『あの夏が飽和する』
前回も人気だった曲パロです
どうぞご堪能ください。
蝉が鳴く、梅雨時のある夏の日の事。
「昨日人を殺したんだ。」
突然、家に押しかけてそんな事を言う。
ずぶ濡れのまま、部屋の前で泣いていた。
夏は始まったばかりと言うのに、君は酷く震えていた。
そんな話で始まる、
あの夏の日の記憶だ。
一旦、落ち着かせて、部屋の中へ入れた。
俺は色々と話を聞いてみた。
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泣きながら答える。
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震えながら泣く君に、僕は言った。
「それじゃあ、僕も連れて行って」と。
…俺だって、この世界汚いで生きるのはもう散々だった。
だから、過去の事が載っている写真も、日記も、全部要らない。
全て置いて逃げよう。
いつか終わりが来る、財布を持って。
ゲーム機を持って。
これから始まるのは、人殺しと、ダメ人間の、逃避行の旅だ。
そして僕らは逃げ出した。
何もかも縛られて、狭い世界から。
家族も、全部全部捨てて、遠い遠い場所で、“2人で”死のうよ。
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“人殺しなんて、そこら中に湧いてるじゃん”って、言った方が良かったのか。
そんな事は、未だにわからない。
…あれから結構歩いてきて、海が一望できる所まできた。
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君の手を静かに触った時、微かな震えも無くなっていた。
俺達は誰にも縛られないで、一緒に線路の上を歩いた。
たった一本の線路が、俺達の運命を左右しているように感じた。
金を盗んで、2人で逃げて、本当に何処にでも行ける気がした。
今更怖い物なんて、もうなかった。
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そんなあぶれ者の、小さな逃避行だ。
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あの時は馬鹿みたいにはしゃぎ回ってたなぁ。
そんな平凡だった時のある日。
よく晴れた日の夕方。
俺が後ろを向いた瞬間に、何処に入れていたのか分からない、ナイフを取り出した。
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そして、君は首を切った。
まるで、何かの映画のワンシーンだ。
白昼夢を見ている気がした。
俺は、学校側に探されていたらしく。
気づけば警察に捕まって。
君だけが何処にも居なくって。
“死”が受け入れられなくて。
まだ何処かへいると信じて。
そして時は過ぎて行った。
暑い日が過ぎて行った。
夏はもう7回は過ごしたはずだ。
家族も、クラスの奴等もいるのに君だけは何処にも居ない。
あの夏の日を思い出す。
“君”との記憶は俺の頭の中にしか残っていない。
君をずっと探しているんだ。
7年経っても虐めは終わらないけれど。
君は見つからないけれど。
君の笑顔は、君の無邪気さは、
俺の頭の中を飽和している。
誰も悪くはないよ。
君も何も悪くはないから。
「もう良いや、投げ出してしまおう。」
そう言って欲しかったのだろう?
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そっか、誰も話す相手がいないのか。
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“君”と一緒に居たい。
コメント
2件
え!最高です!好きな曲なので嬉しいです!!ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
好きな曲なのでめっちゃ嬉しい!クオリティが高かったし、推しカプやし、すごいとしか言えない!