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#イラスト部屋
Kiki
393
#のの色こんてすと
82
17歳の誕生日を迎えた朝 、 俺は世界からひとつの感情を失った 。
目を覚ました瞬間 、 何かが変わったわけではない 。
窓から差し込む朝日も 、 聞き慣れた目覚ましの音も 、 階下なら漂ってくる朝食の匂いも 。 昨日まで何一つ変わらなかった。
スマートフォンには 、 友人たちからの お祝いメッセージが届いていた 。
俺は画面を眺め 、 返信を打とうとした 。
けれど 、 指が止まった 。
嬉しくなかったわけじゃない 。 嫌だったわけじゃない 。
ただ 、 何も感じなかった 。
いつもなら 、 誰かが自分のことを少し覚えていて くれたという事実に心が暖かくなったはずだった 。
なのに 、 今は文字がただ並んでいるだけに見えた 。
まるで 、知らない誰かに届いたメッセージを 偶然見てしまったみたいに 。
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声に出してみても 、 答えはなかった 。
その日 、俺は病院へ行った 。
医師は 、難しい顔で資料を見つめていた 。
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ya_
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自分で説明しながら 、 俺は妙な気分になった 。
好きだったものを嫌いになった訳ではない 。
ただ、それを好きでいる 理由がどこかへ消えてしまった 。
医師はしばらく考えたあと 、 1つの病名を口にした 。
その病気について、俺は聞いたことがあった 。
17歳の前後に発症する 、極めて珍しい病気 。
発症した人間は 、 ひとつ感情を失う 。 喜びを失う人 、悲しみや怒りを失う人もいる 。
俺が失ったのは ────
好意 ──── 。
誰かを好きになること 。 何かを大切に思うこと 。 そばに居たいと思うこと 。
そういう気持ちが俺の中から無くなったらしい 。
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それ以上何も聞かなかった 。
怖くなかったわけではない 。
けれど 、怖いという気持ちと、どうにかしたい という気持ちは、俺の中に残っていた 。
だからこそ、余計に不思議だった 。
自分にとって大切だったはずのものを 、 どうでもいいと思えてしまうことが 。
それから数週間がすぎた 。
学校生活は、思っていたよりも簡単に続いた 。
授業を受けて、ノートを取って、 昼休みには友人と食事をする 。
笑うべきところでは笑ったし、 話しかけられば返事もした 。
周囲から見れば以前と変わらない俺 。
ただ、物事を行う意欲を失っただけ 。
何かが壊れる音も、世界が壊れる音もしなかった 。
当たり前が、当たり前じゃなくなっただけ 。
その日の放課後────。
教室には、俺ともう1人しか残っていなかった 。
窓際に座る女子生徒 。 彼女は俺の隣のet先輩だった 。
先輩って言っても、同じクラスだ 。
彼女は1年留年しており、俺よりひとつ上だ 。
俺にとってはその程度の認識だった 。
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ya_
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先輩は頬杖をつき、こちらを覗き込んだ 。
夕日をつけた髪が、少しだけ明るく見えた 。
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時計にふと目をやると最終下校時刻まで 残り5分しかなかった 。
俺は、この場を逃れる口実だと思い 彼女に伝えた 。
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先輩の声が、教室に響いた 。
彼女は椅子から立ち上がり、真剣な 眼差しで俺をていた 。
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ya_
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返す言葉が見つからなかった 。
彼女は俺が何を失ったのか、 本当の意味ではわかっていないのだろう。
わかっていたらこんな、簡単に笑えるはずがない。
けれど、先輩は俺の顔をじっと見つめたあと、 不意に小指を差し出した 。
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なんでそんなに前向きでいられるのか 。
どうして断っても笑っていられるのか。
俺には分からなかった 。
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先輩は少しも気にした様子がなく、手を振った。
何とも彼女に思ってないはずなのに、俺は 知らぬ間に彼女に手を振り返していた。
NEXT♡800&💬5⤴︎
コメント
5件
やったーぁ!!連載だぁ! これを最初没にしたりんりんはちょっと次元が違いすぎる 神作すぎてやばい🫶 続きまってま~すっ!
参加ありがとー!! なんですかこの神作は😭😭 続きが楽しみすぎて昼しか寝れない🥺︎🥺︎🥺︎
最高すぎるっ! 悪化しそうで怖いなー… 続き待ってる〜!