どこかを彷徨っている感覚。
何から逃げ回っている感覚。
息を殺す。
刃が掠めていく。
仲間の声。
息が切れる。
脚が重い。
耳に響く機械音。
この感覚を、私は知っている。
?
がばりと勢いよく起き上がる。
バクバクと鼓動がうるさい。
?
夢…。
はぁ、とひとつ息を吐き、ベットから立ち上がった。
水…。
フラフラとおぼつかない足取りで自室を出る。
ふと、明かりがついていることに気がつく。
『また』こんな時間まで起きてるの…?
?
煤で汚れた少年
煤で汚れた少年
?
その瞬間、息が詰まる。
あれ、ここ、どこ…?
煤で汚れた少年
少年らしき人物が彼女に近づくと、びくりと肩が大きく揺れた。
?
煤で汚れた少年
シア
煤で汚れた少年
煤で汚れた少年
煤で汚れた少年
シア
煤で汚れた少年
シア
今に至るまでの経緯を簡潔に説明してくれた。
ここは『荘園』と言い、招待状が送られてきた者のみ入ることが許されているらしい。
荘園の中では『ゲーム』と言って脱出を懸けた文字通り、ゲームが開催されているという。無事脱出できた者には懸賞金も与えられるようだ。
狩る側と逃げる側。4:1のゲーム。簡単に言えば隠れ鬼ごっこ。 しかし、その脱出回数が一定にならないと荘園から出られないことはもとより、懸賞金も手には出来ない。
だが、明確な一定回数が荘園主から宣言されていないのだ。つまりは、半永久的にここからは出られないと言うこと。
ここに来る者は訳ありが多いらしい。 違法を犯した者、ある人物を追いかけてきた者、何かから逃げてきた者─。
私は一体何しにここへ…。
シア
トレイシー
シア
シア
トレイシー
シア
トレイシー
シア
エミリーとは、この荘園で『医師』として名乗っている人物。実際のところ、腕の良い医師ではある。
エミリー
エミリー
シア
エミリー
エミリー
シア
そう、そこが厄介なのだ。確実に体は覚えているはずの場所なのだが、シア自体が記憶にない。
フードを被った男
エミリー
フードを被った男
シア
フードを被った男が彼女の頭をわしゃわしゃと撫で回した。
エミリー
エミリー
ナワーブ
シア
日常的に、私は好かれていたのか…?
エミリー
エミリー
エミリー
トレイシー
ナワーブ
シア
そんなにここには人がいるのか…。
にこりとぎこちなく笑った。
ここにきた目的を思い出さなきゃ。 何か、何か大事なことを忘れている気がする。
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