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僕ら色

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僕ら色

1 - 不運な初めての登校

♥

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2023年05月09日

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生きて行く中で

嫌いな物が1つは 絶対と言っていい程できる。

嫌いな食べ物

嫌いなスポーツ

 嫌いな科目…

色んな"嫌い"がある中

私は…

男が嫌いだった

乃蒼

(今日から私も高校生…か。)

 私は柊 乃蒼(ひいらぎ のあ)

 今日から高校生になる!

乃蒼

(駅前ってこんなに人居たっけ…)

高いビルが幾つも並び

高校生、社会人…

色んな人が駅を利用してるのを実感し 少し緊張している

乃蒼

あっ…、そうだ…。

乃蒼

(電車代…っと…)

私は電車代を出しておこうと鞄の中に入っている財布を取り出した

"ドンッ"

乃蒼

きゃっ!

後ろから誰かに勢いよくぶつかられ 私は前に転び財布を落とした

乃蒼

いったぁ…

パッと顔を上げると私の財布を持って 走り去っていく男の人が見えた

乃蒼

ど、泥棒っ!

私の少し大きな声で周りの人は泥棒を目で追うが追いかけてはくれなかった

乃蒼

…っ!

自分で追いかけようと立ち上がるも足がジンジン痛み追いかけられない

乃蒼

ほんと…、ついてないな…(泣

怪我の痛さと 財布が取られた事により学校へ行けなくなってしまった事で私は俯き静かに涙を流していた

???

あの…、これ…

乃蒼

え…?

俯き涙でボヤけている視界に入って来たのは先程取られたはずの財布だった

乃蒼

な、なんで…

驚きを隠せないまま私は顔を上げた

???

えーっと…

乃蒼

…?

前に居たのは可愛らしい子だが 私の質問に少し目を逸らして困っている様子だった

???

と、取り返してきた…!

乃蒼

ありがと…

 理由はなんでもいいかと軽く流し 財布を受け取った

???

もしかして君、聖蘭高校の子?

乃蒼

は、はい。今日から…。
(なんだろ…。親切なのに話しにくい…)

???

ほんと!?じゃぁ、僕と同じだね!

乃蒼

え?

???

ん?

乃蒼

ぼ…僕?

???

あー、自己紹介まだだったね!

天翔

初めまして!聖蘭高校、今日から1年の芹沢 天翔(せりざわ あまと)です!

乃蒼

え…、えっと…。

天翔

あっ、僕…男だよ?

優しそうな笑みで彼は言った。

乃蒼

お…男の…子?

天翔

ちゃんとついてるよ?

苦笑いしながら彼が言った言葉の後 思わず私は少し下に視線を落とした

乃蒼

ズボン…

学校指定のズボンを履いていた

天翔

そんなことより!

天翔

君の手当てしなきゃ…!

そういうと天翔くんは自分の鞄を開け ガサゴソと何かを探し始めた

天翔

こんな時に絆創膏入ってない…

乃蒼

(涙目になってる…可愛い…かも?)

天翔

ねぇ、湊ー!絆創膏持ってない?

乃蒼

…?
(みなと?)

天翔くんの数メートル後ろにいた 銀髪のポンパドールの男の子が目に入った

あ?そんなもん持ってねぇよ。

天翔

だよねー(微笑

乃蒼

…(感じ悪っ。)

乃蒼

大丈夫だよ、天翔くん。

乃蒼

財布ありがとう。私行くね。

天翔

ちょ、ちょっと!

天翔くんの呼び止めも無視して 私は駅の中へと入る事に

"大変混みあっております。 お手数ですが詰めてご乗車下さい。"

乃蒼

(暑い…)

満員の電車の中はかなり温度が上がっているみたいだ。

乃蒼

(汗かきそう…)

"右側の扉閉まりますご注意下さい"

乃蒼

(あっち少し空いてる…、移動しよっと…)

乃蒼

え?

思わず声が漏れた理由

それは先程閉まった扉にスカートが挟まれて動けなくなっていたから

乃蒼

嘘でしょ…(小声

乃蒼

(動こうとするとパンツ見えちゃいそう…)

 動けない状態にお手上げだった

乃蒼

(こんなの恥ずかしすぎる…)

お前何してんの?

乃蒼

あっ、さっきの…
(ヤバい…バレちゃう…!)

天翔

湊ー?どうし…あ!さっきの子!

乃蒼

ど、どうも…。

なんかたまたま見つけたわ。

話しながら天翔くんの友達は私のスカートが挟まれている扉の方にもたれかかった

まるで周りから隠すかのように

乃蒼

(たまたま…だよね?)

乃蒼

あ、あのっ

あ?何?

乃蒼

い、いえ…
(やっぱ男の人嫌い!怖いし!)

天翔

ごめんね、湊普段は優しいんだけど(苦笑

乃蒼

大丈夫…。

天翔

そう言えば君の名前聞いてなかったよね?

乃蒼

柊 乃蒼…です。

天翔

乃蒼ちゃんか!よろしくね!

天翔

こっちは山城 湊だよ!

勝手に人の名前バラしてんじゃねーよ。

天翔

ってかたまたま見つけたって言ってたけど…

…?

天翔

2人なんか距離近くない?

天翔

知り合いだった…とか?

こんなブス知らねぇ。

乃蒼

ぶ、ブス?!(小声

天翔

湊!乃蒼ちゃんに失礼だよ!(小声

はいはい。

乃蒼

(こんな感じ悪いやつが庇ってくれてるわけない!私の勘違いだ!)

距離近いっつーなら場所代わってやる。

そう言うと湊くんは天翔くんを引っ張り 私の隣、扉の近くに立たせた

天翔

ちょっ!

次の瞬間

"ガタンっ"

大きく電車が揺れた

乃蒼

っ!

少しバランスを崩し前のめりになると挟まれていたスカートは抜け

学校の最寄りの駅で私たち3人は電車を降りた

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