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孤独な占い師

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孤独な占い師

11 - おまけ (長編)

♥

20

2024年11月01日

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おまけ

長いにょ

優馬

今日友達の家寄ってから帰ってくるねー

維芳

👍🏻

優馬

優馬

なんか買ってくるものある?

維芳

今は無い

優馬

はーい!

優馬

お店鍵開けててよね

維芳

はいよ

維芳

気をつけて帰ってこい

優馬

👌🏻

あれから数年経って

優馬は高校生になった

今じゃ学校にも行って

友達もいて

成績もいい方

維芳

…でかくなったな…

俺はいつも通り

客の心、未来を見て

占いに見せかけてる

  

…ぁ、の…

維芳

…ん、

  

私…余命宣告。受けてて、

  

来月、誕生日…なんですけど

  

…ら、来月まで生きれるか…不安で

  

…鬼灯さんは、未来が見える

  

って聞いたので…、

  

来たん……ですけど、…

維芳

…手、出して

  

…ぇ、あ…はい

維芳

…大丈夫、生きてるよ

  

っほ、本当ですか…っ

維芳

今のところはね

維芳

君が頑張れば生きてると思う

維芳

未来は変わるから

  

…はい、っ!

  

ありがとうございましたっ!

維芳

またいつか

  

きっと来ます!

バタン…

最後の客を帰して

看板をひっくり返す

裏に戻ろうとすると

ガチャッ!

優馬

ただいまーっ!

振り向くと優馬が飛びついてくる

維芳

ぉわ、っ

優馬

ただいまぁ〜

ぎゅぅ…

維芳

はいはい…

維芳

おかえりおかえり…

頭を撫でる

優馬

ん…♡

維芳

お前、もうちょっと自分がでかくなったこと自覚してくれ

維芳

これ続けてたら、いつか絶対腰折れる

優馬

やーだ

優馬

父さんのこと好きだもん

維芳

父さんじゃないけどな。

優馬

またそう言う…

優馬

それ嫌っていつも言ってる

優馬

それ禁止

維芳

はいはい、

優馬

絶対わかってない、

維芳

お前今疲れてる?

優馬

全然、なんで?

維芳

…コーヒー買ってきて、

優馬

…ぁー、やっぱ疲れてる

優馬

もう動けない

維芳

…はぁ…

優馬の頬にキスをする

優馬

ぇ、うっ……?、?

維芳

俺の為にコーヒー買ってきて

優馬

も、もっかい…!

維芳

調子のんな

優馬

…ぇー… じゃぁ行かない……

維芳

…はぁ……

維芳

……買って帰ってきたらな…

優馬

わーいっ!

優馬

行ってきます!

維芳

バタン…

維芳

…はぁ…

維芳

今どき子供は反抗期じゃねぇのかよ…

裏に戻ろうとすると

ドアが開いた

維芳

おー、早かった

維芳

な……

振り返ると

優馬じゃない

……

維芳

…咲……

…ッ……

咲は足早に俺の前に来て

胸ぐらを掴んで口にキスをしてきた

維芳

…っ、……

母親の記憶が蘇る

…寄り戻して……

維芳

…は、?

お願い

私…やっとわかったの、

貴方じゃないとダメだって…

維芳

…なんで急に…

…あの人と絶縁されたの

…引っ付いてきて気持ち悪いって…

維芳

…それで俺に戻って来たって

…貴方しかいないの

維芳

…心読まれるの嫌じゃなかったのかよ……

…それでもいい、それでいいから…

…信じてたのよ、

…貴方……

…維芳は、ずっと一緒にいてくれるよね…

維芳

……

母親

…どこにも、

母親

…行かないわよね……

母親

ずっと…

母親

一緒よね……

維芳

……断わる……

…っ……

まぁ、いいわ……

わかってた……

維芳

……帰れ…

…っ、あと一つだけ……

…優馬はどこ、……

維芳

…あ、?

……優馬はどこよ、…

あの子だけでも、連れて帰るから…

維芳

……んだよ今更…

維芳

蹴り捨ててた癖に

維芳

自分が不利になったらまた戻ってくるのか

…っ、優馬は私の子でしょ!

貴方は血も繋がってない癖に

何よ、いい親ぶって…

親じゃないんだから返してよ!!

パチンッ!!

維芳

……っ、…

昔と同じように

爪が傷に引っかかる

血が顎をつたう

 

ガチャ

優馬

父さんさっきね!

優馬

……

優馬

……母さ……

維芳

…優馬…、

っは、優馬!!!

胸ぐらから手を離して

優馬に駆け寄る

優馬

……、

優馬

……

…優馬、お母さんの所に戻っておいで……

…もうこんな人とは別れて

お母さんと過ごしましょ

もう殴ったりする人は居ない

平和に過ごしましょ……

優馬

……やだ、…

いいのよ意地はらなくても

こんな心がよめる

人間離れした奴とは、一緒に居なくていいの

…優馬だっていつかバカにされるわ…

それに、

優馬…すっごく大きくなったのね

お母さんより身長高いね

頬を撫でられた。

優馬

……やめて、

…どうして?

息子なのよ

私の

…私だけの

優馬

…2回も捨てたのに

優馬

今更戻ってくるの?

