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レクール文章①

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レクール文章①

1 - レクール文章①

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2022年05月08日

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山上登攀

最初に

山上登攀

これは仮面の街、レクールで発見された貴重な文献の一つである

山上登攀

ここでは独自の言語を使用しており
まだまだ不明な点も多い

山上登攀

翻訳者の主観が混ざることを
ご了承いただきたい

翻訳者、山上登攀
以下翻訳

島の端、死の谷からは少し下 そこにある小さな村の恋のお話

ナレーター

死の谷に近いことから
"死人の村(ベルデオイオイ)"などと
呼ばれ、他の村からは忌み嫌われているこの村は今、村の長である預言者
(アルドゥーワ)を決める大事な時である。
先人の預言者は今、鳥に啄まれておりそのうちに山に運ばれる予定だ

ナレーター

そしてその村の端で椅子に座りながら考え事をしている彼が今回の主人公だ

ヒシュラ

晴天はいつだろうなぁ、明日かな?

ヒシュラ

次はなんとしても当てたい、そして預言者になってもっと魚が取れるようにしたい

ヒシュラ

父のような人をもう出したくない…

シマ

大丈夫?

ヒシュラ

シマ!どうしてここに?

シマ

あなたに会いたくてついここまで歩いてきたの

シマ

また預言者になるために頑張るんでしょう、あんまり派手にやらない方がいいよ?

シマ

また前回みたいになるから…

ヒシュラ

でも、僕はみんなに見てほしいんだちゃんと晴天を当てられた僕の姿を、当てられなくてどんなに恥ずかし思いをしても

シマ

わたしが心配しているのはそこじゃなくて、腕は大丈夫なの?

ヒシュラ

三ヶ月前の事だよ?大丈夫に決まってるじゃん

シマ

あなた自分の体を大事にしなさいよ、前回はわたしが止めたからよかったけどあの場で宴会なんて開かせていたらあなたもっとひどい傷を負ったかもしれないのよ!

ヒシュラ

あの時は本当に大丈夫だと思ったんだもん、

シマ

一体その自信はどこから湧いてきたのか…とにかくもう無理はしないで、張り切るのは預言者になった後でも遅くはないのよ

ヒシュラ

…わかったよ

シマ

わたし(掠れていて解読不可)を手伝うから、ほら

一部欠損

ヒシュラ

あぁ、三日後だ

シマ

本当に?

ヒシュラ

うん、晴天は三日後だ。確かだと思う

シマ

わたしは心配よ…本当にあなたに何かあって欲しくないのよ…

ナレーター

森に来たヒシュラ

ヒシュラ

うん、ここは良い。とても落ち着くよ

ヒシュラ

みんなは来ないけど、僕は困ったらいつもここにくる、ここにくると自然や動物と会話できる

アネヲムラ

元気してるか?

ヒシュラ

父!

アネヲムラ

アルドゥーワになるんだろ?頑張れよ

ヒシュラ

うん!この森で見守っててよ!

2日後の夜

ヒシュラ

晴天宣言!

群衆がヒシュラの方を見る

ヒシュラ

私はここに明日晴天であることを証明します

ヒシュラ

安心して出かけて、安心して過ごせることを私が保証します

ヒシュラ

宴です!さぁ楽しんで!

周りの人がヤイヤイ話し始める

シマ

何か変じゃない?ヒシュラ

ヒシュラ

なんだろうね

ルグルデ

同じく今日宣言した人が居るらしい

ヒシュラ

ルグルデ!本当?

ヒシュラ

誰?

ルグルデ

ヒグプロイという奴だ

ルグルデ

この村のほとんどの人に宣言して大宴会してるよ

シマ

それ大丈夫なの?その人外しちゃったら死なない?

ルグルデ

外したら死ぬでしょう

ヒシュラ

どうしてそんな思い切ったことが出来るんだ?

ヒシュラ

負けちゃうよ、同じ日に宣言したら支持の多い方が勝ちなんだ

ルグルデ

どちらにせよ、本当に明日が晴れたら決まることだな

次の日

ヒシュラ

全くの晴天だ…

ヒシュラ

合ってたんだ、僕の予想

シマ

素晴らしいじゃない

シマ

ヒグプロイとかいうやつがいなければあなた預言者になってたよ

ヒシュラ

そう考えるとヒグプロイさん凄いなぁ
本当に凄腕なんだ

人々が左右に避けていく

ヒグプロイ

やぁ、ちょっと良いかい?

ヒシュラ

あなたは?

ナレーター

ヒシュラが左右に避けている人々に気づく

ヒシュラ

あぁアルドゥーワ!

ナレーター

ヒシュラはひざまずく

ヒグプロイ

君も昨日晴天宣言をしていたらしいね

ヒグプロイ

まさか私の宣言を見て真似た訳ではなかろう?

ヒシュラ

はい、違います!自分で当てたのです!

ヒグプロイ

自力で今日が晴天であることを当てた…なるほどね

ヒグプロイ

連れて行きなさい

ヒシュラ

どうして!?

シマ

どうして!

