黒の塔
[ 彼 ]にとっての世界とは 孤独かドラゴンが支配する 怠惰な浮島であった。
と言っても、 「彼」はmobではない。
数える程しかない、 ガラス質で出来た黒い柱
そんな彼には誰にも知れずに 「意識」が芽生えていた。
その中でも 一回り以上大きい 黒い柱が「彼」である
それが「他の柱」にもあるのかなど 今じゃ分かりもしない
それが [ 彼 ] だ
「…少し話が逸れたね」
少なくとも 彼は自分の存在について 嫌気を差していた。
膨大な意識と反比例した この重たい黒い塔による行動の束縛は 計り知れないだろう
彼はそんな日々を常に崖の底にある 奈落を羨みながら耐えていた。
ある日のことである。
「ドラゴンが優雅に翔んだ。」
そして、
プレイヤーが現れた。
「ドラゴンが翔んだと」云うのは この怠惰な浮島への終わりなのだと ガラスに反射する景色で彼は理解した
…幾分たった時であろう この世界は紫色の光に包まれた
彼は反射越しに理解したのだ ドラゴンは死んだのだと そして、
これで「終わり」なのだと
しかし、彼はまだ意識があったのだ。
???
???
「しっ…少し黙って」
その記憶から何億年たった時 浮島は崩れていった。
まわりの柱はもう朽ちていた。
「それでも君は生きていた」
???
そうだ、おはよう 「黒の塔」
???
「…この為に順序を踏まえたのだ、 だから私が説明をする」
…事の顛末はこうである
この終わりに揺蕩う浮島と共に [ 君 ]はまだ残っていた
???
そして、朽ちたのだ
…いや君ではない。 「浮島が」だ
浮島が朽ちたことにより 君は奈落へと墜ちたのさ
???
貴方は遂に堕ちたのだ。 この奈落へと
君は堕ち続けた。 永遠にも続く奈落と共に。
墜ちて、堕ち続けた。
???
さあ、目覚めなさい [ 新たな者 ] よ
???
???
「私は誰だろう。」 そう思えたのは あの言葉を聞いたすぐである。
黒の塔
黒の塔
彼には目は無かったが 反射から写る景色がみれた。
自分の体に反射した モノからみれた景色とは…
黒の塔
奇妙な島であった。
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