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11 - 宝物の在り処

♥

151

2020年09月12日

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青く晴れ渡った空。

これまでに何回みてきたのだろう。

永花(エイカ)

永花(エイカ)

……暑いしつまんない空だなぁ

永花(エイカ)

早く太陽隠してよホント……

私は今日も愚痴りながら 1人で家路をたどる。

たまに吹く風が涼しくて、 「もっと吹けばいいのに」 と心の中でまた愚痴を言った。

永花

永花

ただいまー

おかえり永花ー

永花

兄貴は?

今日はバイトだよ

永花

りょーかい

私の7つ上の兄貴は大学生でバイトをしている。

彼女は…私が見てきた中ではいなかったと思う。

永花

ちょっと上で宿題してくるわー

はいはい

私は英語のノートと教科書を持って、2階に行った。

永花

あとこの……

永花

この最後の1文で終わる…!

永花

めっちゃ丁寧に書いてやろ…!

永花

なんかのコンクールとかで金賞取れそうなくらい丁寧に書いてやろ…!

永花

with去年の恨みで…!

永花

永花

………

永花

終わったあああぁぁ!!

私はやっと教科書の長い英文を書き終えた。

永花

もうホントきらーい……

永花

授業つまんないし…

永花

いじめの対応もまともにしてくれなかったし……

永花

永花

……あっついしさぁ

永花

もうホント生きんの辛いんだけど…

その時、

健(ケン)

ただいまー

永花

うぇ?!

兄貴が私の部屋のドアをノックもせず開けた。

永花

あのさぁ!

永花

ノックっていう文化知ってるあなた?!

健(ケン)

別にいいだろ

永花

よかねぇわ!はよ自分の部屋いけgo to your room!

健(ケン)

はいはい、うるさいクソ猿

永花

は?!100回ぐらい地獄いけ!

兄貴はヘラヘラしながらドアを閉め、多分自分の部屋に行った。

永花

……ったく

永花

1回病気になって死の淵まで行った方がいいわあいつ…

私は兄貴に腹を立てながら 机の教材を片付けた。

翌日

永花

永花

…今日もあっつい

永花

しかも、

私は今日配られた作文用紙を太陽にかざした。

永花

……難しい宿題付き

テーマは『宝物』だ。

枚数は2枚だけでもいいと言われたが、

『宝物』だけでそんなにかける自信が私には無かった。

そもそも

永花

永花

…『宝物』なんてないし

今日はひとまず『宝物』を探すことにした。

永花

永花

って決めたけどさ……

永花

無いじゃん……

永花

………

永花

…ていうか『宝物』がありそうな所も分かんないし

永花

え?宝探し地図なしでやれってか?

永花

無理じゃん……

永花

永花

あ、そうだ

どうも馬鹿な私1人ではこの作文は出来そうにないので、

永花

天才お母様、どうか私をお助け下さい!

えぇ…

永花

ていうか『宝物』ってなんすか?!

それはちょっと……

永花

どうしたらいいかなぁ?!

ちょ、ちょっと待って永花…

落ち着いて…落ち着いて…

私は母になだめられ、 とりあえず深呼吸をした。

永花

…よし、大丈夫オッケー

えーっと、『宝物』?

永花

そう!

うーん……

永花、ちょっと待っててね

永花

へ?うん

母は1人でどこかに行ってしまった。

永花

(え?なになに?)

永花

……お、お母さん…?

永花

……………

永花

(さて、素直に待つか)

数十分後

永花

…永花ごめんね

永花

あ、お母さん

永花

どうしたのさ一体…

えっと…あのね

これ、参考かなにかになればいいんだけど…

母は綺麗に正座をしたので、 私も釣られて正座をした。

永花のお兄ちゃんは、今元気よね

永花

うん、すっごい

永花は2人兄弟よね

永花

……うん?

母は当たり前の事を質問してきたので、疑問形が混じってしまった。

……永花は元気よね

大きな病気にもならないで…

永花

そうだね…?

…永花

永花

うん

お兄ちゃんね、

病気に3回なった事があるの

永花

…え?

永花

あのs……

手術もした事あるし、死んじゃうと思った時もあるの

永花

言葉が出そうで出なかった。

「冗談でしょ?」

そう伝えようとしたが

あとね

永花にはもう1人、上の子がいたの

生まれてこれなかったけどね

母の真面目な顔と口調で 私は言葉を発せなかった。

脳でしっかり処理していくと、どんどん複雑な気持ちになっていった。

永花

え…?

永花

あの…お母さん…?

これだけかな……

参考になってるといいわ…

永花

え?!ちょ、お母さん?!

それ以上、お母さんは何も言わず

永花、夕ご飯何食べたい?

普通の会話に戻った。

数日後

私はあの時の母の言葉を頼りに、宝物の在り処を探した。

永花

(兄貴は病気になって…)

永花

(もう1人の上はなにも出来なかった…)

永花

なんて書けばいいのか分かんなかったな…

もうどうにもならなかったので、 作文は適当に書いて提出した。

納得いかないけど、もう仕方が無い。

今日も同じ家路を辿った。

永花

……今日もあっち…

永花

そろそろ涼しくなんないかな……

永花

永花

…まぁいいや、これでも

『宝物』はちゃんと分からないけど

『宝物の在り処』は 母のおかげで分かった。

永花

永花

意外と近くにあるもんなのかな…

なーに1人でブツブツ言ってんだよ

永花

…は?

何故か同じ道を通っていた兄貴と会った。

永花

うっわプライバシー侵害兄貴じゃん

その言い方酷くね……?

永花

ホントの事言って何が悪ぃんだよ!

は?侵害してないだろ

永花

私がしてるって言ったらしてるんです!

今日はそのまま兄貴と帰った。

何故か分からないけど、 暑さが幸せに思えてきた。

この作品はいかがでしたか?

151

コメント

8

ユーザー

おぉぉぉ!? いい賞取れるといいね! 👹🏞

ユーザー

初コメ?失礼します!!! 実は私、桜音なんです! これはお母さんのスマホで2つでテラーしようと思ってる所です! やっぱり雷雨さんの作ったの大好きです!

ユーザー

店長・チーズinペペロンチーノ様主催の「第二回チペコン」に参加させていただきました! 最初主人公の名前を「メイ」にしようと思って漢字の予測変換みてたら (」’ω’)」おねぇちゃんのばかぁぁぁぁ があって爆笑したのはいい思い出((

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