テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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ただのモブ、魔法も使えないけど生きてます

第4話 - なんやかんやあって部活動に入りました(?)

2024年09月21日

#初心者

#ファンタジー

#オリキャラ

(●´∀｀●)なー

如月鈴

…はぁ

如月鈴

(学校を終え、1人帰り道を歩く)

如月鈴

(…今日も、つまらない1日だった)

如月鈴

(…)

如月鈴

(そう思ったとき、不意に屋上で出会ったあの無神経男のことが、頭をよぎる)

如月鈴

(…いやいや、あんな失礼な男のことなんて、どうでもいいじゃない)

如月鈴

(…でも、不思議と、本来の自分でいられた気がする…)

黒猫

にゃー

如月鈴

…あっ君、朝の

黒猫

んにゃー？

如月鈴

…相変わらず、あざとい

如月鈴

(そう言いつつ、可愛さに負けて撫でてしまう自分に呆れる)

如月鈴

(仕方ないよね、可愛いは正義って言うし)

黒猫

にゃおん〜

如月鈴

…君は、家はあるの?

黒猫

んにゃ?

如月鈴

…ねぇ、愚痴聞いてくれない？

黒猫

…にゃ

如月鈴

(きっと了承してくれたと考えよう)

如月鈴

今日さ、昼休み屋上に行ったら、凄い無神経な人にあったの

黒猫

…

如月鈴

…ほんっと、初対面であの失礼さはやばいよ、君にも見てほしいぐらい

黒猫

…にゃふぅ

如月鈴

…

如月鈴

(あれ、あの男も確かに嫌だったけど、まず1番愚痴るべき対象は天野さんでは？)

如月鈴

(なんで私、真っ先にあの人のことが出てきたのかな)

黒猫

…|彡ｻｯ

如月鈴

…

如月鈴

(気が付けば黒猫ちゃんは居なくなっていた。今後関わることのないであろう人のことを無駄に考えても仕方ないので、私も家に帰る)

如月鈴

…ただいま、お父さん

お父さん

おぉ、鈴、おかえり

お父さん

学校はどう?友達出来た?

如月鈴

…うーん、まぁちょっとだけ…

如月鈴

(そう言って、私は作り笑いをする)

如月鈴

(本当はいないし、これから作る気もないけれど、お父さんのことは安心させてあげたいから)

お父さん

そうか、よかった。いつかうちに連れてきてもいいんだからね？

如月鈴

うん、そのうちね

お父さん

そういえば、今日お弁当忘れただろう?チンしてあるから、食べなさい

如月鈴

ありがと、手洗いうがいしてくるね

お父さん

うん

如月鈴

(洗面所へ行く)

お父さん

…ごめんね

お父さん

…はい、はい…大丈夫です、問題ありません…

お父さん

彼女のことは私が見ておきますから…

お父さん

…

お父さん

(ある1枚の、汚れた資料を手にとる)

Ｎｏ．２３鈴…(汚れていて見えない) 生年月日:2‪✕‬2‪✕‬年7月7日＿＿＿＿＿＿＿＿。＿＿＿＿＿＿＿＿＿。 : 注意対象

如月鈴

(戻ってくる)

お父さん

っ、(紙を隠す)

如月鈴

いただきます

お父さん

あ、あぁ、どうぞ

如月鈴

…美味しい

お父さん

そっか、なら良かった

如月鈴

ねぇ、お父さんさ

お父さん

ん?どうした?

如月鈴

…いや、やっぱなんもないよ

お父さん

…?そうか、あまり抱え込みすぎるなよ

如月鈴

うん、分かってるよ、ありがとう

如月鈴

部屋戻るね

お父さん

…あぁ

如月鈴

…

如月鈴

(何が、抱え込みすぎるな、だ)

如月鈴

(自分だって、私に隠して、沢山抱えすぎてるくせに)

如月鈴

(気付いてないとでも思ってたのか)

如月鈴

…お父さんが隠し続けるなら、私も本当のことは隠し続けるよ

如月鈴

…はぁ、宿題して寝よ

???

はい、見つかりました

???

今後も監視を続けていきます

???

大丈夫ですよ、こちらで任せてください(人好きの笑顔)

如月鈴

…ふぁぁ

如月鈴

(眠気に負けてしまいそうな体を無理矢理動かして、今日も学校)

如月鈴

(天野さんがうるさいので、いつもより早く来たのだが、暇である)

如月鈴

(早く来すぎて、天野さんも誰もまだ来ていない)

如月鈴

…ちょっと、散歩でも

如月鈴

(…初めて中庭に来たかもしれない)

如月鈴

(少しワクワクしながら、散歩する)

如月鈴

…

如月鈴

(不意に目に入った、花壇のお花)

如月鈴

(みんな綺麗に咲いているのに、1本だけ茎が真ん中で折れている、心なしか悲しそうだ)

如月鈴

……君、なんだか私と似てるね、君とは仲良くできそうだ

如月鈴

…花に失礼か

如月鈴

こんなの、簡単に治ってしまえばいいのに

如月鈴

…

如月鈴

っ！？

如月鈴

(返事も待たずに喋っていたら、いつの間にか折れていた茎が元通りになっており、悲しそうに見えていた花も元気になったように見えた)

如月鈴

…よく分かんないけど、よかったね

???

