陽華
陽華
陽華
陽華
陽華
陽華
橙
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ベットの、上? ボロボロだった服ではなく,何故か俺は高そうなシルクの寝巻きを着ている。 心なしか髪もさらついていて、まるでシャワーを浴びたみたいだ。 十数年ぶりに感じるふかふかのベットの感触。 上に掛けられている布団が暖かい。特に右側が。
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恐る恐る右側を見てみると、すやすやと眠る紫髪の男の姿がおった。 待て待て。 一体どういう状況なん? こいつにエサとして此処に連れてこられて、それでーーー。 なんで俺、ヴァンパイアと寝てるん。 いやおかしいやろ普通。 色々突っ込みたいことはあったが,なによりも。 こうして寝てると、子供みたいやな。 すやすやと寝息を立てているこいつは、とても残虐なヴァンパイアとは思えなかった。 しばらくヴァンパイアの寝顔を眺めていると、いきなりばちっと瞳が開いた。
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小し不満そうに薄目を開けて布団を掛け直している。寝起きは機嫌が悪いみたいだ。 って、そんなことよりも
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意味がわからない。俺はこいつの獲物な筈なのに、まるで友達感覚だ。いや、友達なんて居たことないけど。
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…思っていたのと違う。違いすぎる。 もっとこう、手酷くされるのを想像していたのに。同じ枕の上で、そんなこと急に言われても、はいそうですかって納得できるわけない。
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お腹に手を回されて、抱きしめられた状態でそう尋ねられる。距離感なんてあったものじゃない。
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久しぶりに口にした自分の名前に懐かしさと違和感を感じた。
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抱きしめられた状態で、んふふ、と微笑むなーくん。 長年呼ばれて無かった名前呼びに、心なしかどきっとした。 と、思ったのも束の間。 いきなりなーくんがガバっと起き上がって、俺の上に覆い被さった。
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先程までの子供のような姿は無くて,鋭い双眼が俺を見つめている。 ああ、そうや。 なーくんはヴァンパイアやから。 餌になると言うことは,こう言うことだ。 なーくんは俺をじっくりと舐め回すように見つめた後,首筋に顔を埋め、首筋をねっとりと舐めた。
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よく分からない体感に、思わず変な声が出る。抵抗しようと思っても、強い力でがっちりと両手首を固定されていて、逃げられない。 いきなり首に痛みが走った。 ガブ、と歯を立てて皮膚を牙が貫く。
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わざとなのか、そう言うものなのかは分からないが、なーくんは俺の首筋に何度も何度も噛みついた。 噛みついては、吸い付いて。噛みついては、血を貪る。 初めて感じる痛みに意識が朦朧として、段々息の吸い方が分からなくなっていく。
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浅い呼吸しか出来なくて、生理的な涙が溢れた。ひゅ、ひゅうと過呼吸気味の掠れた声が響く なんだこれ。こんなに痛いものなのか。 今まで感じたことのない類の痛みに脳が支配されていく。
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食事を終えたのか、立てていた歯を首筋から抜き、やっとなーは身を起こした。 はあ、はあと息をどうにか整えようと、浅い呼吸を肩で繰り返す。
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そう言って頭を撫でられる。 冷たいのか優しいのか、あるいはどちらでもないのか。 よく分からないなーくんの元で、そんなことを考えながら俺はまた意識を手放した。
陽華
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コメント
1件
自分のとこも雪降ったぁ! 積もってないけど……(._.)