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致死量の愛-Anotherstory-

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致死量の愛-Anotherstory-

2 - 致死量の愛−Anotherstory−

♥

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2019年08月04日

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それから僕は

何度も何度も 【致死量の愛】 を調べた

ねー、奏人ー……

甘えた声が テレビ前から聞こえる

どうしたの?

ネットの画面を見ながら 返事をした

致死量の愛…直し方……?

偶然出てきた文に 釘付けになる

ネット見てないで
話そうよー…

不満気な声は 変わらなくて

なんだか可哀想になるので 半径0センチまで 近づきたくなったけど

やめた。

はいはい、後でね……

ひらひらと手を振って 答えた

その日の夜

僕は夢を見た

君が甘えてきて 抱きしめてくる夢。

何度も唇を重ね 二人で瞼を降ろした

その愛の量はまさに

致死量のようで……

早朝

目を覚ますと 不思議な感覚が僕を襲う

表現しにくいような 不思議な感覚。

そして、体を上げると 見知らぬ女性がいた

君(?)

おはよう、奏太。

突然、僕の名前を呼んだ

誰やねん!?

だ、誰ですか…?!

誰、ですか……?

関西弁が出ないよう しっかりと意識を持つ

実家ぶりの関西弁、 久しぶりやな…

なんて呑気な事を思っている 間にも、事は進む

君(?)

奏太、冗談でしょ?

君(?)

ねぇ、致死量なんて関係なく
愛してよ。

縋るように言葉を出す人

その瞳は泣きそうで

締め付けられるように 胸が苦しくなった

えっ………と……

目の前の人は、 僕を愛しているようで

でも、僕はこの人の 記憶がなくて

もどかしい気持ちに 嫌気が差した

君(?)

私、美咲よ。

君(?)

あなたが愛した
美咲よ。

畳み掛けるように 言葉を連ねる人

美咲……

美咲……さん、とは……?

聞いたことあるような ないような

曖昧な記憶に 腹が立つ

ここから

彼女の前から

居なくなった方が良いんじゃないかと思うほどに

君(?)

私が愛してしまったから……?

その言葉と同時に

薄っすらと何かの記憶が 反芻する

致死量の愛

それは、とても切ない愛

致死量以上の愛を受けると

その人は一生愛せなくなる

一つだけ

聞きたいことがあった

愛した人がこの人かも しれないと思う前に

美咲、さん。

君(?)

……何?

僕は貴女を、
愛していましたか?

そう聞くと彼女は 絶句したように黙った

数秒の沈黙が流れる

その間、彼女は 何かと格闘するような

超えられない壁を 超えるような

葛藤している表情を していた

君(?)

いいえ、
愛してなんかいなかった

ふわっ、と ベールのような笑みを浮かべて 彼女が言った

清々しいほどに 明るい光が差したような 笑みを浮かべて

そう、ですか………

その笑みを見て 俯いてしまった

普通何も無かったらあれほど 切ない笑い方はしないよな…

彼女に無理をさせて しまった事が情けなくて

彼女にできる償いを 考えてしまう

彼女を僕が覚えてないのなら

それなら

じゃあ、出ていきますね

先程の情けなさなんて 忘れてしまったかのように

平然と荷物を片づけた

なんとなく、切なさが 襲ってきて

目頭が熱くなった

おかしいな……

彼女の事、何も知らない はずなのに

どうしてこんなにも……

虚しい………?

そんな気持ちを押し殺すように

もう、何も思い出さぬように

君に背を向けて

さよなら。

そっと呟いた

少し声が震えたのは 気のせいだ

ガチャッ

閉ざした玄関が虚しさの 余韻を残すように鳴る

聞こえないふりをして 歩き出した

これからどこに行くんだろう

苦しいほどの喪失感

憂いに溺れ視界が滲む

嘘だ……

愛していなかった
はずがない

別れてからこんなにも……

悲しくて虚しくて…

苦しいんだから……

頬を伝って 滴り落ちる雫は

大粒の雨のようで

彼女へのこれまでの 愛を表しているようだった

愛していたのかは 知らないけれど

たった1つだけ

哀してるよ。

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コメント

396

ユーザー

お疲れ様……((6時間前って、どんだけ頑張ってるの…、

ユーザー

頑張ってた……友達が((勉強はしました

ユーザー

いつでも応援してるよ((イケボ

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