恐怖心を愛情に

びびくんとのえぺに集中していたら気づけば日が昇っていて

にこっと優しく微笑んでくれるお母さん

優しく頭を撫でてから部屋を出てくお母さん

欠伸をしながらAPEXを閉じる

ぶちっと通話を切って身支度を始める

第一印象って大事だから、メイクは軽く

髪の毛もふんわり巻いて、

ダメだ、あの人の好みに寄っていっちゃう

彼を思い出すようなものは全て避けなきゃ

少しおめかしして、いつも以上に可愛いお母さん

優しく微笑んでくれる私の大好きな顔

うるさいくらいに鳴り響くインターホン

配達なんて少なくとも私は頼んでない

私の友達でもないし 、 お母さんだってこんな日に人を呼ばないはず

頭をふわりと撫でながらお母さんは言った

心臓がうるさい、早くて痛い

手も脚もがっくがくに震えて 視界がぐらぐらと＿

まただ、またこの人の声で私の心臓が少し落ち着いたふわりと浮かんだような感覚がする

昨日の声 、 少し安心するようになった

俯いていた顔を少し上げれば昨日見たお父さんの顔と 、見知らぬ5人の男の子

怖い、不安、助けて

震えが止まらない手をお母さんの暖かい手が包んでくれて

この時はいつも以上に時間が進むのが遅く感じた