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秘密。

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秘密。

1 - 秘密。

♥

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2023年03月24日

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今回は「秘密」を書きます!

楽しんで読んでくれたら嬉しいです

それでは!どぞ!

りく

ねぇ、あの子ってどこに行ったの?

今年中学生になる息子が言って、

お母さん

あの子って誰の事?

両親は顔を合わせた。

りく

ほら、あの子だよ。

りく

昔よく遊んでた。お母さん達も喋ってたでしょ?

りくの言葉に、

お父さん

誰の事を言ってるんだ?

と、父親が首を傾ける。

りく

僕がこっちの田舎に来た時、いつも遊んでたでしょ?

りく

虫取りしたり、川で泳いだり…

りく

覚えてないの?

お母さん

あの子って誰なの?名前は?

そうたずねると、りくの方も、

りく

名前…なんだっけ?

と、考え込んだ。

りく

おかしいなぁ、

と、りくは呟いて、

りく

あ!

りく

写真撮ったでしょ!写真見れば分かるよね?

引き出しに入っていたアルバムを引っ張り出し、ページをめくった。

1枚1枚見ていっても、あの子の写真はどこにもなくて、写っていたのは、りくが1人だけの写真だった。

りく

……おっかしいなぁ、

りく

いたような気がするんだけど…

どれだけ探してもあの子が写っていない写真ばかりで、パタッとアルバムを閉じた。

りく

……やっぱりあの子っていなかったのかな…。

と、口にした。

お母さん

いなかったんじゃない?

お母さん

小さい頃の記憶なんてしっかり覚えてないんだから。

お母さん

きっと勘違いしてるのよ。

そう母親に言われて、

りく

東京の友達とごっちゃになってたのかな……

と、返した。

お父さん

きっとそうだろ。

りく

うん、そうだね、きっと。

夜、布団の中で

お母さん

ねえ貴方、あの子の事、気づかれなかったかしら?

母親が話しかけて

お父さん

あぁ、気づかれなかったはずだ。

父親が答える。

お母さん

急にあの子の話になった時は、びっくりしたわよ、

お父さん

そうだな、忘れさせようと早いうちにあの子が写った写真を抜いといてよかった。

お母さん

本当に…。

と、母親が頷いて

お父さん

りくがあの子と遊んでいて、

お父さん

誤ってお寺に閉じ込めてしまって、気がついた時にはもう、とか、思い出したくないもんな。

声をひそめて話した。

お母さん

あの子が見つかった後は、自分で入って、鍵が壊れて出れなくなった。って事でケリもついてるしね、

母親の言葉に、

お父さん

あぁ、

お父さん

だから今更あの子の事を思い出して欲しくなかったんだよ。

と、更に声をひそめて話した。

お父さん

これでもう、りくも忘れるだろ。

父親が一息ついて、そう言った。

お母さん

そうね…もう誰もあの子を覚えてないだろうし、

お母さん

話も着いたから、寝ましょうか。

そう言いながら、明かりを消した。

お父さん

そうだな、誰も覚えてないんだから。

真っ暗な部屋の中で、父親は呟いて、

お父さん

"あの子"なんて、最初からいなかったんだよ。

と、口にした……。

「秘密。」完結です!

最悪な終わり方で、すみません…。

ご視聴ありがとうございました!

ばいび

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