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sm視点

sm

…きりやんやきんときは
あんな事を言っていたが

sm

少しは自分が置かれている
状況を把握するべきだ

sm

今更…
何に期待してるんだ

sm

そんなことより…

すぐ傍のベッドで スヤスヤと寝息を立てて寝ている ぶるーくを見る

br

Zz…

…昨日は気づかなかったが この青年は、なんて美しい整った顔立ちを しているのだろう

sm

…ごめんな
こんな場所は嫌だよな

自然と口から声が漏れていた 情は抱かないと決めたはずなのに 覚悟が足りていなかったのだろうか

br

んぁ…?

sm

ビクッ…
起きたのか、ぶるーく君

br

うん…

br

正直もっと寝てたい…

sm

別にいいよ、
やる事もないから

br

分かった…

br

じゃあ、一緒に寝る?

柔らかな茶髪がふわりと揺れる 水色の瞳は宝石のように澄んでいるのに そこに浮かぶ笑みは甘く、俺を誘っている

sm

ッ…

br

ねぇ…近くに来てよ

br

お兄さんのこと、
もっと知りたいんだ

とろけるような猫なで声が耳を撫で 背筋に震えが走る そのまま体を預けてしまいそうになる

sm

…俺を支配しようとしたって
無駄だ

sm

ぶるーく君、
君の担当を任されたという
ことは俺は君に対抗する力
があるということ

sm

だから、
その手には乗らない

少し語気が強かっただろうか しかしこちらも ぶるーくの力に対抗しようと必死なのだ

br

…そんなこと、考えてないよ

br

1割ぐらいは考えたけど

br

対策されてないわけ
ないもんね

br

でも違うよ、
そうじゃないよ

br

僕が言いたいのは…

sm

彼といると気が狂いそうだ 早くここから出たい

br

さっきも言ったけど

br

お兄さんのこと
もっと知りたいんだ

br

名前も知らないから

sm

…教えたところで何も

br

ストップストップ

br

なんでそんなふうに言うの

br

いいじゃん…教えてよ…

br

僕には、もう
死ぬことしか
残ってないのに

その悲しそうな声を聞けば もう、何も言えない

sm

ッはぁ…

sm

なんで君は…

sm

今から君の命を
奪おうとしている人に…

sm

なんでそんなに
優しい声で話しかけるんだ

怒ってよ 恨んでよ 殺したいほど憎んでよ そうしてくれるならどれだけ楽なことか 頼むから、最期まで悪人でいさせてくれ

sm

なんで…、

br

なんでって…

br

だって

sm

…ッあ

やめて、言わないで 続きを、言わないで 何か…自覚してしまうから

sm

やめッ

br

僕、
お兄さんのこと好きだから

sm

思い出してしまった 蓋をしていた記憶 なんでここまでぶるーくに 情を抱いて、 断ち切ろうとしても切れなかったのか ようやく理解できた

sm

…そう

sm

君はもうすぐ死ぬんだ
それは変えられない事実だ

sm

…恋愛感情なんか
無い方がいい

sm

苦しみたくないなら、
やめた方がいい

ぶるーくの言ったことを強く否定した 聞かなかったことにしよう 何も無い、俺たちには何も無かった、

br

それでも僕はお兄さんの
ことが好きだから

br

諦めないから

br

最期ぐらい
わがまま聞いてよ

br

まだ会ってちょっとしか
経ってないけどさ

sm

そう…か

"まだ会ってちょっとしか経ってない" その言葉に胸が締め付けられるような 感覚がした

sm

覚えてないなら…

sm

お互い忘れたままでいいよ

sm

そのまま全部、
終わりにしよう

br

…?
何のこと…?

sm

ごめんね、ぶるーく君
今日はいろいろ言い過ぎた

sm

君も慣れない場所に来て
気がおかしくなって
いるようだ

br

えっ

sm

安静にしていた方がいい

俺はポケットから注射器を取り出す 錠剤は昨日使ったから、 警戒して飲んでくれないだろう 仕方がない

br

え、あ

sm

プスッ…

br

なん…で…

sm

なんでも何も
君が全部悪いんだ

br

そ…ん…な

sm

分からなくたっていい
君は知る必要も無い

sm

…俺の気持ちなんて

br

………スピー

sm

…おやすみ

これから寝不足が続きそうだ もう、何でもいいからはやく、 終わりにしてくれ

貴方の右眼を頂きます

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