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実行日前日の夜中

side暦

私は今、紫耀に内緒で外を出歩いている。

理由は2つ

1つは、ラブホ街に頻繁に出入りしているという仁田川の顔を特定する為。

もう1つは、岸先輩に会う為。

紫耀には申し訳ないけど、これは私が知りたいことだから。

そう自分に言いかけてラブホ街を進む…

男A

ねぇ…君ひとり?

突然話し掛けられた

男B

おじさんと楽しいコトしない?

いいです、大丈夫です…

そう言って離れようとしたが…

男A

待ってよ。

男が腕を掴んで離さない…

ちょっと…やめっ…!

???「すみません、俺の彼女なんで。」

え…?

男A

なんだよ、男いるのかよ。

男B

援目だと思ったのに。

ジン

すいませんね、では。

突如現れたジンに手を繋がれ歩き出した。

ジン

なーにやってんのこんなラブホ街で。

あの…仁田川の顔を特定する為と…

岸先輩に会えたら…と

ジン

浅はかだなぁ…

え…?

ジン

仁田川はいるかもしれないけど、岸くんは居ないんじゃない?

ジン

だって岸くん埼玉戻ったし。

え…!

ジン

そりゃ東京探し回ってもいないよ笑笑

ジン

あ~笑笑お馬鹿さんだね〜笑笑こよちゃん笑笑

めっちゃ笑ってる…

でも…助けてくれてありがとう…

ジン

あー、あれこよちゃんの為じゃないから。

え…?

ジン

紫耀の彼女さんだからね、

ジン

別にこよちゃんが紫耀と関係なかったら、どうでもいいんだけど笑笑

あ、結構毒舌タイプ…?

ジン

毒舌なんかじゃないよ笑ただ俺はこよちゃんに興味がないだけ笑

は…はぁ…笑

周りがくっつきまくる人ばっかだったから、なんか新鮮…。

あ…あの…

ジン

ん?

前から気になってたんだけど…

紫耀とは…いつ知り合ったの…?

ジン

あー…

ジン

それ聞く…?

あ、だめな感じだった…?

ジン

いや、別にいいけど…

ジン

紫耀の見る目変わったりしないよね…?

え…?

ジン

まぁ…どうでもいいんだけど。

ジン

うん、話すよ。

6年前

sideジン

俺達の関係が築かれ始めたのは高1の時。

俺が多重人格だと知った日。

主治医となった仁田川の言う事なんて耳に入らなかった。

たぶんこの歪んだ考え方が本来の俺で。

家族や友達に見せる俺は虚構の自分。

ジン

俺は…一体…

自分は何者なのか。

それぞれの人格は何を意味しているのか。

わからないまま進む…真夜中の東京。

東京は気が楽だ。

誰も俺に興味なんてない。

あぁ…たぶん本来の俺の人格は、東京が好きなんだな…なんて。

そう考えていると…

ドンッ…!!!

ジン

いって…

物凄い衝撃が俺を襲いかかった。

紫耀

って…

そう…これが紫耀との出会い。

ジン

すいません…

紫耀

あぁ?お前ぶつかってねーだろ。

紫耀

何謝ってんだ?

ジン

………………

紫耀

まぁ…こっちも悪かった。

ジン

え…?

???「紫耀くーん!戻りなさーい!」

紫耀

やべっ!着いてこい!

ジン

え?えぇっ!!

そうやって俺達は得体の知れない誰かから逃げた。

ジン

はぁ…はぁ…

紫耀

お前何へばってんの。

ジン

君こそ…誰から逃げてるの…

紫耀

あ?養護施設のババア。

ジン

よ…養護施設…?

紫耀

勝手に入らされて、うぜぇから出てきた。

ジン

すごい…

なんちゅー行動力…

紫耀

なんもすごくねーよ。

紫耀

お前は?こんな時間に何してんの?

ジン

………………

もし多重人格の事を君に話したら…

君は俺のことどう思うんだろう…

紫耀

え何?何で黙ってんの?

ジン

引かない…?

紫耀

何が。

ジン

これから話すこと…引かない…?

紫耀

とりま話せよ、じゃなきゃ引くもくそもねーだろ。

ジン

……………

ジン

わかった。

俺は多重人格の事を話した。

紫耀

ふーん、

ジン

……………………

紫耀

興味ねぇ。

ジン

えっ!?

自分が話せって言ったのに…

紫耀

いいか?お前の思ってることなんざ"どうでもいい"んだよ。

ジン

"どうでも…いい…?"

紫耀

口を開けば「引かれる」だの「気持ち悪がられる」だの。

紫耀

俺はんなの興味ねぇ。

紫耀

お前、どこ出身?

ジン

千葉…

それ…聞く意味ある?

紫耀

チーバくんか。

紫耀

俺は愛知。

紫耀

5歳から東京に来た。

紫耀

お前は?

ジン

俺は…中学卒業と同時に。

紫耀

じゃ俺のほうが先輩だな。

紫耀

いいか?東京は"どうでもいい"で成り立ってるんだよ。

紫耀

お前がもしこの先自分の事を他人に聞かれても

紫耀

”どうでもいい"ってすっぽかしてろ。

紫耀

じゃーな。

ジン

あ、あの!

ジン

待って!

紫耀

あぁ?

ジン

俺は…神宮寺勇太。

ジン

君のことも…教えて…?

紫耀

神宮寺勇太か、長えな、ジンで。

紫耀

俺は平野紫耀。

紫耀

性に合わねぇけど、話してやるよ。

俺は紫耀から紫耀の過去について聞いた。

紫耀の過去は壮絶だった。

激しい児童虐待の末転がり込んだ養護施設で

施設内の人間から酷いいじめを受け

今に至るらしい。

紫耀は、悲しみを感じないんじゃない。

悲しみという感情が何かわからないんだ。

紫耀

俺は、女を信じない。

世の中って面白いよね

こんなに、「女を信じない」って言ってた紫耀が

後に俺の従姉と共依存の関係になるなんて。

やっぱ人間観察はやめられないわ。

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