ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…よしっ、お前ら準備できた?』

しにがみ ( 詩神 秀
『バッチリですよ!トラゾーさん、今回こそしっかり役に立ってくださいね??』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『いや、そういうお前が前回一番足引っ張ってただろ』

しにがみ ( 詩神 秀
『それは違いますよ!!僕はいつだって冷静沈着で完璧なプレイングをーー』

トラゾー ( 虎若 空翔
って言ってる間に後ろから敵来てますよしにがみさん、笑

しにがみ ( 詩神 秀
『えっ!?ちょっ、嘘っ!!待っ、あーー!!』

俺とぺいんとは、しにがみさんの慌てふためく声を聞きながら、いつものように大爆笑していた
こうやってオンラインで気の合う仲間と話しながらゲームをする時間は、俺にとって最高のリラックスタイムだ
ぺいんと(天乃 絵斗)と、しにがみさん(詩神 秀)
この2人とも、もう随分と長い付き合いだ
ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…で、トラゾー、最近どう?あの件は』

トラゾー ( 虎若 空翔
え、あの件?

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『いや、だから、お隣さんの騒音の件だよ!!』

しにがみ ( 詩神 秀
『あー、確かに今日はトラゾーさんその話しませんね』

しにがみ ( 詩神 秀
『最近ではもう毎回隣人の騒音がうるさいって愚痴ってるのに…』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『もう騒音聞こえなくなったとか?』

トラゾー ( 虎若 空翔
いや、別に騒音が聞こえなくなったってわけではないけど…

トラゾー ( 虎若 空翔
寧ろさっき聞こえてたし、

しにがみ ( 詩神 秀
『え、じゃあ尚更なんで今日は文句言わないんですか!?』

トラゾー ( 虎若 空翔
しにがみさん俺が文句しか言わない男だと思ってます??

トラゾー ( 虎若 空翔
…まぁ、ちょっと色々あって

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『何、なんかあった?』

しにがみ ( 詩神 秀
『え、トラブルあったとかなら教えてくださいよ、』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『そうそう、渋ってても気持ち悪いだけだぞ?』

トラゾー ( 虎若 空翔
あー…実は2日前にさ、隣人の荷物が誤配送で俺のとこに来たから届けに行ったんだよ

しにがみ ( 詩神 秀
『てことは、その騒音隣人に直接会ったんですか?』

トラゾー ( 虎若 空翔
まぁ、そういうことですね

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『なるほど、それで?』

トラゾー ( 虎若 空翔
最初は俺も、直接会うなら文句ぐらい言ってやろうって思ってたんだけど

トラゾー ( 虎若 空翔
まず、出てきた時の格好が異常でさ

トラゾー ( 虎若 空翔
ダボダボのシャツ一枚しか着てなくて肌見え見えだったし

トラゾー ( 虎若 空翔
何より…足に液体みたいなのが滴ってたっていうか…

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…え、何、まさかヤってる最中に出会したってこと?』

しにがみ ( 詩神 秀
『しかも、前の話の通りだったらその隣人って男ですよね?』

トラゾー ( 虎若 空翔
そう、男なんですよその人

トラゾー ( 虎若 空翔
しかも今見られたくないオーラが凄くて…

しにがみ ( 詩神 秀
『あちゃー…やっちゃいましたねそれは』

トラゾー ( 虎若 空翔
あと、多分見た目的に俺らと同じ年齢っぽいんだよ

トラゾー ( 虎若 空翔
しかも結構美青年

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『うわ、まさかのイケメンか…』

しにがみ ( 詩神 秀
『どういう系のイケメンでした?』

トラゾー ( 虎若 空翔
ん〜…優しそうな、穏やか系?

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『あー、じゃあ怖い人ではないか』

トラゾー ( 虎若 空翔
ひとまずそれに関しては安心した

しにがみ ( 詩神 秀
『でも、それがどうしたんですか?』

トラゾー ( 虎若 空翔
…その、なんか…悲しそうだったというか

トラゾー ( 虎若 空翔
すごい、寂しそうな表情してたような気がして…

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『文句言う気が失せた…ってこと?』

トラゾー ( 虎若 空翔
まぁ…そんな感じだな

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…ふーん』

しにがみ ( 詩神 秀
『トラゾーさんって…結構そういうとこありますよね』

トラゾー ( 虎若 空翔
そういうとこ?

