〇〇
凪誠士郎
必死によじる身体を、2人の男は赤子をあやすように簡単に押さえ込んでくる。
私の全力は、こいつらにとってはお遊び程度のものなんだろう。
御影玲王
凪誠士郎
大事な〇〇を離すわけないじゃん。 そう言って男は笑う。
凪誠士郎
〇〇
ギラギラと光る瞳と目が合う。 なんで、そんな執着をするの。 私、この人と会ったの初めて…なのに。
〇〇
知らないはずなのに、でもなぜか知っているような感じもする。 わからない。
そのまま2人に抱えられて、抵抗できず連れていかれる。
ガチャ
御影玲王
凪誠士郎
御影玲王
世間話をするように穏やかな口調で2人は会話のキャッチボールをする。
〇〇
対する私は恐怖でガタガタと身体を震わせていた。 いやだ、こわい、だれか、だれか、だれか
ストンッ
〇〇
リビングのソファに下ろされた。 テレビの前にある大きめのソファ。
この家を建てるときに両親が 「みんなで座ってゆっくりテレビが見れるように、大きなソファを買おう」と言って買ったものだ。
いつも家族で過ごすリビング。 一緒にご飯を食べたり、テレビを見たり、色んな話をして過ごす空間。
私が家の中で1番好きな場所。
そんな安心できる場所が、今は怖い空間に変わっていた。
凪誠士郎
〇〇
右隣に座った男にぎゅぅっと抱きしめられる。 反対側には紫髪の男が座った。 挟み込まれる形になる。
御影玲王
〇〇
この震えは寒さからくるものじゃない。 そんなの、男達だって気付いてそうなものなのに。 白々しい。
凪誠士郎
御影玲王
〇〇
ふと前を見ると、何も写っていない大きなテレビ画面に男達に囲まれて座る自分の姿が反射しているのが見えた。
ゾッと背筋が寒くなる。
〇〇
震える声で、やっとの思いで口に出す。 彼らは顔を見合わせた後、こちらを向いて笑って言った。
凪誠士郎
御影玲王
そこでようやく、彼らは私の名前を知っているのに、私は彼らの名前を知らないことに気がついた。
〇〇
聞いたことがない、はずだ。 初対面のはず、だ。 なのに、何故か知っているような、そんな気がする。どうして
〇〇
名前を知ったからなんだというのだ。 知りたいのはその目的
〇〇
凪誠士郎
〇〇ってば、記憶が無くても鈍感なんだから
そう言って凪が笑う。
御影玲王
凪誠士郎
彼らの大きな手が、頭を顔を身体をなぞってくる。
その度にビクッと身体が震えてしまう。 なに、私の身体、なにかおかしい…?
凪誠士郎
凪誠士郎
〇〇
耳元で囁かれて、思わず声が漏れる。
その様子を見て男達は楽しそうに笑って続けた。
御影玲王
凪誠士郎
御影玲王
凪誠士郎
聞きたくない言葉が、耳に触れるほどの距離で届く。 まるで脳内に直接語りかけられているようだ。
こんな状況で、何も起こらず解放されるなんて思ってはいなかったが。 あらためて言葉にされると、自分の絶望的な未来が想像できて涙が出てきた。
〇〇
凪誠士郎
御影玲王
凪誠士郎
御影玲王
だって、〇〇は俺らのものだから。 もう絶対に逃がさない。
ドロドロに溶けたような、思わず寒気がするような笑顔で彼らは笑いかけてくる。
〇〇
御影玲王
凪誠士郎
思い出させてあげる♡
先ほど、凪と自己紹介した男に、グッと身体を引き寄せられる。
凪誠士郎
〇〇
背後から抱え込まれるような形で、抱きしめられる。 彼は180cm以上あるのだろうか。 座っても、なお大きなその身体は私を拘束するには十分すぎるようだった。
御影玲王
紫髪の、レオと名乗った男が正面から近づいてくる。
御影玲王
〇〇
背後から抱きしめるように拘束されている身体では、身動きを取ることができず、 私はそのキスを正面から受け入れることになってしまった。
御影玲王
〇〇
嫌だ、離れて、と心が叫ぶ。
が、そんな心に反して、顔も身体も動かせない。 無力な私にできることは、それが終わるまで泣きながら待つことだけ。
凪誠士郎
さわさわと、耳を首筋を大きなゴツゴツとした手が動き回る。
〇〇
そう思うものの、やはり身体は動かせず、そしてキスをされているせいで言葉を伝えることもできない。
結局、泣くしかできないのだ。
凪誠士郎
〇〇
首筋を触っていた手が、スルリと胸元に移動したかと思えばワイシャツのボタンに手をかけられる。
〇〇
そんな声は男達には届かない。 無情にも制服のボタンが外されていく。
凪誠士郎
御影玲王
御影玲王
凪誠士郎
御影玲王
凪誠士郎
御影玲王
酸欠でクラクラして頭がうまく働かない。
でも、ひとつ、またひとつと状況が悪くなっていっていることは理解できる。
誰もいない密室で、相手は体格の良い男2人。 抵抗したところで無駄なのは分かってる。
それでも、この状況を大人しく受け入れられるほど私は聞き分けの良い女ではなかった。
〇〇
少しの沈黙。 フッ、と室温が下がったような気がした。
凪誠士郎
〇〇
耳元から聞こえる声色は、先ほどと明らかに違う不機嫌の色を纏っていた。
御影玲王
凪誠士郎
御影玲王
正面に立つ御影玲王の指が首筋に触れる。 調教って、なに
御影玲王
御影玲王
凪誠士郎
混乱する私を無視して彼らは会話を続ける。 私の意思なんて関係ないんだ。
凪誠士郎
〇〇
凪誠士郎の指が唇をすりすりとなぞる。 御影玲王とのキスでいつもよりも敏感になっていて、なぞられるたびに跳ねそうになる身体をなんとか押さえつけた。
凪誠士郎
御影玲王
凪誠士郎
凪誠士郎
耳元で囁かれる。
凪誠士郎
御影玲王
〇〇
言わせようしてる。 この状況を合意にさせようとしてるんだ。
彼らは、どうしてこんなひどいことができるのだろうか。 本当に同じ血の通った人間なのか。
なんで、こんなことに…。 誰か、助けて…。
コメント
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続きめっちゃ気になります!