまで行って飛び込んだよね？？ どーなってんの？？？？？？ なんで僕関西まで飛ばされてんの？？？？

僕が自殺した日の翌々日だ。

でも何で？異世界転生するならあり得るとして（（

何で僕が自殺した日の翌々日にこの世界に存在してんの？？？ 　

いやいや待て。待てよ僕。 これは地球上の日本に似た異世界なのかもしれない 考えろ僕。

はい〜！出ました、現実世界の実在する場所に転生しちゃったパターンのやつ〜！ あ、僕行方不明なってるやつ？？？ 後で調べさせてもらう？？この男に（

彼は眉を顰め僕に問いかけてきた。

さっきまでいたところから歩くことおよそ3分

彼の住む家に着いた。

そういい白髪の男性は向こうへ行ってしまった。

🐇side…

…見知らぬ男性を家に上げたのはいいが。

サイズいくつ何や…？

…身長同じくらいやし…

💎side…

そういい、彼は大きめのパーカーとズボンを差し出してきた。 　

僕は彼から貰った服を着て、深くソファに座り込んだ。

なんか懐かしい………w 面接みたいだな‥w

名前……前世の名前だったら行方不明になっているだろうから引っかかる。 けど……まぁ、いいか。

なんでって…、 こないだ自殺してなんか目が覚めたらあそこにいた〜なんて言っても伝わんないだろうし、ここで言ったら多分彼は元の場所へ連れて行きそう。 もう、決めたんだ。 あれが最初で最後の恋だった。 なのにあの人は全く僕のこと愛してくれなかった。 あの人と過ごした時間は楽しくもあり、儚くもあった。 あの人のところに戻ったって、また、辛い思いをする。 それならば、今彼に出会えたことが好機だ。彼に人生を委ねよう。 僕は、心の中でそう決めた。 彼のそばにいるためには、いつしか過去のことを話さないといけない時が来る。 けど、今はまだ過去のことは明かさないでおこう。

彼のスマホを受け取るとさっきから気になっていたことを調べた。

< 東京都　行方不明者　最新　 検索するとやっぱり僕の顔が出てきた。 そりゃそうだ。 あの人は大手企業の会社の息子だったのだから。 あの人ならここまでやりかねないなって思ってた。

彼に話しかけられたと同時に検索履歴を削除した。

まさかそう聞かれるとは思わなかった。 確かに、そう言われてみれば帰るところはない。 人生を委ねるこの人の家に住まわせてもらいたい。 あ、それ居候か（ けどこの人と人生を歩みたい。たとえ恋愛じゃなくても。

思った通りの返答だった。 ただ、そう思っていたのがバレないように明るげな口調で誤魔化す。

あ、けど、初兎ちゃん住んでるとこ… マンションだし…。 家賃とか…、大丈夫なのかな…？ 転生したから仕事もないし…

これから住まわせてもらう身なんだし、できることは僕なりにしなきゃだよね…

そう言いながら初兎ちゃんは部屋を出て行った。 あ、そっか…。ルームシェア、ダメなとこあるもんね…。