開いていただきありがとうございます! この作品は、保護者組(桃×黒)の 恋愛物語となっております! 本人様には全く関係なく、 全てフィクションのお話です。 また、少しキャラ崩壊が含まれます。 ご理解いただける方のみ続きをご覧ください。 ご理解いただけない場合は、 通報などをせず、速やかに ブラウザバックをしていただけると嬉しいです。
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はいどうもみなさん、悠佑です。 …突然ですが、俺は今窮地に立たされています。
ないこ
目の前には、 かなり唖然とした顔で俺を見つめるないこ。 …すっげぇアホ面しとる。イケメンなんに。 これこそ残念なイケメンやな。
いや、そんなこと言ってる俺も俺だけど。 多分やばい顔をしているだろう。 さっきから顔が燃えるほど熱い。 頭は妙に冴えているが、 体までかなり暑い。なんか汗かいてきた。
…どちらも話出さないという、 この気まずすぎる現状に。 俺は鞄を置くこともコートを脱ぐこともできず、 ただ目の前の恋人の声を待つことしか できなかった。
事の発端は、ないこの独り言。 帰ってきた俺の小さめの「ただいま」は 彼に届かなかったようで、 「おかえり」の声は返ってこなかった。 俺はそれを不思議に思いつつ、 まあいいか、とリビングの方まで歩いていた。
その調子でリビングに近づくと、 なんだか聞こえてくるないこの声。 客でも来ているのだろうかとも思ったが、 玄関にはないこの靴だけがあったことが蘇る。 それならないこアニメの収録か?なんて考えて、 作業部屋でないのが気になるけど、と思いつつ 俺は音を立てないようにリビングのドアを開けた。
…その次に、見た光景は。
"…あにきのことを、宇宙一長く、深く、愛してます。"
"……俺と!結婚してくださいっ、!!"
あの、大胆かつかなり恥ずかしいセリフを。 なぜか知らないし、だいぶ頭がおかしいが、 目の前の何もない空間に向かって放つ、 恋人の後ろ姿だった。
悠佑
思い出して、また顔が熱くなってくる。 なんなんだあの言葉は、というか一人で何してるんだ。 せめて俺に言え、疲れすぎて幻覚でも見えていたのか。 溢れんばかりのツッコミは頭に巡るが、 一向に口からは出てこない。
…だって、嬉しかったのだ。 「結婚」なんていう、 俺たちにとって法律的に無理なことを、 それを知っているはずのないこが放ったこと。 そのくらい、俺を愛してくれていること。
だから、なんだか茶化す気になれなくて。 俺もちゃんと答えなきゃって、思って。 でも、このギャグみたいな現状に 真面目に返すのもおかしい気がして。 結局、顔を赤くして彼の言葉を待つだけになっている。
…しかし、それもかなり限界に近づいていた。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
項垂れるないこに、なんと言葉をかけるべきか。 …確かに、ダサかったな。うん。 あんなキメキメのセリフを練習するところを、 後ろから本人に見られるのは。 かなーり、恥ずかしいよな。
と、これが俺の本心なのだが。 このまま言ってしまえば、 ないこの傷口に岩塩を染み込ませることになるのは 俺だってわかっている。 もう既にちょっと落ち込んでいるんだし、 流石にそれは酷だろう。
…それに、嬉しかったのは事実なのだから。 とりあえずそれを伝えて、 ないこになんとか回復してもらわなければ。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
前言撤回。 こいつ多分落ち込んでへんぞ。 なんで息するようにそんな言葉が出てくんねん、 俺の心配の気持ちを返せ。
というか、あいつ"今も"って言った? 俺今も顔赤い?嘘やろ。 どんだけ茹であがっとん? 俺そんな…そんな顔に出やすいっけ。 でも確かに、顔はずっと熱いな。
とりあえず、手で顔をぱたぱたと仰ぐ。 風が少し吹いて気持ちいい。 ちょっとでもマシになっただろうか、と もう片方の手で頬を触ってみれば、 相変わらず温度の高い肌を感じた。 …こりゃあかんわ。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
もうすっかりいつもの調子に戻ったないこ。 切り替えがもはや鬼である。 さっきまで俯いてた奴はどこにいったんだか。 もしかして二重人格なのだろうか。
そんなことを悶々と考えていれば、 ふとないこが椅子から立ち上がった。 その手には、先ほどからテーブルにあった 何かが書かれた紙を持っている。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
想定していた練習の内容を問い掛ければ、 平然と、唐突に聞こえてきた単語。 反射的に叫んでしまった俺に、 ないこは笑って「うるさっw」なんて言っている。 …いや、ちょっと待てよ!!
悠佑
ないこ
悠佑
そもそも、「プロポーズの練習をしていた」なんて 言う時点でおかしい。 それほぼプロポーズしてるやん。 「告白するから、放課後校舎裏ね」って言うくらい 本末転倒なやつやん。 こいつほんまにエリートか? お前かなり頭ええ方やろ?なぁないこ…!!
そんな動揺も虚しく、 ないこは目の前で楽しそうに俺を見ている。 一方俺は、心でツッコミを叫びながら 意味のない言葉を口から駄々漏らしだ。 …なんなんだこの差は、ムカつく。
ないこ
悠佑
しー!なんて言って 俺の唇の前に人差し指を近づけるないこ。 嫌と言うほどかっこいい、是非ともやめてほしい。 というか、お前悪巧みしとるな? 笑い方でわかんねん、何する気や…!
