TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

廊下奥

廊下は先程よりも静かで、 人1人見つからず…

ずっと重い雰囲気を漂わせている

谷崎 潤一郎

……誰も居ないですね…

咲良偽 歩邑

油断はしねぇ方が良いぞ…

咲良偽 歩邑

彼奴らが、どんな手ぇ使うか分かんねぇ今は、特にな………

叶夢

現に油断してこれなってんだしな〔包帯で巻かれた片目を指差し〕

中原 中也

例が実際に居んのがヤベェんだよなぁ………

太宰 治

………(元は私が少し気を抜いていたのが悪いのだけれど…)

…ズル………ズル………

廊下の更に奥から、 何かを引き摺る音が聞こえ始め

全員

っ!!!〔各々の武器を構え、または戦闘態勢を取り、其方を警戒して〕

ズル………ズル………ズル…………

ドンッ!!

…何かが、 叶夢達の居る方に放り出される

…………… 白かったであろう… 埃や血痕が付いた白衣を着た

男性の死体が 目の前にあった

放り出された床には血がベッタリ付いて 今も血が流れ出、 周りの床を汚している

…死んで間も無いらしい

咲良偽 歩邑

ッッッッッ!!〔その死体を見て、青ざめ〕

谷崎 潤一郎

……こ、れは…………〔同じく少し青ざめており〕

叶夢

…………死体…だな

叶夢

うつ伏せの状態だから顔は分かんねぇけど…

叶夢

……まぁ、体格的に男って断定して良いと思う……〔冷静にそう言い放って〕

太宰 治

白衣には埃と血痕………

太宰 治

…血痕は随分と前に付いたものっぽいね、乾ききっちゃってる……

太宰 治

この人のじゃ無さそうだ〔少し近付き、白衣をよく見て〕

中原 中也

……お前らよく近付けるし、冷静に判断出来んな…〔青ざめはして無いが、2人の行動に少し引いていて〕

叶夢

………まぁ…今までのに比べりゃ……なぁ?

太宰 治

同意を求めないで欲しいけれど………まぁそうだね…〔死体から離れ、皆の元へ行き〕

………茶番…終わった?

全員

っ!!〔声のした方を見て〕

そこには、 藍色の髪に少し青のグラデーションの入ったショートヘア、 耳と思わしき所には髪色と同じ藍色をした羽根、 黒い包帯で両目を隠した少女……

「芳 晴香」が、佇んでいた

芳 晴香

……言われてた…時間より……遅かったから…来ちゃった………〔自身の手に握られていた、血のついたナイフを目の前に持ちながら〕

叶夢

………「ニャルラトホテプ」二の幹部…

叶夢

「芳 晴香」…………

芳 晴香

あれぇ?…僕の事……知ってるのぉ?

芳 晴香

……って事は、他の幹部の事も……知ってるんだ………

芳 晴香

と言うかその声……プロトタイプだよね?

芳 晴香

まぁ、声じゃなくても……分かってたんだけどさ………

叶夢

…………「気配を感じ取る異能」で、だろ?

芳 晴香

うん………そうだよぉ…当たり〜………

中原 中也

………会話がゆっくり過ぎて段々イラついてきた…………

太宰 治

短気だね〜、相変わらず中也は……

中原 中也

あ゛ぁ゛!?

谷崎 潤一郎

お、落ち着いてください………

咲良偽 歩邑

……やっぱお前ら引き剥がしといた方が良いわ…

芳 晴香

………プロトタイプ以外の人達…元気だね〜………

芳 晴香

…1人は、此処の元実験体かぁ………

咲良偽 歩邑

………………〔それを聞き動きを止め、晴香を睨み〕

芳 晴香

そんなに、怒らないでよ〜……

芳 晴香

殺気で余計に、気配が濃くなってるから………分かりやすいよ?

芳 晴香

それに僕は、唯の様子見………危害を加えるつもり、無いから……

太宰 治

……ではそのナイフは、一体なんなんだい?

芳 晴香

ん〜?…あぁ、これナイフなの?

芳 晴香

………んーと…確かマイルツさんに握らされて〜………痺れ切らして来ようと思ったら

芳 晴香

多分、此処に居る…人?に邪魔されて〜………

芳 晴香

面倒臭くなって、殺したんだよねぇ………〔と死体を踏み付けながら〕

咲良偽 歩邑

…………………は?

谷崎 潤一郎

…そ、そんな事…で………?

中原 中也

………イカレてやがる…

太宰 治

面倒だからで殺す精神、理解出来ないね

叶夢

元から倫理観終わってるとは思ってたが……

叶夢

やっぱお前ら……人間じゃねぇだろ

芳 晴香

え〜………散々な言われ様だなぁ…………まぁいいや…

芳 晴香

…………ねぇキリカ〜、何時まで時間稼げば良いの〜?

全員

っ!?(「姫魏キリカ」…!?)

…ザ、ザザ………

……… 『…そうね、もう少しお願いしても良いかしら』

芳 晴香

……ん、りょうかーい

咲良偽 歩邑

クソッ!時間稼ぎで来たのかよっ!

芳 晴香

………んーん、違う…

芳 晴香

さっきも言った通り……様子見に来た、それだけ………

芳 晴香

それで偶々、キリカに頼まれた…だけ…………

芳 晴香

……その時、キリカ言ってたの…………

「これを倒せたら、研究所に関する資料をあげるわ、 幹部や所長には合意を得た…… まぁ、倒されない自信があるから、だけれど………」

「…それじゃ、せいぜい頑張りなさい」

芳 晴香

…………ってね〔少し笑って、廊下の奥へと姿を消していった〕

中原 中也

あ、おい!待て!!

