コメント
16件
初コメ失礼します🙌🏻 とても素敵なお話でした😭 言葉一つ一つ素敵で、特に最後のシーンが心に響きました...! フォロー失礼しますね🙏🏻
わ〜ホントだ、! 画面明るくしたら見えた!! この言葉だからこそ、見えにくい方がいいっていうか、本当に闇に呑まれてるなぁって…。(?) 日記を開く度に苦しくなっていく…… だから、その言葉を消していく。、 憶えていたくないけど、憶えていたい、みたいな…女の子の複雑な感情がすごく伝わってきました……。 なんか…ありがとうございます(?)
真っ白より黒がいい。
見えない闇のなかに 何かがあるかもしれない、
そう希望を持てるから。
だから、白はこわい。
何もない、からっぽだって
見ただけで わかってしまうんだから。
頭の内側から疼く痛みと
モザイクだらけの日記帳。
思いだせない。
わからない。
知らない。
…苦しい。
それでも、
失った記憶を知りたくて
《███》の気配を 感じたくて。
どうせ消してしまう 《ほんとう》のかけら、
残しておきたくて。
深まっていく夜のなかで
確認できない朝のなかで
また、ペンを持って
たったひとりきり、
私は綴(つづ)る。
たとえば私のプロローグ
█だった。
███、だけど
私やっぱり、█も██。
███だったら どんなに██か。
でも、█████かも わからなくて。
こんなに█████なら ██、
…あ。
██にも██ないから
██、すれば██。
意識がある。
そう私が認識したのは、
独特な空気を放つ、 深夜のことだった。
目を開けた瞬間の感覚は
眠りから覚めた、というより
止まっていた時間が また動きだした、みたいな。
部屋全体が 静かな倦怠感に包まれていて
肌寒さを感じながら、 半分だけ身体を起こす。
いたい。
鈍くて鋭い、 矛盾した痛みが
朦朧(もうろう)とした 頭の内側から叩くから
ぐらり、と 世界が揺れた気分になった。
見慣れたはずで、 でもどこか よそよそしい部屋に
何故か違和感を憶える。
私、今まで何してたっけ。
なんだ、この感覚。
まるで、記憶に モザイクをかけたみたいに
今にも消えそうなくらい 朧気(おぼろげ)で。
私がさっきまで 横たわっていた辺りで
本みたいなものが 開かれていた。
擦れた表紙に目を凝らすと、
薄く鉛筆で文字が書いてある。
Diary
もしかして、 長い間眠っていたのだろうか。
そんなことを考えながら 開いた、
その日記帳は
真っ黒に、 塗りたくられていた。
まるで書かれた文字を、
強引に消そうとしているように。
それを見た瞬間、
泣き叫びたくなった。
苦しくなった。
胸の奥を 殴られているみたいに
痛くなった。
記憶にかけられた モザイクが
ますます濃く広がったのは
気のせい、だろうか。
おもえばいらない疑問
█い██ない█、
███ないし、
██って、█?
█らない。 なのに、
██████な█の██が
█が█くて、██い。
だから、██だし█い。
██、█えてよ。
なんで、██に█が██の?
どうして、███ないの?
はっと気がつくと、
なんとなく、朝だとわかった。
首を動かして、伸びをする。
カーテンの隙間から射す 眩しい光が見える。
いま、何時だろう。
スマートフォンの画面は いつまで経っても光らない。
小さく、舌打ちが漏れた。
時間の感覚なんてなくて
体内時計はきっと めちゃめちゃに狂っていて
かといって、 アナログもデジタルも機能しない
そんな私に、 《現在》を 確認する方法はなかった。
いや、今がいつだろうと
案外どうでもいい。
改めて日記帳を開くと
ただ、がむしゃらに 黒を重ねたわけではないと 気づいた。
たぶん、重要な言葉だけを 意図的に見えなくしている。 だから
モザイクの間に挟まれた、 断片みたいな平仮名だけでは
何がなんだかわからない。
理解なんてできないのに
まるで細くて棘のある糸が 心臓に絡みついたような
そんな痛みが心を刺して、
勝手に涙が零れてきた。
それでも、私は何も知らない。
現実は知らないままがいいのに
█の█で、█が████。
█?
██ないで。
これ██かき██のは、
もう███よ。
これは夢のなかだ、って 思った。
耳の、鼓膜のその奥で聞こえる。
誰かが私を呼んでいる。
その声に、なつかしくなって
同時に、せつなくなって
記憶の、ほんのひとかけらが
ちらりと光って主張した、
そんな気がした。
記すきもちは正反対
やっと、████。
██も███してたんだ。
██████。
たくさん█を███のは
██のせい、だなんて。
だけど██、
███たくない。
█はあんなに ██だったのに。
█は、██たい。
夢から醒めたとき
自然と、冷静でいられた。
日記帳の表紙を撫でる。
擦れて破れて、ぼろぼろの状態。
私に似ているようで、
私よりも屈強な日記帳。
どうして忘れていたんだろう。
▒▒▒は、今でも 私のなかで
こんなに鮮明でいるのに。
言いようのない 底なしのアイが喉を突く。
それが、愛か哀かは 定かではないけれど
生きたくないと思った。
死にたい、というよりも
▒▒▒がいない空間で
生きていたくなかった。
そしてまたループする
██まで██ても █████ままで
…いっそ、██に ███ままで███。
いつか
なんとも████なって、
██なることも██なる、
その██まで
██、██ない。
だから、██
███しまおう。
ひとりきりの静まった部屋は
真っ黒で、真っ暗だ。
わかる。
わかってる。
今からすること。
ようやく見つけた 《ほんとう》を
潰して、欠片にしていく。
きっと、何度もしてきたこと。
そして、何度でも。
掠れた記憶に
モザイクがかかって、
《私》という存在が
滲(にじ)んで ぼやけていって、
私は
闇に、
呑まれていく。
モザイクのかけら
恋だった。
たぶん、だけど
私やっぱり、今もすき。
過去形だったら どんなにいいか。
でも、現在進行形かも わからなくて。
こんなにもどかしいなら 全部、
…あ。
なんにもいらないから
消去、すればいい。
思いだせないし、
わからないし、
何も知らない。 なのに、
ぐちゃぐちゃの頭のなかが
心が痛くて、苦しい。
だから、思いだしたい。
なんで?
勝手に涙が出るの?
どうして、憶えてないの?
耳の奥で、声が聞こえる。
誰?
呼ばないで。
これ以上かき乱すのは、
もうやめてよ。
やっと、わかった。
何回も繰り返してたんだ。
ごめんなさい。
たくさん傷をつけたのは
自分のせい、だなんて。
…だけどもう、
覚えてたくない。
前はあんなに 必死だったのに。
今は、忘れたい。
いつまで経っても 引きずったままで
…いっそ、永遠に 忘れたままでいいや。
だからいつか
なんとも思わなくなって、
気になることもなくなる、
そのときまで
全部、いらない。
だから、また
消してしまおう。
拭いきれない未練に、
期間限定のさようなら。