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
逃げ出そうとする俺の腕は あっという間に掴まれてしまう。 そのまま温もりにガッチリとホールドされてしまえば、 俺はもうここから動き出せなかった。
ないこ
悠佑
ないこ
耳元で、大好きな声で囁かれてしまえば、 それに抵抗する術など持ち合わせている訳もなく。 強がりの言葉と共に、彼の胸に顔を埋めると、 くすりと楽しそうな声が聞こえた。 カサリ、と紙の音がして、 「いくよ?」という言葉に俺は頷く。
ないこ
悠佑
ないこ
へへ、w と笑うないこが、 俺の頭を撫でているのを感じる。 何度もこれを聞かされるのか、と思うと 心臓が持つ気がしない。 耐えきれなくて、小さく、次、と言えば、 了解、なんて弾んだ声が返ってきた。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
何やってんだこいつ。 そう思いながら彼の背中をペシペシ叩けば、 照れ隠し?可愛い、とか言ってくる。 本当に何やってんだこいつ。 呆れてこの腕から抜け出そうとすれば、 離さないとでも言うように 抱きしめる力が強くなった。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
なんだか良いように言いくるめられてしまった。 悔しいけれど、 これ以上何か攻撃されるのは勘弁なので、 致し方なくじっとしておく。 それに満足したのか、 ないこはまた楽しげに、次行くよ、と囁いた。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
ギャイギャイ騒ぎ出すないこ。 …いや、俺もそうなんやけど。 緩む唇を甘噛みしつつ、 強がりのような反論しかできない自分が ひどく恥ずかしくなる。 まあ、彼はそこまでお見通しで こんなにストレートな愛を 伝えてくれているのだろうが。
そんなことを考えていれば、 また、カサッと音がする。 次のセリフを見ているんだろうと思っていれば、 ないこは、ぁ、と声をあげた。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
相談相手?このセリフ決めるのに? 相談相手なんてメンバーしかいないだろう。 そいつらに相談したってことは…。
"この前ないくんが相談してきたんだけどさ、 どう?結構いいセリフだったでしょ?照れた?"
"ないちゃんと一緒にセリフ考えたのぼく! どう!?どれがお気に入り!?"
"ないちゃんが相談してきたんよな〜、 悠くんがいっちゃん嬉しいと思いそうなやつ おすすめしたわ、どうやった?"
"ないこたんがまろに惚気てきた!! プロポーズしてもろて良かったなぁ〜、 あにき顔真っ赤やったんとちゃうん!?"
…誰でもからかわれる未来が見える。 最悪や。誰に相談したん? …いや誰でも結構恥ずいけど。
ないこ
悠佑
まあ、メンバーが苦言を呈すということは、 かなりの変化球を投げてくるんだろう。 一応、それに備えて心の準備をしておく。
ないこ
…ん??
悠佑
ないこ
悠佑
訂正の方向が違いすぎる。 いや、普通はな? そういうセリフでプロポーズするなら、 普通は「ご飯」とかやろ。 なんでメニューまで指定されんねん。 飽きるやろ相場。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
なんやねんこいつ!!!! そう言いたいはずが言葉にならず、 俺は衝動的に彼の胸板を叩く。 いででで、なんて声が聞こえるが、 しったこっちゃない。 俺のことを茹で上がらせる気なのかは知らないが、 とっくにこちらのライフは0なのだ。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
痛い痛い!w という声が聞こえる中で、 両肩に温もりを感じる。 ぐっ、と力が込められて、 俺は彼の体から遠ざかることとなった。
あーやばい。 顔見せないようにずっと俯いてたんに。 こう離されてしまえば、 どんだけ下を向いてもないこの視界に入るだろう。 恥ずい。恥ずすぎる。
ないこ
悠佑
ないこ
俺を覗き込んで笑う彼に、 首を振る気すら湧いてこない。 顔がいい、ムカつく。 仕方なく頷けば、 心の底から嬉しそうに笑う彼。 …あぁ、愛しい。くそ。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
なぜか急に考え込み出したないこに、 俺は首を傾げて様子を伺う。 ハンバーグですら躊躇なく言い放った彼に、 一体問題のあるものなんてあるのだろうか。 不思議に思いつつ彼を眺めていると、 ふと、その瞳が俺の左手に視線を落とした。
ないこ
悠佑
はっとしたような顔をしたないこ。 そのまま持ち上げられる左手に、 俺はぽかんと首を傾げる。 そんな俺を見て、 ないこは楽しそうにくすりと笑った。
…そして。
悠佑
左手の薬指に、 ちゅ、と音を立ててキスを落とした。
ないこ
悠佑
ないこ
楽しそうな、嬉しそうな顔をしたないこが 俺に向けて手を伸ばしてくる。 頬を手で包まれて、俯けない。 このままじゃ照れて卒倒する、なんて思って、 どうしようもないほど目が泳いだ。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
もう疲れた、なんて許されない様子に、 俺は思わず息を吐く。 しかし、それがマイナスな感情からではないと 分かっているないこは、 そんな俺をも目を細めて見つめていた。
俺は一体耐え切れるんやろうか、という問いは、 その柔らかい笑みに吸い込まれて消えてしまった。
コメント
4件
エグいてぇてぇ〜〜〜〜〜
時差コメ失礼します🙇💦 作品、めっちゃタイプです✨(≧∇≦)b 続き楽しみ~!!!これからも頑張ってください!!!!