…っそ、れは…

仕方なかったの…っ

優馬

…仕方ないって何

優馬

自分の子供よりも好きな人が居たんでしょ

優馬

それならまた、その人と寄り戻せばいいじゃん

優馬

なんで戻ってくるの

…追い出されたの…!

だから、家も何もなくて、

維芳しかいなかったから!

維芳

………

お父さんに目をやると

頬を抑えていて

指の間に血が滲んでいた。

優馬

…ぁ、…ゎ……

優馬

…と、ぅさ…

優馬

…血が、……

父さんに駆け寄り傷を見る

優馬

みせて、っ…

維芳

……ん、…

優馬

…っ…痛い、?

維芳

いや、大丈夫

ちょ、優馬…!!

そんな奴ほっといていいから!!

優馬

…っ僕の母さんなら

優馬

そんなこと言わない…!

そんなこと、って…笑

何言ってるのよ

私がお母さんなんだから

優馬

…違う

優馬

結婚した相手も自分の子供も

優馬

傷つける人なんか

優馬

僕の母さんのはずがない

維芳

…もういいよ優馬、

維芳

…何言っても伝わんないから

…っ……!!

わ、たし…ッ…

優馬が、いないと…っ

生きて、いけない…っ…

がし…

咲は膝から崩れ落ちて

優馬の服の裾を握って

泣き始めた

優馬

…っ…、……

…っ、好きなのに……

…愛してるのに…ッ!!

優馬

…は、…ぇ、……

優馬は優しい

だから、咲に手を差し伸べようとする

維芳

……優馬…

維芳

…優しくするな、

優馬

……ぇ、っ……

母親

…っ、大好きよ…

母親

…愛してるから、…っ…

維芳

……うん、…

好き。愛してる。

魔法の言葉

思ってもないのに

口に出すだけで

相手の心を動かす言葉

小さい頃に死ぬほど聞いた。

維芳

…同情するな…

一切愛がこもってない

相手に縋り付くだけの言葉

優馬

……っ、はぃ……

…っ……!

維芳

優馬に触んな

維芳

お前に母親の資格は無い

…ぁ、アンタに言われたくないわよ!!!

ね、?優馬…

そうでしょ?

私の息子なんだから、

わかってくれるよね…?

優馬

母さんなら

優馬

僕の好きな人まで好きじゃなきゃ嫌だ。

パチンっ!!

維芳

…優馬、?

…ッ…?!

な、なにすんのよ、!!!

優馬

…母さんが父さんにしたこと

…っ、女の子に手あげるとか

信じらんない、!!

優馬

僕の父さんに手あげる方が

優馬

信じらんない

……っ、!!

優馬

自分の子じゃなくても

優馬

一切文句言わないし

優馬

ここまで育てて貰った

優馬

そんな人に

優馬

ありがとうも無しに怪我させるのは間違ってる

…でも、アイツだけじゃないでしょ…

家政婦だって雇ってたくせに

何が育ててくれた。よ…

優馬

母さんは知らないよね。

優馬

僕の知らない所で

優馬

父さん凄く頑張ってた。

優馬

2時間事に休んでないと

優馬

まともにやってけない仕事を

優馬

朝から夜までやってるの

優馬

しかも1回1000円。とかいう安さで

優馬

それを月曜日から土曜日まで

優馬

日曜日は県をまたいでまで僕の所に来てくれて

優馬

僕を色んなところに連れてってくれた

…それが何よ、

優馬

こんな状態で子育てなんかできると思ってるの?

優馬

母さんは、子育ての大変さを知らない

…知ってるわよ、!

優馬

僕覚えてるよ

優馬

母さんは、僕が生まれてから

優馬

3日に1回しかご飯食べさせてないし

優馬

外に一切出さなかったこと。

…っ、なん…

優馬

…毎日仕事して、

優馬

1日だけの休みは一日中遊んで

優馬

疲れないはずない。

優馬

家政婦雇うことの何が悪いの

優馬

家政婦だってお金かかるのに

…だって、自分の子じゃ無いじゃない…

優馬

…自分の子じゃなくてもここまでしてくれるんだよ

優馬

「優しすぎる」でも足りない

優馬

…ありがとうぐらい言えば、

優馬

僕は、感謝も言えない人の所にはいかない

優馬

だから帰って

服の裾から母さんの手が離れる

…ごめんなさい

優馬

…もう遅い

…っ、みんな大っ嫌い…

優馬

僕も嫌い

……っ、!

バタンッ!

優馬

…っはぁ、…

棚に置いたコーヒーを取って

父さんに渡す

優馬

はい、

維芳

…、…

優馬

…?…父さ

ぎゅぅ…!

優馬

…わ、っ…ぅ…

優馬

…父さ、急に…どぅしたの、

維芳

…なんでもない…、

首元や肩が湿る

優馬

…泣いてる?

維芳

………、

父さんは首を横に振る

優馬

…やっぱり父さんは、嘘つきさんだね

父さんを抱きしめて頭を撫でる

維芳

…ぁりがと、…

優馬

…こちらこそ

優馬

…ちゃんと休むんだよ

維芳

……はぃ、…

優馬

…頬っぺた、手当しよ

維芳

……ん、……

優馬

おかえりのちゅーしてね

維芳

…1回だけな……

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