葵
『ぜひともお目にかかりたいことがございます』
葵
『うちの近くの公園までいらしてくださいまし』
葵
『私もすぐにそちらへ参ります』
悠真
...
悠真
一体なにごとだろうか
悠真
こんな時間に
悠真
会おうとするなんて
悠真
...
悠真
あの公園か
悠真
よし
葵
お呼びたてなんかして
葵
怒らないでちょうだいね
葵
私どうしても
葵
お目にかからなくては
葵
いけなかったの
悠真
怒ってなんかないよ
悠真
それよりもこんな時間に
悠真
どうしたんだい?
葵
少しお話があるの
葵
さぁ行きましょう
悠真
それで?
葵
...
葵
もう何もかもおしまいだわ
悠真
おしまい?
葵
そうなの
葵
明日の朝
葵
使用人が私たちのことを
葵
夫に話すつもりなのよ
悠真
!!
悠真
それは本当かい?
葵
あの人がそう言ったのよ?
悠真
...
悠真
こうなったら
悠真
二人のこれからの生活を
悠真
僕がうまく切り回すことを
悠真
許してくれるだろうね?
葵
どういうことなの?
悠真
僕たち二人の生活を
悠真
結びつけるんだよ
葵
...
葵
今だって私たちは
葵
結びつけられているわ
悠真
えぇだけど
悠真
もっと完全にしっかりと
悠真
もう今までどおり続けるなんて
悠真
不可能なことだよ
悠真
こうなったら君も
悠真
僕について来てくれる?
葵
じゃあ私たち
葵
駆け落ちするの?
悠真
駆け落ちして
悠真
悪いことなんてないよ
悠真
だってそれは
悠真
自分一人のためじゃない
悠真
君が苦しんでいるのが
悠真
わかっているから
葵
...
葵
あなたのその目
葵
その目が私を虜にして
葵
真っ二つにしてしまったの
葵
半分はあなたのもの
葵
もう半分は
葵
あなたのもの
悠真
君のもの
悠真
じゃないのかい?
葵
そう言おうとしたわ
葵
でも私のものだったら
葵
あなたのものだから
葵
全部あなたのものなの
悠真
葵...
葵
私にはもう
葵
あなたの他に何一つ
葵
ないんですもの
葵
それを覚えていてね






