天城 六花
…眩しい
殆ど開けない窓を抉じ開け
天城 六花
……
天城 六花
外なんて何時振りだろう
暫く外を眺めていると
塰鬼 槐
…あ〜!お隣さん!
ふと見ると大きな声で叫ぶ少年が居た
3階まで聞こえる大きな声
薄桃色の短い髪に綺麗な縹色の瞳
小柄なのにも関わらず大き目なブルゾンを着用していて
天城 六花
…
天城 六花
……ぁ
人と話すだなんて久し振りで況してや大声の出し方さえも忘れてしまっていた
天城 六花
…
仕方なく私は少年に向かって手招きをした
塰鬼 槐
今行くー!
そう返すと少年は走っていった
少年の姿は直ぐに見えなくなってしまった
───コンコンコン
其の音は静かな部屋に響き渡る
ゆっくりとドアノブを掴むと自然と其方から扉を開けてきた
塰鬼 槐
こ、こんにちは!
天城 六花
…
少年は目を輝かせ乍も
塰鬼 槐
嗚呼…僕は隣の塰鬼槐です!
天城 六花
あま、き…
塰鬼 槐
?
天城 六花
…自分は天城六花
塰鬼 槐
あ、同じ苗字!
天城 六花
…表、札は見てなかったの
塰鬼 槐
あはは、僕漢字疎くて
天城 六花
塰鬼…槐の方が難しい気がする
塰鬼 槐
じゃ、じゃあ、呼ぶのは下の名前…?
少年は少し下を向き
塰鬼 槐
六花!よろしく!
少年は床に座る私に向かって眩しい笑顔で微笑んだ
塰鬼 槐
素朴な質問なんだけど、六花はなんで外に出ないの?
天城 六花
…特に意味はない
塰鬼 槐
というか、高校生?くらいだよね
天城 六花
中1
塰鬼 槐
ええ、同い年!
塰鬼 槐
大人っぽいというか…
少年は驚きの表情を見せつつも
塰鬼 槐
住んでる場所も一緒だし、学校も一緒なのかな?
天城 六花
…あ
天城 六花
そっか
塰鬼 槐
僕は大西高だけど
塰鬼 槐
君は?
天城 六花
た、多分同じ…
塰鬼 槐
そっか!
少年はずっと笑っている
疲れないのだろうか
それ程までに自分と話すのが楽しいのだろうか
天城 六花
…悩みなんて無さそう
サアっと開けたままの窓から風が入ってくる
切らずに伸び続けてきた長い髪の毛が靡く
塰鬼 槐
え?
天城 六花
…
暫く外を見つめ
目には外の景色がぼんやりと映っている
天城 六花
…明日から、よろしく
塰鬼 槐
ん、ええ?
そう言うと自分は耐えきれなくなって槐を追い出した
塰鬼 槐
…な、なんだったんだろ







