もうだめだと、目を瞑った
…だが一向に痛みは来なかった
マイキー
莉冬
莉冬
…!
名前を呼ばれ、目を開ける
莉冬
昨日の……なんで…っ
マイキー
話は後
マイキー
お前らは出てろ
父
あぁ!?誰だてめぇら!!
父
おい莉冬、まさかお前が…!
三ツ谷
聞かなくていい
三ツ谷
行こう
莉冬
……っ
ドラケン
そいつは俺らの仲間だ、心配しなくていい
莉冬
…わかり、ました
莉緒
お姉ちゃん…?
莉冬
大丈夫だよ、莉緒
莉冬
一回外出よっか
莉緒
お外…!
莉緒
うん!行こうお姉ちゃん!
私の手を引いて外に出ようとした莉緒は 2人の仲間だという人の前で止まった
莉冬
莉緒?
莉緒
お兄ちゃんも行こう!
莉緒はその人の手も引いて外に走る
手を引かれながら 私はふとお父さんを見た
お父さんの顔は今にも殺してきそうな程 怒りに歪んでいた
莉冬
…っ
思わず,私は目を逸らした
莉緒
わ…!
莉緒
前と全然違う…!!
三ツ谷
…?
莉冬
そうだね
莉緒
お姉ちゃん、あそこで遊んできてもいい?
莉冬
いいよ
莉冬
でも、危ないことはしないようにね
莉緒
うん!
莉緒が公園に走って行く
それと同時に話しかけられた
三ツ谷
俺は三ツ谷隆。お前は?
莉冬
柊莉冬です
莉冬
あの子は莉緒っていいます
三ツ谷
何歳?
莉冬
6歳です
三ツ谷
莉冬は?
莉冬
確か…14だったはずです
三ツ谷
じゃあ敬語外せ
三ツ谷
同い年だからな
莉冬
え、そうなんですか?
三ツ谷
ああ
三ツ谷
他にも俺らと同い年のやつはいっぱいいる
三ツ谷
ちなみにマイキー達は15
三ツ谷
だから、別に敬語とか使わなくてもいいぞ
莉冬
…でも、いつも敬語でしか話さないので…
三ツ谷
なら、慣れてからでいい
莉冬
ありがとうございます
三ツ谷
あと、聞きたいことがあるんだけど
莉冬
なんですか?
三ツ谷
莉緒は外に出たことないのか?
莉冬
…いえ、出たことはあります
莉冬
私がしくじっちゃった時、2人で追い出されて
莉冬
莉緒が外に出たのは、それが初めてでした
三ツ谷
…そうか
三ツ谷
あともう一つ
三ツ谷
……嫌な事、されたか?
そう言われた瞬間、思わず息が詰まった
少し迷った
莉冬
…されてないです
三ツ谷
嘘だろ
莉冬
本当です
三ツ谷
じゃあなんで俺たちが来たときにお前は必死に莉緒を守ってたんだ?
三ツ谷
父親の暴力から守るためじゃないのか?
莉冬
それは……
三ツ谷
…お前、嘘つくの下手だな
莉冬
仕方ないじゃないですか、慣れてないんですから
三ツ谷
その方がいい
三ツ谷
…マイキー達が出てきたな
そう言われてアパートの階段を見ると 確かに2人が降りてきていた
三ツ谷
莉冬、後でお前の傷の処置するから続きはその時な
莉冬
え、あの
三ツ谷
莉緒呼んでくる
そう言って三ツ谷さんは走っていった
莉冬
…傷の処置って…?
マイキー
莉冬
莉冬
なんですか?
マイキー
俺らに着いてくる?
莉冬
…はい?
マイキー
だーかーらー、俺らに着いてくるかって
ドラケン
それだけじゃ伝わんねぇだろ
ドラケン
お前の父親、もうすぐで捕まるんだ
莉冬
え…?
ドラケン
さっき俺らで気絶させて、警察に通報してある
ドラケン
だが問題はお前と妹だ
ドラケン
院とかもあるけど、どうしたい?
莉冬
…私には決められないです
マイキー
は?なんで
莉冬
今まで、全部お父さんに決めてもらってたので
莉冬
私には…どれが正しい答えなのか分からないです
マイキー
…あのさぁ
マイキー
正しいとか間違いとかじゃなくてさ
マイキー
莉冬はどうしたいの?
そう言われ、思わず目を見開いた
今まで、こんな事聞かれた事なかったから
マイキー
俺らは莉冬に聞いてるんだ
マイキー
父親がどうとかは知らない
マイキー
俺らは莉冬の答えが聞きたい
莉冬
私の、答え……?
わからない
私は、どうしたい?
私は、私に何を望む?
…いや、違う
私じゃない
莉緒にとって、何が大切なのかだ
莉緒はきっと、望むはず
莉冬
…貴方達に着いていかせてください
私の答えを聞いた2人は 少し間があってから笑った