しにがみ ( 詩神 秀
『困ってる人いたら、ほっとけなくなるとこ』

トラゾー ( 虎若 空翔
えぇ、そうですか…?

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…てかさ、トラゾーお前…その隣人の事、恋愛的な意味で気になってたりしてない?』

トラゾー ( 虎若 空翔
は?

しにがみ ( 詩神 秀
『え、マジですか!?』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『いやさ、昨日俺お前の家寄ったじゃん、忘れ物取りに』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『その時はちょっと言えなかったんだけど…トラゾーの部屋、前の時と比べものにならないくらい汚すぎて』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『それも多分、その隣人の件が気になってるからだろうけどさ…』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『隣人が悲しそうだったからって、そんなに家事疎かになったりするか…?』

トラゾー ( 虎若 空翔
…

…ぺいんとが言っている事に、何となくだが俺は納得してしまった
胸の中の違和感と、今行き着いた答えが一致する感覚がしたからだ
しにがみ ( 詩神 秀
『…おっと〜…これは図星ですか??』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『まじかー…そんなに美青年だったのかその隣人』

トラゾー ( 虎若 空翔
いや…うん、確信は無いんだけど…

トラゾー ( 虎若 空翔
なんか、自分で納得してしまった

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『隣人に一目惚れって、もうドラマだな…』

しにがみ ( 詩神 秀
『というか、どうするんですかトラゾーさん』

トラゾー ( 虎若 空翔
え、どうするって…何をですか?

しにがみ ( 詩神 秀
『いや、だからその隣人さんの事ですよ!』

しにがみ ( 詩神 秀
『好きになったのはいい事ですけど…その人彼氏的な人居るんじゃないんですか?』

しにがみ ( 詩神 秀
『毎日その隣人さんの喘ぎ声聞こえてるって言ってましたし…』

トラゾー ( 虎若 空翔
彼氏は、まぁいるでしょうね…

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『んー…兎にも角にも、お前その隣人さんと付き合いたいって気持ちはあんの?』

トラゾー ( 虎若 空翔
…そりゃあ、あるだろ…あの人のこと好きってことは、

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…よし、今からその隣人の部屋凸れトラゾー』

しにがみ ( 詩神 秀
『いけいけ今こそ告白ですよトラゾーさん!!』

トラゾー ( 虎若 空翔
いやなんでだよ

…とまぁ、かれこれ小一時間
ぺいんととしにがみさんの「隣人と結ばれよう作戦会議」(?)が続いた
といっても、俺はほぼ置いてけぼり状態
作戦会議というより、二人の討論合戦と言ったほうが正しかったかもしれない
ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…はぁー…で、どうすんのトラゾー』

トラゾー ( 虎若 空翔
どうするもなにも…

トラゾー ( 虎若 空翔
というか後半ほとんど謎の暴論しか言ってなかっただろ二人とも

しにがみ ( 詩神 秀
『えー僕結構いい案出したと思いますけど…』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『いやしにがみの案はぶっ飛びすぎだっただろ』

トラゾー ( 虎若 空翔
というか、俺もその隣人とどうしても付き合いたいーってわけじゃ無いし…

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『え、今更すぎだろお前』

しにがみ ( 詩神 秀
『トラゾーさん1時間前に付き合いたいって言ってませんでした…!?』

トラゾー ( 虎若 空翔
確かに言いましたけど!!

