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カン、カン、カン、カン

鉄が鳴る音が響く工場で1人

黙々と作業する女の子がいた

ステラ

…ふう…

彼女の名前はステラ・アドラ 村1番の機械整備士だ

彼女に家族は居ない 幼い頃に貴族の車に轢かれ亡くなった

それから彼女は貴族が大嫌いだ 見るだけでも殺意が湧く

そんな彼女の元に1人の少女が現れた

ミランダ

すみません、ステラ・アドラさんはいますか?

ステラ

………

上等な服を着て綺麗に髪を纏めあげている 透き通った白い目、白い肌、白い髪

彼女の大嫌いな人種だ

ステラ

貴族はお断りって張り紙が見えないんですか

ミランダ

貴女が…アドラ・ステラ…?

ステラ

…だったらなんですか

ぶっきらぼうに応えると入口に立っている彼女はボソッと呟いた

ミランダ

やっと見つけた…

ステラ

帰ってください、貴族は嫌いなんで…

そう言い切る前に少女は彼女の傍に行き手を取った

ミランダ

私を助けてくれませんか

ステラ

……は…?

そう言う彼女は私の手を握る力をグッと強くした

これが、2人の出会いだった

ゴンッ

頭の本が落ちてきた衝撃で思い出した

前世の記憶 社長だった記憶

車にはねられて死んだ事 独り身だったこと ハマってたゲームがあったこと

ハマってたゲームは珍しいゲームで 貴族に生まれた主人公が父親からの抑圧に反抗するために事業を展開していくゲーム

その途中にイケメンが出てくる恋愛ゲームでもある

そして私はその主人公 ミランダ・レミラ・デラン になっていた

ミランダ

この美しい顔…

ミランダ

間違いない…っ…

エラン

こんな所に居たのか、ミランダ

ミランダ

声に振り向くと背の高い美形の男性が立っていた

ミランダ

…お…お父様…

エラン

お父様…?珍しいな

ミランダ

!…

ミランダ

何の用、クソ親父

エラン

ふん…

エラン

決めたのか?なんの事業を始めるのか

ミランダ

事業…

エラン

私を見返す為に事業を立ち上げるのだろう?

エラン

今日がその期限だ

エラン

さぁ、答えてみろ

エラン

私をどう驚かせる?

来た、これは最初の事業選択の質問だ

この時の答えは私は決まっている

ミランダ

医療事業よ

エラン

ほう…?

ミランダ

義手や、義足を作る事業

エラン

…ふ…っ…くく

エラン

面白い

エラン

確かに都外の発掘所には事故による人体欠損者がいる

エラン

そこに目をつけたか…

ミランダ

ええ、そうよ

エラン

ふ…

エラン

初期費用は出してやる

エラン

我が家門に泥を塗らないようにな

エラン

ククク…

ミランダ

…分かってるわよ、クソ親父

妖しい顔で笑いながら去っていく父親を見送って本を拾う

ミランダ

…医療事業…

都外で取れる「「コア」」と呼ばれる特別な石を使って義手や義足を作る事業

この石を使うと義手や義足と身体、脳をリンクさせる事が出来て本当に自分の身体のように動かせるようになる

ミランダ

てことは最初に行くのは…

私の推しに会いに行くこと!!!

都外に行って末端の村に行き、山の1番上の工場に行く

貴族お断りの紙を無視して中に入れば褐色でサラサラな赤い髪を汗で濡らす推しがいた

ミランダ

〜〜!

ステラ

……?

か…っっこいっ… 女の子なのに背が高くて、それでいて美形っ…!! 正直どの攻略キャラよりも好き!!

ミランダ

す…すみません、ステラ・アドラはいますか?

ステラ

………

警戒した目で私を下から上まで見ると彼女は口を開いた

ステラ

貴族はお断りって張り紙が見えないんですか

不機嫌そうにそう言い放った彼女 もちろん彼女の境遇は知っている

てか今初めて声聞いたけど良過ぎる、綺麗過ぎる何これ、CV斎賀み○きさんですか?!耳が幸せですありがとうございます

ミランダ

貴女が…ステラ・アドラ…?

ステラ

……だったらなんですか

ぶっきらぼうだけど口調は敬語 これが本当に堪らない…!

ステラ

帰ってください、貴族は嫌いなんで…

気づいたら私は服が汚れるのも気にせずに彼女の手を握った

ミランダ

私を助けてくれませんか

ステラ

……は…?

私が彼女の元に来たのは推しだからというだけでは無い

彼女はこのゲームでは超超超レアキャラ 味方になってくれたら事業がトントン拍子と進む超チートキャラなのだ

ステラ

…嫌です

ステラ

お帰りください

ミランダ

…っ…

ミランダ

また来ます

ミランダ

……

死ぬほど攻略が難しいキャラだけどね!!!!!

ミランダ

絶対諦めない…っ…

ミランダ

…てか…

ミランダ

顔良すぎ、声良すぎ…最強過ぎ…

ミランダ

流石私の推し…っ…!!

