カリ腐マ色々詰め

ふみや達は到着してすぐ、理解のことを見つける。

理解の身体は複数人から背中と四肢を踏みつけられていた。全身は痣だらけで両足は恐らく自身の血に塗れ、想像以上の悲惨さに6人は絶句する。

真っ先に手が出たのは慧と天彦だった。

慧はキレながら自分から一番近いところにいた敵にメリケンサックで殴りかかり気絶させる。

一方天彦は、感情が読めない顔で銃を手に取ろうとした敵に向かって即座に間合いを詰め、頭を鷲掴みにして足払いを食らわせる。相手がバランスを崩した瞬間、即座に地面に頭を叩きつけた。

数秒遅れて依央利が自身が身につけている鉄球を自在に操り、慧と天彦が狙わなかった何人かにぶつけ、理解から遠ざけた。

すかさずそのうちの一人に飛びかかり馬乗りになった大瀬は、ぶつぶつと怒りを言葉にしながらナイフで敵をグサグサと滅多刺しにする。

最後にテラが4人が抑えなかった残党を容赦なく拳銃で撃ち抜き理解から引き離した。

怒りが何周も回りに回って誰よりも冷静なふみやがテラの合図と同時に、理解の元へ駆け出した。

理解の体に触れたふみやは、痣のある周辺の熱のこもり具合と焦点が合わない様子に驚く。

ふみやはぐったりした理解に自身の上着をかけて横抱きにして乗ってきた車へと向かう。

道中、焦点の合わない理解がぽつぽつと口を開いた。

ふみやの声が理解に届いているかは分からない。ほぼ一方的に理解は独り言を呟いているようだった。

掠れた声で呟いて、理解の目は閉じてしまった。