入院服に着替えたかなでは、ベットに寝転がり始めた
毒島かなで
焦凍くんのお母さん、優しい方でしたね
轟焦凍
あぁ
毒島かなで
(拗ねてますね?これは)
毒島かなで
焦凍くん拗ねてます?
毒島かなで
どうして、こっち向いてくれないんですか?
轟焦凍
拗ねてねぇ
かなでは、轟の顔を両手で掴み無理矢理かなでの方に向けた
毒島かなで
一体何に拗ねてるんですか?
轟焦凍
だってかなでの気持ちわかってたつもりだったのに、まだ辛い思いさせてたんだって思っちまって
毒島かなで
そんな事ですか
毒島かなで
僕なら平気です
毒島かなで
あんな気持ちになるのは日常茶飯事なので
轟焦凍
だからってその気持ちを吐き出せないのはダメだろ!
轟焦凍
けど、その悩みを俺じゃなくて母さんに打ち明けてたのが悔しかっただけだ
轟はかなでから目を逸らした
毒島かなで
確かに溜め込むところは僕の悪い所かも知れませんね
轟焦凍
正直迷ったんだ
毒島かなで
何がですか?
轟焦凍
母さんの病院にかなでを連れていくのを
轟焦凍
かなでには父親と呼べる人が居ても「お母さん」って呼べる人居ねぇし
轟焦凍
一緒に行って辛くなるだけなんじゃないかって
毒島かなで
まぁ、羨ましいと思いました
毒島かなで
でも、一緒に行ってよかったって思いますよ
毒島かなで
羨ましいなんて感情は邪魔だから要らないと思って忘れるようにしていたんです
毒島かなで
でも、あんなに幸せそうな焦凍くんの顔を見て、もし母が生きていたら父が生きていたら
毒島かなで
と、考えてしまいました
轟焦凍
悪ぃ。辛かったよな…っ
毒島かなで
でも、まぁ少し吹っ切れた気がします
轟焦凍
そうか……良かった
少し悔しそうに笑った
毒島かなで
……っ
かなでは無理矢理掴んでいた轟の顔に自分の顔を近づけてキスを落とした