創作小説
友情・青春物語
桃×赤メイン
nmmn
ご本人様に関係ありません
軽快になるチャイムが
一日の始まりを告げる
夏休みを目前とした教室は
暑さのせいか
それとも期待からか
いつもより騒がしく感じた
その騒がしさの一端に俺も入る
夏休みは成し遂げたいことがある
いや絶対
必ず成し遂げなければいけない
そんな決意がバレないように
友達の話をいつものように笑い飛ばす
桃
ねぇーーあついーー!!!
赤
まー夏だし?笑
紫
今年もどっか行こうぜ!
桃
いや受験勉強は?
紫
そんなん知らん
桃
受験なめるなよ笑
紫
真面目ぶるなよ桃ちゃん
紫
僕は桃ちゃんが地頭いいだけで
紫
実はあんま勉強してないこと知ってるんやで!?
桃
はー!!?!
桃
勉強してるわ!!!!!
赤
ハッタリ言われててかわいそー笑笑
桃
笑ってないでたすけて!?
紫
見捨てられてやんのー笑
桃
うるせえよ笑笑笑
高校生活最後の夏
泡になって消えないように
最後まで足掻いてみせる
憂鬱な授業も終わり
日が落ち始めて
じめじめする感覚に苛まれる
この感覚が嫌ったらしい
俺は軽音部
桃くんは生徒会
お互い放課後の過ごし方は違うけど
金曜日は丁度2人とも休みで
こうして一緒に帰っている
桃
てか赤 頭よくなった?
赤
え なんで?
桃
だって前までは先生に急にあてられたら
桃
90%くらいの確率で間違えてたのに
赤
おい
桃
今は大体正解してるじゃん
桃
なんか裏技使った?
赤
なんでそういう見方しかできないわけ?
桃
隣の柴崎さんから答え聞いてるの?
赤
うるさいなーーー
赤
俺も勉強したら
赤
これくらいできるし!
桃
ふーーん
赤
自分で聞いといて随分興味なさそうじゃん
桃
だってどうせ
桃
「赤 天才だから」
桃
ってドヤ顔で言うんでしょ?
赤
...
自分の行動を読まれたのが悔しくて
桃くんをちょっとだけ睨みつける
桃
あーはいはい
桃
赤くんは天才でちゅねーー
赤
子供扱いすんな
桃
だって子供じゃん
赤
桃くんもね?
桃
あーもう帰るよ?
桃
いつまで下駄箱にいるつもり?
赤
桃くんが話し始めたからじゃん!!?!
赤
てか夏どうする?
桃
どうするって?
赤
いやどっかみんなで行こうよ
桃
えー?
桃
受験は?
赤
んんー1回だけ!!
赤
1回くらい遊ばないと
赤
張り詰めたままでもだめでしょ?
桃
んーまぁそう?
赤
そう!!
桃
じゃあ彼奴らにラインするか笑
赤
おっけー!
桃
てかどこ行くの?
赤
それはまだ決まってない
赤
てか俺が決めることじゃないし笑笑
桃
笑笑
桃
赤はどこ行きたい?
赤
え 俺?
赤
んーーー
赤
海は嫌だし
赤
キャンプとか?
桃
海 嫌なの?
赤
え、あーうん
赤
口に入るんだよねー笑
赤
だからやだ
桃
ほんとに高3?笑笑
赤
うるさいなーー
赤
桃くんはどこ行きたいの?
桃
俺は赤と違って海かなー
赤
まじ?
桃
大マジ
桃
海って青春ぽくね?
赤
理由それ?笑笑
赤
おっさんみたいなんですけど笑笑
桃
はー!!?!
桃
学生が海に行く理由なんてそんなもんだろ!!!
赤
いや青春とかしたいタイプなんだーって
桃
そりゃ全人類したいだろ!!!
桃
できるなら!!!!!
赤
じゃあ俺たちできないね
桃
....
桃
かなしいこと言うなよ....
赤
笑笑ごめんごめん笑
赤
俺たちで青春しよ?
桃
よし!じゃあ海決まりね!!
赤
いや海は無理
桃
えーーーー!!
毎週金曜日になると響く笑い声
おかげで土曜日はいっつも頬が痛い
眩しい夕日を
卒業まで桃くんと見れますように
叶ってほしい願いを
祈りを胸に灯した
next→