コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
生前
私はオカルトが大好きだった
特に好きだったのは八尺様
身長がすごく高くて
ぽぽぽと不思議な笑い方をする
ワンピース姿に帽子を被ってる
魅入った子供を何処かに連れ去ってしまう
有名なオカルトの一つだ
八尺様に会いたい
それが私の小さい頃からの夢だった
八尺様が居そうな場所に一人で行く
それが私の唯一の楽しみだった
もしかしたら会えるんじゃないか
そう思いながらいつも探してた
でも
八尺様を見つける前に私は死んじゃった
八尺様に会いたいなー
ずっと思い続けた
八尺様に会いたい
その思いが未練となって
呪いとなって
私は死後
幽霊になった
なんで幽霊になっちゃったんだろう
でも
同じオカルトなら
八尺様に会えるかも
私は死んで
幽霊になった今でも
八尺様を探してる
次は何処に行こう
何処に行ったら会えるんだろう
そう考えたら
私の口角は自然と上がっていた
何処にいるの?
ねぇ
いるならでてきてよ
いるなら返事をしてよ
私の言葉に返事をしてよ
ここにもいない
何か聞こえる
でも
何だろう
何か騒がしい
悲鳴のような声
何故か此処にいる人皆んな怯えてる
何でそんなに怯えてるんだろ
何か怖いものでも見たのかな
まぁいっか
次の場所に行こう
次こそは会えるかも
また私は微笑んだ
すると
また何か騒がしい声が
聞こえてきた
人が沢山いる
こんなに多くの人がいるんだから
八尺様だっているかもしれない
また私は八尺様を呼ぶ
でも
いくら呼んでも返事は返ってこない
此処もいないか
でもやっぱり
此処でも何か聞こえる
またあの騒がしい声
でもまぁいっか
また別の場所に行こう
さっきは人が沢山いる場所に行っちゃったけど
八尺様は妖怪だから
大勢の人が見たら驚いちゃうよね
じゃあ
人気のない場所なら居るかも
また私は声を出す
今度はさっきよりも少し大きな声で
八尺様を呼んだ
でも
八尺様は此処にもいなかった
すると
近くにいた人が凄い勢いで走っていく
大きな声を出しながら
どうしちゃったんだろう
逃げるように走り去っていく人を
私はただ
見つめていた