2階の探索を終え、 最後に3階に上がる。
禪院真希
ボケっとしてんなよ
禪院真希
次は恋姫、お前がやれ
漆間恋姫
『は、はい』
ビシッと真希ちゃんに 指をさされ、頷く。
1つ深呼吸をして、 覚悟を決めたように前へ出た。
と、グラグラと建物が揺れる。
漆間恋姫
『地震?』
禪院真希
違え
首を傾げる私に 真希ちゃんが肩を叩く。
禪院真希
呪いだ
廊下の奥を見ると、 大きな目玉がこっちを見ていた。
禪院真希
さあお手並み拝見だ
禪院真希
気張っていけ、恋姫
そう言って数歩下がる 真希ちゃん達3人。
呪霊と向き合うように された私は心を決めて、
その目玉を睨みつけた。
呪霊
ヴオ゙オオ゙オオ゙
示し合わせたように 呪霊が向かってくる。
私は震える手で 今も首に巻き付く渦蛇に触れた。
漆間恋姫
( 渦蛇 )
( 塒巻き )
頭の中でそう指示すると、
渦蛇が素早く首から離れて 呪霊に向かった。
久しぶりに首が解放され、 締め付けが無くなる。
指示通り呪霊に ぐるぐると巻き付く渦蛇。
漆間恋姫
ん゙ん…
私は1つ咳払いすると、
呪霊と目を合わせて 言葉を放った。
漆間恋姫
「 跪 け 」
ズンッ
私の言葉に呪霊の足が ガクッと折れ、
強制的に床にめり込む。
禪院真希
!?
後ろで真希ちゃん達が 驚いてるなんて知らず、
私は続けた。
漆間恋姫
渦蛇、絞め殺し
文字通り"跪いて" 動けなくなった呪霊を、
渦蛇が容赦なく締め付け、 潰した。
呪霊
キュッ
そんな苦しそうな声を最後に 呪霊は灰となって消えた。