ミランダ

カッコよすぎる…

言葉通り少女はまた来た

次の日も、次の日も、次の日も

そして、1ヶ月が経った

ミランダ

ステラさん

ステラ

………はぁ…

ステラ

また来たんですか…

ミランダ

ええ

そう応える彼女の名はミランダ・レミラ・デランという

誰でも知ってる有名な家門の令嬢だ

なんでそんな人が私なんかを…

ステラ

……私なんか…

ステラ

何も無い…空っぽなのに…

ミランダ

そんな事言わないで

ミランダ

貴女には素晴らしい才能がある

ステラ

……

真っ直ぐな目でそう言う彼女は本当に、慈愛に満ちた表情をしていた

ステラ

っ……

ミランダ

貴女のその才能

ミランダ

人助けに使ってみない?

ステラ

…人…助け…

ステラ

……私は…

ドンドンドンドンドン

ステラ

!…

エイト

邪魔するぞ

扉が勢いよく鳴ってから開いた

そうすれば、憎たらしい男が立っていた

エイト

まぁだこんな所手放さないままいるんですかぁ?

ステラ

っ…帰ってください…!!

エイト

いやいや…早く売ってくださいよォ

エイト

ここを売って開拓するんだからさぁ…

こいつはエイト、早くこの工場を売れと言ってくる憎い不動産屋だ

エイト

不幸な事故にあった両親の工場を守りたいのは分かるけどさぁ

エイト

借金、あるんですよねぇ?

ステラ

……

そう、この工場の維持費も馬鹿にならない 借金は少しずつ増えて行って、今も生活はカツカツだ

エイト

夢なんて見てないで…さっさと…

ミランダ

黙りなさい

エイト

は?

ミランダ

それ以上彼女を侮辱するのは許さないわ

私の前に白い髪を靡かせた彼女が立った

エイト

!ミランダ・レミラ・デラン……?!

私の推しを侮辱するなんて、いい度胸してるわよね、このクソ…

ミランダ

借金…

ミランダ

いくら?

ステラ

え…

エイト

1億

ミランダ

1億?!

意外と大きい額に正直驚いたけど私は怯まない

エイト

そうだ…両親の借金も肩代わりしたんだからなぁ…

ミランダ

……そう

ステラ

…っ…

チラッと彼女を見れば悔しそうな顔でギュッと拳を握っていた

ミランダ

……

ミランダ

それなら、もう問題は無いわ

エイト

は…?

ステラ

え…?

ミランダ

私が貴女の技術

ミランダ

1億で買うから

ステラ

へ…

エイト

んな…っ…

なんで、どうしてこの人は私を…

ステラ

関係…ないじゃないですか…

ミランダ

……?

ステラ

あ…貴女は…私とは何も関係ないじゃないですか…

ステラ

きゅ…急に買うとか…私の事…何も知らない…のに…!!

ずっと思ってた本音 だってそうじゃないか、この人は私の事何も知らないんだから

ミランダ

…そうね、何も知らないわ

ステラ

っ…じゃあ…なんで…!!

ミランダ

アンタが大切だからよ

ステラ

へ…

顔を上げて彼女の顔を見るといつもの優しい表情で私を見ていた そしてふっと微笑んで

ミランダ

それに

ステラ

……?

ミランダ

…好きなのよアンタの事が

ステラ

んなっ…

ミランダ

ていうことでここの工場も、ステラも私が買い取るから

ミランダ

さっさと失せなさい

ミランダ

このノンデリ男!!

エイト

の…?!は…っ…?!

エイト

く…そ…

エイト

……夜道には気をつけろよ…っ…

ミランダ

あ?

エイト

ひぃっ…!!

彼女が睨むとエイトは勢いよく工場を出て行った

ミランダ

ふん…

ステラ

っ……

あースッキリした このイベントは本当に何回見てもイライラしてたから直接言えて良かった

ミランダ

さっ、ステラ

ミランダ

早速私と契約を…

ステラ

………

ミランダ

ステラ…?

スッキリした気持ちでステラを見るとステラは顔を赤くして手で隠していた

ミランダ

ステラ…?

ステラ

っ……み…見ないで…ください…っ…

ステラ

今は…ちょっと…

ステラ

ダメ…です…

ミランダ

………

………

か……か……

ミランダ

か“わ”い“い…っ…!!!

ステラ

ステラ・アドラ
︎︎ ♀
17歳
180cm

3歳の頃に両親を亡くした後、近所のおばあちゃんの元で生活をしていた
5歳からは両親が残した工場で独学で技術を学び今では村1番の機械整備士となった
貴族が大嫌いで今のところミランダ以外の貴族には殺意が湧く

ミランダ

ミランダ・レミラ・デラン
︎︎ ♀
18歳
160cm

前世では医療ブランドの代表取締役だった
仕事好きでゲームでも投資関係のゲームばかりしていた
事故で死んで転生した
ステラが推し 顔、性格全てが好き

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