…あれ、君…

如月鈴

えっ

如月鈴

(聞き覚えのある声に反応してしまい、後ろを振り向く)

如月鈴

(するとそこには、昨日屋上であった男がいた)

如月鈴

…君も、誰かに折られた?

???

やぁ、昨日ぶりだね？

???

会えて嬉しいや

如月鈴

…私は嬉しくない、です

如月鈴

(なんということだ、最悪だ)

如月鈴

(ここで私は気付いてしまった)

如月鈴

(彼には一応、命を救ってもらっている)

如月鈴

(花も萎れていて、なんだか親近感が湧いてしまった)

如月鈴

(けれど、あの時私はムキになってお礼も言わずに帰ってしまった)

如月鈴

(今覚えばすごく恥ずかしい)

如月鈴

…あのさ

???

んー？

如月鈴

…一応、助けてもらったし…ありがとう、ございます

如月鈴

(助けてくれたし、この人はきっといい人だろう…)

???

えっ

如月鈴

(すると彼は、驚いたように目を大きく見開いた)

如月鈴

(次に出た一言に、私は幻滅した)

???

…君、お礼とか言えるんだね

如月鈴

…

如月鈴

…は?

如月鈴

(さすがに失礼すぎる、いや、助けてもらったのにお礼も言わずに逃げた私も悪かったけれど)

如月鈴

(やはり、この人はいい人ではなかった)

???

いやーだって、君あの時怒ってたみたいだし、お礼とか全然考えてなかったから

如月鈴

…そう…まぁ、ごめん

???

別にいいよ？

如月鈴

…ありがと

如月鈴

(なぜだか不思議と、この人と喋っていると安心する)

如月鈴

(茎に手を当ててみる)

如月鈴

(いや、恋とかそんな大逸れた素敵なのじゃなくて、なんていうか…変に接しやすい)

如月鈴

(今まで全然人と接してこなかったせいか、自分でもびっくりするほど落ち着いているのが分かった)

如月鈴

(でも話すこともないので、用は済んだし教室に戻ろうかな)

如月鈴

…んじゃ、お礼言いたかっただけだから、これで

???

あっちょっと待って

如月鈴

…何ですか

???

名前教えてよ

如月鈴

…如月鈴

月野瀬蓮

鈴、いい名前じゃん、僕は月野瀬蓮(つきのせれん)

月野瀬蓮

んじゃ、これからよろしく、鈴

如月鈴

え、いや…私、もう貴方と関わるつもりないんだけど

月野瀬蓮

えー、じゃあさ

月野瀬蓮

週に一回、屋上で会おうよ

如月鈴

えぇ、なんでよ

月野瀬蓮

まぁまぁ、いいじゃん、部活みたいな感じで

如月鈴

…ふっ、何それ

如月鈴

(このとき、私は自然と笑えていたことを知ることはない)

月野瀬蓮

ねぇ、いいでしょ？

月野瀬蓮

互いに色々とこじらせてるみたいだからさ、そんな自分を大事に出来るように

月野瀬蓮

毎週金曜日だけ放課後屋上に集まって、互いの1週間の評価を3段階評価で伝え会おうよ

如月鈴

うーん

月野瀬蓮

ねぇ、お願い〜

如月鈴

ｸﾞｯ…

如月鈴

(無駄に勢いがあって、顔が整っているせいで、おねだりされたら断れない)

如月鈴

…分かった、いいよ、どうせ暇だし

???

やったー！じゃあ、そうだな…部活名は「無駄に拗らせ部」

如月鈴

ふっ、なにそれ

月野瀬蓮

あ、でも、これだけ

如月鈴

ん?

月野瀬蓮

どちらかが次死のうとしたら、解散

月野瀬蓮

また人の自殺止めないといけないのはめんどくさいからね

如月鈴

うん、分かった

如月鈴

(妙に納得してしまった。やはり迷惑かけただろうか)

月野瀬蓮

じゃ、そういうことだから

如月鈴

うん

如月鈴

(またねは言わない)

如月鈴

(次、解散せずに会える保証なんて、どこにもないから)

如月鈴

(昨日のように、私は無意識に死にたくなっているかもしれないし、今度は彼が自殺しようとするかもしれない)

如月鈴

(私達のこの関係は、一見太いようで、いつ切れてもおかしくないほど気薄なもの)

如月鈴

(今日は火曜日か…)

如月鈴

(無意識に金曜日を期待してしまっている自分がいる)

如月鈴

(多分これは、私と似ている彼のせい)

如月鈴

…もう、許せないなぁ？

如月鈴

(小さな容器から出ようとするように跳ねる心臓を抑えながら、私は教室へと向かった)

天野なぎさ

…あの人、誰かしら、すごくイケメンだわ

天野なぎさ

…ほしいっ

如月鈴

最後まで見てくださった貴方、ありがとうございます

如月鈴

次回も見てくれると嬉しいです

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