買い出しから帰れば、
日は落ちて暗闇が辺りを包んでいた。
頰をくすぐる夜風はやはり冷たい。
つりめ
ただいま〜。
つりめの声が聞こえていないのか、
寝てしまっているのか、
誰からの返答もなかった。
リビングに入れば、案の定誰もいない。
時間も時間だしみんな自分の部屋にいるのだろう。
つりめ
渋滞まじ辛かった〜…
つりめ
あと買い出し、いっぱい付き合ってくれてありがと。
えいじ
全然、また俺と行こ。
つりめ
いいの?
えいじ
当たり前じゃん、
えいじ
みっくんだもん。
つりめ
ふふ。
するとつりめはえいじに抱き着いた。
えいじ
誰かに見られるよ、
えいじ
2時まで我慢して。
つりめ
今だけ待って…
えいじ
…今だけ、ね。
珍しく甘えるつりめが愛おしくて、
えいじは抱き締め返した。
えいじ
もう終わり、またあとでな。
つりめ
ん〜、風呂入ってくる〜…
黄色いナイロン袋を放り投げれば
着替えを適当に持って、風呂場へ向かっていく。
疲れからかフラフラとした足取りで
歩く後ろ姿がたまらなく可愛かった。