淫魔の箱

前回の実習から3日後

実習が始まる1時間ほど前に、個人ずつ実習の相手が知らされる

今回の実習の相手の名前は「ルシアン」と書かれていた

ルシアンは有名人だ このクラスの中で圧倒的にトップの成績

学年どころが学園クラスで期待されている生徒だ

実習開始よりずっと前に部屋に入ると、既にベッドに腰掛けている人影が見えた

綺麗な水色の髪と私より一回り大きな体、ルシアンだ

ポンポン

ルシアンはそう言ってベッドを軽く叩いている

そう言って静かにルシアンの隣に腰掛ける

俯いた視界の端から手が伸びてくる

ギュッ…

少し大きなルシアンの手が私の手をすっぽり包む

静かに2人でベッドに倒れ込んだ

言葉を交わすことは無かったが、ルシアンは長い間ずっと手を握ってくれていていた

ピピピピピピ！

定刻です 実習を開始してください

部屋の上部から大きな放送音が聞こえる

また実習が始まってしまう

握られた手の強さは変わらない、恐る恐るルシアンの方を向く

横目のルシアンと目が合う

ずっと握られていた手が離れ、2人でベッドの上で座る