谷崎 潤一郎

………あの…皆さん……

谷崎 潤一郎

……此処、何か揺れてませんか…?

谷崎の言っていた通り、 床が揺れ始めていて、 地面に亀裂が入り出していた

太宰 治

…っ、皆早く離れ___!

「離れろ」と言うより早く、 地面が崩れ、全員落下する

落下中

叶夢

っ!(クソッ、間に合えっ!!)〔大量の酸でクッションを作り、地面に敷いて〕

叶夢

……(よし!…後はタイミング合わせて………!)〔と、何かを準備し〕

咲良偽 歩邑

い゛っ!!

谷崎 潤一郎

いたっ!

中原 中也

よっと…〔重力操作で難なく着地〕

叶夢

あ゛がっ…!(1番痛そうにして)

中原 中也

おいおい大丈夫か………って…

太宰 治

なんでそう自己犠牲精神で動くかなぁ〜!ありがとうだけど!〔叶夢の上に乗っかる形で落下してきたらしく、すぐ退いて〕

叶夢

だ、だってあの場でちゃんと動いてたの俺だったし………〔いてて…と言いながら身体を起こして〕

中原 中也

……言ってくれたら俺が太宰を蹴り上げながら高度下げて降りたぞ…?

太宰 治

それはそれで私の体へのダメージが凄い………

咲良偽 歩邑

…ってか、本気で叶夢は大丈夫なのか…?

咲良偽 歩邑

なんか一瞬あったクッションのお陰で俺と谷崎は衝撃和らげたが………

叶夢

あ゛ー……大丈夫大丈夫………

叶夢

ちゃんと計算通り、少しでも衝撃和らげられたんなら良かった…………〔苦笑〕

谷崎 潤一郎

他人よりも自分の事心配しようよ…………

太宰 治

……やっぱり君、自分は回復出来る術あるからって…

太宰 治

自分の心配、後回しにしてない?

叶夢

………そんな事、ねぇよ…

太宰 治

あるから私、こう言っているんだけど

叶夢

……………

叶夢

……なら、さっきの落下はどうすりゃ良かったんだよ………

叶夢

中也の言った、蹴り上げ作戦でもやりゃぁ良かったのか?

叶夢

…仮にやったとして、そして中也が手加減してやったとしても…

叶夢

お前がすぐ動けるか、分かんねぇだろ……

叶夢

こん中で一番の頭脳が…怪我して戦闘不能は笑えねぇ………

叶夢

なら、俺が動く方が…

叶夢

俺が……下敷きになってでもやった方が…太宰もすぐ動けるし

叶夢

俺は怪我したって治せる………

叶夢

…さっきので一番良い答えはこれだ………〔立ち上がって〕

太宰 治

……だからそれを、自分の事後回しにしているんじゃないかって話を…………

叶夢

じゃぁ!

叶夢

………じゃぁ…お前はどうすんだよ…………

叶夢

どうすれば…自分を大事にしてるって言われるんだ……?〔涙目で〕

太宰 治

それは……

叶夢

…お前が、自殺趣好なのは分かった上……その上で、聞かせて欲しい………

叶夢

俺よりも頭の良いお前は…

叶夢

さっきの状況、皆や自分が無傷で済む方法……

叶夢

…分かんのかよ……っ

太宰 治

……………………

叶夢

…………何も、言えてねぇじゃねぇか……

叶夢

なんも思い付いて無かった癖に、よく俺の事言えたな…………

中原 中也

おい叶夢、流石にもう辞めろ

叶夢

…なんでだよ、俺は事実を言っただけだ

中原 中也

それでも…限度ってもんがあんだろ……!

叶夢

……………良いだろ、別に……〔歩き出して〕

中原 中也

あ、おい!叶夢!

叶夢

…周り見てくる、お前らはゆっくり来れば良い〔歩きながら、そう言って〕

谷崎 潤一郎

1人でいくの…!?

咲良偽 歩邑

流石に無茶だ!戻って来い!!

そんな静止も聞かず、 叶夢は先へ先へと行き… 遂に見えなくなった

谷崎 潤一郎

………もう、見えませんね…

中原 中也

………クソッ!!〔壁を殴りつけ〕

中原 中也

……手前ェも、何とか言ったら良かったじゃねぇか………太宰…

太宰 治

…………

太宰 治

…あの子が取った行動は、あの瞬間、あの場では最適だった………

太宰 治

自己犠牲ではあるけれど……皆無事でいられた方法は…それしか無い…………

太宰 治

……命があっても、動けない状態だと足手まといになるし……

中原 中也

だからって……!

太宰 治

だけど……

太宰 治

…私はそれを、良しとは思っていない

太宰 治

…皆も、そうでしょう?

…………

太宰 治

………少し、考えを改めなきゃね……〔立ち上がって〕

太宰 治

……今の叶夢君は、異常なくらいに自分の心配をしていない………

太宰 治

だからこそ、私達を置いて何処かに行った理由は…………

太宰 治

…自ずと、分かってくる……

咲良偽 歩邑

…………!まさか彼奴、単身で乗り込もうと……!?

太宰 治

そう、単身で、姫魏キリカが用意したものを倒そうとしている………

太宰 治

……私達が傷付かない様に…

中原 中也

あんの莫迦……何やって…!

谷崎 潤一郎

それなら、早く追いましょう!

谷崎 潤一郎

叶夢君、足が早いので…早く行かないと!

太宰 治

その前に

太宰 治

…少し、話がある………

この作品はいかがでしたか?

3

コメント

7

ユーザー

自分を大事に、ねぇ〜〜、、自分を大切にする方法なんて、私もさっぱりだからね〜〜(笑)自分が良ければそれでいい感 ほんと、叶夢くんって皆より年齢低いはずなのにやることはすっごいなぁ〜

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