菫
春風ってね..花を綺麗に
見せてくれるんだよ
見せてくれるんだよ
菫
だから、春風と花は2人で1つ
みたいな感じなの
みたいな感じなの
学校の屋上..校内では数少ない 立ち入り禁止エリアに
わざわざ俺を呼び出した クラスメイトの 『篠田菫』(しのだスミレ)
扉を開けると開口1番に そう言った。俺には一瞥もくれず
その視線は迷いなく 中庭の花壇に目を向けた..
国見
俺には見ても何も
感じない..
感じない..
そう言うと..彼女は呆れた顔で 溜息をつき、視線はそのまま 俺の言葉を否定した。
菫
もぉー..分かってないなぁ笑
菫
君には春風が感じないの?笑
菫
そしてお花も笑ってる..
国見
...?
国見
花が笑ったの?
菫
...うん
俯きながら答える彼女の 言葉を無視するようにぶっきら棒に 話を逸らした。
国見
それで何で俺がこんな所に
呼び出されてるの?..
呼び出されてるの?..
国見
屋上って立ち入り禁止
だよね...
だよね...
菫
...( -ω- `)フッ
菫
それがですねー
菫
私に限っては
そうでもないんだなぁ
そうでもないんだなぁ
彼女は自信満々の笑みをた堪えて 指をクルクルと振り回した。
国見
それは...
国見
鍵...?
菫
そう..!
菫
私は天文部だから唯一屋上に
出ることが許されてるんだ
出ることが許されてるんだ
国見
天文部..?それは星じゃないの?
菫
そうだよ?でも
植物部が無かったから屋上から見れる天文部にしたんだ...笑
植物部が無かったから屋上から見れる天文部にしたんだ...笑
国見
そうなんだ..
国見
だったら部活の邪魔をしたよ..
俺がくるりと背を向けると 彼女が慌てたような声を出した
菫
ちょいちょい!待ってって!
菫
君は私に話しがあるんでしょうが!
不思議な言い草だ。 自分から呼び出したくせに、俺から話しがあるなんて..