トラゾー ( 虎若 空翔
別に相手がいる人なら、どんな手を使ってでも付き合いたいとは思わないというか…

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『珍しく遠回しな考えだな…あの体も頭も筋肉なトラゾーが…』

トラゾー ( 虎若 空翔
それ俺はどんな反応したらいいんだよ

しにがみ ( 詩神 秀
『んー…でも、その人に相手が居ないって場合もありますよね?』

しにがみ ( 詩神 秀
『毎日やらしい声が聞こえるなら、可能性は低いかもしれませんけど…』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『あぁ…確かに可能性としてはなくも無いかも』

トラゾー ( 虎若 空翔
あるのかなー…相手がいない場合って、

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『…再確認なんだけど、トラゾーはその人と付き合いたいって気持ちはあるにはあるんだよな?』

トラゾー ( 虎若 空翔
んー、あるにはある

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『ならその人に恋人居ないにかけて、とりあえずやれることはやるだけやってみたら?』

しにがみ ( 詩神 秀
『あー結局それがいいかもですね』

トラゾー ( 虎若 空翔
んー…まぁ、なるほど…

トラゾー ( 虎若 空翔
でもやれることっていってもなー…

しにがみ ( 詩神 秀
『あ、はいはい提案!』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『お、ではしにがみくん』

トラゾー ( 虎若 空翔
返し方が笑点だな

しにがみ ( 詩神 秀
『確かぺいんとさん、トラゾーさんの部屋がクソ汚いって言ってましたよね?』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『そうそう、もうマジでゴミ屋敷』

トラゾー ( 虎若 空翔
いやゴミ屋敷とまでは言ってなかった気がするんだけど

しにがみ ( 詩神 秀
『まずそれ直さないとなにも始まらないじゃ無いですか、』

しにがみ ( 詩神 秀
『だから、週に何回か僕とぺいんとさんでトラゾーさんの部屋が清潔かどうかチェックしに行きましょうよ!』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『でも俺授業ある日以外基本外出ないから外出回数増やすのキツイ』

トラゾー ( 虎若 空翔
お前俺の力になりたいのかなりたくないのかどっちなんだよ

しにがみ ( 詩神 秀
『うわぁ…即答で否定されて僕傷ついちゃいましたよ…』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『でも部屋片付けた方がいいっていうの自体は、ほんとにどうにかした方がいいって俺も思う』

トラゾー ( 虎若 空翔
えぇ、マジかそんな汚い?

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『そんなに汚い、マジで』

しにがみ ( 詩神 秀
『そこまでいうって逆に見てみたいですね…』

トラゾー ( 虎若 空翔
んー…まぁ頑張れば一人で片付けられると思うけど…

しにがみ ( 詩神 秀
『でもゴミ屋敷なんですよね?、丸一日かかったりしませんかそれ』

しにがみ ( 詩神 秀
『トラゾーさんだってやらないといけないことくらいありますよね?』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『あーじゃあさもう、家政婦でも雇えよお前』

トラゾー ( 虎若 空翔
家政婦??

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『そう、金はかかるかもしんないけど、確か結構裕福だったろトラゾーのとこ』

しにがみ ( 詩神 秀
『確かにそれの方が、一番手っ取り早くはありますね…』

トラゾー ( 虎若 空翔
…いや、でも女性だぜ?

トラゾー ( 虎若 空翔
男一人の家に女性ってどうなの、ちょっとしんどくない?

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『思春期男子かよ』

しにがみ ( 詩神 秀
『あー、でも最近は男性がそういうサービスをしたりしてる事もあるらしいですよ?』

トラゾー ( 虎若 空翔
家政婦じゃなくて、家政夫ってことですか?

しにがみ ( 詩神 秀
『そうですね、女性が気まずいなら僕はそっちをオススメしたいです!』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『もうそれでいいんじゃね?、かれこれ2時間近く話してるじゃんこの話題』

トラゾー ( 虎若 空翔
飽きてきてんじゃねえかぺいんと

しにがみ ( 詩神 秀
『じゃあもうそれ決定で!』

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『もう今予約してこいトラゾー、』

トラゾー ( 虎若 空翔
え、今!?後ででいいだろ別に…

ぺいんと ( 天乃 絵斗
『こういうのは早めに動いた方がいいだろ、』

しにがみ ( 詩神 秀
『さぁ早速家政夫 let's go!!』

トラゾー ( 虎若 空翔
あーもうわかったわかった!

気が乗らないながらも、二人に流され結局俺は家政夫予約のサイトを開いた
急かす二人の言葉を聞き流しつつ、俺はなんとなくで目に止まった人物の予約ボタンをタップした