えむ
かりかり
司くんへ あたしはもうそろそろで天国に行きます。天国に行けるかな?なんてね! まあ司くんなら、あたしが居なくてもたぶん平気だよね…!だよね?! さびしいなぁー…うーん……司 くんに会えないなんていやだよ!い らいらしてきた!もー!明日 の午前12時くらいに手術するの。 しんじゃうかなぁ、わからないや。 たぶん平気…、だといいな!えへへ、 でも……って、考えちゃダメだよね! 司くん、 ずっと、ずっと好きでした。司くん っ、あたしのこと、忘れないで欲しい とてもばかなあたしでごめんなさい。あたしのことは忘れてください。 いつかきっと、また会えても しらんぷり、してほしいな。 てんごく、どんな場所だろう? るいくんがお話してくれたの 。天国はいい所〜って、 でも忘れないで、忘れて欲しい、けど、わすれないで……なんて、我儘すぎるよね。 おやすみなさい、愛しの司くん
えむ
一日後… 天馬家
司
咲希
咲希はピンク色の袋を司に渡した
司
開けるとロケットペンダントが入っていた。
司
咲希
ロケットペンダントを開けると 茶色に枯れた桜の花びらと みんなの集合写真だった。
司
手紙をすぐに開き、司は紙に穴があきそうなくらい落涙した。鳳えむが亡くなった。これは彼女からの 手紙<カルテ> だ。
司
おかしなところで改行されている。と気づいた司は、縦に文字を読んだ。
司
咲希
司
咲希が最後の行を指で縦になぞった
司
文字と正反対のようでない言葉、あいつがずっと伝えてきた言葉、
あすは今日なのだろう。きっと。 オレは病院の入口近くの桜の道を思い浮かべた。そこにあいつがいる。
司
オレは枯れた桜の木の下に立った
司
猿のように馬鹿みたいに周りを見る。えむの姿はない。彼女はもう居ないのだろうか。
司
目をぎゅっとつむった瞬間、目を開けると桜が咲いて、花びらが散っていた
司
えむ
聞きなれた甘ったるい声、 大好きな、えむの声
司
周りを見ても誰もいない。 だがえむの声がする。
えむ
あいつの最後の言葉、だめだ、最後にしたくない。やだ。いやだ。えむ、オレは、えむといたい。えむ
司
泣き崩れて顔が汚い。何だこの顔は
ロケットペンダントから枯れた花びらがこぼれ落ちた。 ロケットペンダントには集合写真の裏に写真があった。 昔の…… 高校時代の俺とえむの写真だった。 迷子を抱え、えむに手を引かれるオレと、俺が愛した、えむ。 きっと類の盗撮物だろう。
司
あいつに一本取られたみたいだ。
数年後…
司
類
夢に見た歓声、あいつが残した舞台、ワンダーランズショウタイム、 あいつがこのショーを見たらよろこぶ だろう。あいつの大好きな話なのだから。
¿¿
くいっ
司
¿¿
司
手を引く先に居たのは桃色の髪、薄いぴんくの瞳、わかりやすい癖の、 <えむ>が…いや、<えむ>のような子がいた。
司
¿¿
司
少女は最後にオレに伝えた 「またね、司くん。」 と。
司
自分にしか聞こえない嗚咽を吐いた
コメント
3件
昔のお話にコメントすいません。 初めて、テラーの作品で泣きました。 素晴らしい作品を書いてくださりありがとうございます。
密かに見てました… とっても素敵でした-⁽ -´꒳`⁾-