夕焼けの見える放課後の小学校 俺は帰りたくないと思いながら ランドセルに荷物をつめる
kn
はぁ……
kn
帰りたないなぁ……
帰ったらまたお母さん達 夫婦喧嘩しとるんかな そこにガラガラッ と、音を立て誰かが入ってきた 大先生たちは下で待ってる言うてたし…… だれやろ?
〇〇
ん?捏島、お前まだ帰ってなかったのか…
kn
猿!お前なんで教室来とんねん!!
〇〇
見回りだよ、馬鹿か
あだ名は猿 意外と子供の面倒見がいい 猿山先生である
rd
……お前…なんで泣いてんだ?
kn
ぇ?
俺が気づくと 目から温かい雫が落ちているのが分かった
kn
あれ…なんでやろ……止まらへん…
止めようと思えばおもうほど どんどん涙が溢れてくる
rd
なんか嫌な事でもあったのか?
rd
虐めはないと思うけど……
kn
虐めちゃう、俺の問題やから
俺が生きてるのが悪いから
rd
………捏島!こんな七不思議知ってるか?
rd
何でも願いを叶えてくれる鳥居!!
kn
何でも…?
"何でも願いを叶えてくれる" というのは、小学生にとって あまりにも興味を引くものだ
rd
そ、何でも!お金欲しい~とか
rd
モテたい〜とか、何でも願っていいんだよ
rd
学校にあるんだけどさ、その鳥居が
kn
え?学校の中にあるん?
そんな所あったっけ?
rd
職員室出て、左曲がったとこら辺に草めっちゃ生えてるとこあんだろ?あそこの奥
kn
へぇー……
この学校に4年間は通っているが そんな鳥居見たことが無い
rd
ま、気になったら今度行ってみろ
kn
……うん、分かった
rd
てか早く帰れよ〜、親が喧嘩しててもずっと学校にいるんじゃねぇ
rd
希とか待ってんだろ?
kn
ァッッ!せやった!!!!
猿またな!!!
猿またな!!!
俺は猿に手を振り 校門へと急いだ
rd
はい
また明日。
この世界は彼の夢の中の 小さな小さな記憶の1つである