ヒグプロイ

死者の匂いを感じるからだ
死者に助言を求めただろ?

ヒシュラ

そんなことはしていない!

ヒグプロイ

ではなぜ昨日あの森へ向かったのだ?

ヒシュラ

それは…

ヒグプロイ

これが理由だ、大人しくしていなさい

ナレーター

ルグルデがヒグプロイを押さえつける

ルグルデ

思想独立団のところへ!
アネヲムラベのところへ!
急いで!

ナレーター

ヒシュラは森へ駆け出した

シマ

異常よ!

次項が欠損している おそらく村から出て森を通過している所が書かれていたと思われている

死の谷付近

ヒシュラ

はぁ、はぁ

ルデラオネヲム

どうした?

ヒシュラ

思想独立団のルデラオネヲムさん?

ヒシュラ

ルグルデの紹介で来ました

ルデラオネヲム

そうか、こちらに来なさい話を聞こう

これにて終了

山上登攀

追記
おそらく説明が必要な所があるので
説明をしていく

山上登攀

・レクールの風習について

山上登攀

彼らは村で一人アルドゥーワ(Alduwa)と呼ばれる長を決める。このアルドゥーワは絶対的な権力がありその人を中心に村の方針が変わるのだ
一般的に預言者やシャーマンと訳される

山上登攀

これは前任のアルドゥーワが死亡後に晴天を当てられたら者が後を継ぐという方式になっており、おそらく天候を当てられるそのセンスを測っていたものと考えられている

山上登攀

そして晴天の前日に明日が晴天であることを宣言する、俗に言う"晴天宣言"という物である

山上登攀

その時にどれだけ自分の宣言に自信があるか、を宴会などを行い示すのである
そして盛り上げた分自分の自信を強調出来るが、仮に失敗した場合はそれ相応の罰を受ける決まりになっている
主人公は前回宴会を行わなかったが晴天を当てられなかったため、腕を怪我してしまったのだ

山上登攀

なので彼らはヒグプロイの大胆さに驚いたのですね

山上登攀

それとレクールの奇妙な文化として
"死者の言うことを聞くべから"なんて言うことわざがあるのですよ
この小説の中でも死んでいるはずの父や死者にアドバイスをもらったことを咎められていて、まるで本当に死者と会話しているみたいですね、これだけではなくレクールに残されている書物では割と当たり前のように死者と話せていたりするのです、奇妙ですね。
今はそんなことないのですが、今度皆さんもレクールに行ったら現地の人に聞いてみてくださいね

山上登攀

・登場人物について

山上登攀

この物語で肝になるのはヒグプロイ
(higuploi)という人物

山上登攀

名前の由来は太陽に選ばれた者という意味と考えられており
ヒグプロイは実在した人物とされています

山上登攀

レクールで文字が生まれてから
34代目の預言者であるとされており

山上登攀

その悪態からレクールの歴史上初めて民衆から革命される始末です
それゆえレクールの書物ではたびたび悪代官としてヒグプロイが登場します。
余談ですが、私が言語学者を目指すきっかけになった
"ルデリバシティ"(タケタ・マルマ氏著作)でもヒグプロイが悪党として登場しています
あぁ申し訳ない読者の皆様がルデリバシティを既読済みだと信じているよ

山上登攀

ちなみにレクールではこのヒグプロイの事件の時に初めてこの国の象徴である
仮面をつけ始めました
神話では何故仮面をつけ始めたのかが記載されていますが、そこのところの翻訳が上手くいっておらず、そもそもこのレクール神話の信憑性が疑われています。
あと上記しました死者との対話もヒグプロイは行っていたとされており、それも民衆のヘイトを買ったのでしょう
村の存続をかける一大イベントでズルしたわけですからね

山上登攀

ルデラオネヲム(ldelaonewom)という者もよくレクールの書物の中に出てきます、時にヒーローとして時にお尋ね者として。
今回では良い奴として書かれていますね
彼は当時の思考独立団
(anewomrabe ldu kwuza)のリーダーでヒグプロイと同じ時に存在していたとされており、ヒグプロイに反乱を起こす際に人員提供そして武力協定を結んで一緒にヒグプロイに立ち向かったとされています

山上登攀

思想独立団はレクールにある村の習慣についていけなかった、或は一人が長をして全てを決定する文化に嫌気がさした者たちの集まりで死者との対話も了承していたこともあり村とは対立しています。
革命時は人員、食料不足であったそうで利害が一致する契約を行って味方になってもらったのでしょうね
思想独立団と言えば教科書等に英国の植民地からの独立を先導したと書かれていますがわたしはそれ間違いだと思うので訂正してほしいですね、あぁ失礼、これは話すと長くなってしまう。閑話休題

山上登攀

レクールも北海道の3分の2の大きさであり島の中でもかなり文化が異なりますがやはり北側、死の谷周辺の村では文書が多く保存されていて、そして豊かな言語があり、そして英国独立の本拠地でもあったためとても興味深いですね、現在も首都がありますからね
では皆さんまた会いましょう、レクールのことについてこれで少しでも興味が出てくれたらよく思います
さようなら

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