怪盗キッド

KID side

これで本当に最後、

最期のshow timeだ

この身体で闘えるかなんて分からない、けど

闘うしかないんだ、親父の為にも、俺自身の為にもｯ、！！

俺はトランプ銃を取り出し、目の前に居る組織の奴に向ける

これが例え、今生の別れになったとしても

怪盗キッドとしての役目を果たせるなら本能だ

見ててくれよ、親父。

彼奴がそう言うと、乾いた音が鳴り響く

その音の正体は一つしかない、そう__

　銃声だ。

また同じ音が鳴り響く、だが前回とは違う

俺はお返しとしてトランプ銃を発射したが、喜んでくれただろうか？笑

隙をみてトランプ銃の引き金を引いた

月が二つの影を映し出す

綺麗な満月に似つかわしくない、この場所には

紅い色を所々に付けた白い鳥、目つきを鋭くしているスネーク

ばんっ、と何度も何度も銃声が鳴り響く

ぱんっ、と銃声ではなくトランプ銃の音も鳴り響く

ばんっ、

ばたっ、

怪盗キッドの右手には強力な麻酔銃が握ってあった

意識が朦朧とする中、満月が綺麗に輝いているのが見えた

そう考えていると、突然景色が変わった

嗚呼、みんなの顔見たらまだ死にたくないって思ってしまう

まだあいつらと楽しんでたい、名探偵達ともまだ、って

本当に欲張りすぎて嫌になるぐらい、

どんどん視界がぼやけてくる、嗚呼戻るんだあそこに

やっぱり此処に戻ってきた、けどもう時間なんてない

だから最期くらい、こんな奴の願いを聞いてよ、ね、？

神様、

どうか、どうか

俺の大切な人達が心の底から笑える世界を、

お願いします

青子、おじさん

白馬、紅子

名探偵、西の名探偵

母さん、父さん

end