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はじめに、一つ。 相浦琴葉の思い切ったこの告白は、のちに本人を苦しめることを。 当の本人含め、ここにいる誰もが知り得無かった。
長い沈黙を破ったのは、 一人の少年の声だった。
黒板をちらりと見ると同時に
関口
藤木
関口
自分への呼びかけだと 気がついた男の子は、あせあせと黒板の元へ移動した。
やがて少しずつ、クラスの気まずい雰囲気が和らいでいった時、チャイムの鳴る音で放課の終わりを察する。
丸尾くん
声の主は確か、 学級委員の丸尾くんだよねと 自分の頭に問いかけるように 確認しながら、皆が席に戻っていく中、 私も急ぎ気味に授業の準備を始める。
『初めての学校』
『初めての授業』
相浦琴葉 (あいうらことは)
それらは、自身の胸を埋めるのには 十分すぎていた。
以外にも早く、琴葉にとっての初めての授業は終わりをつげ
再び放課が始まった。
先程とは程遠い、こちらを伺う、どこかよそよそしく思わせる視線に気がつく。
相浦琴葉 (あいうらことは)
焦りを感じているところに、一人。
肩に置かれた手に、 琴葉は小さく反応した。
三つ編みで眼鏡を掛けた女の子。
『穂波たまえ』
相浦琴葉 (あいうらことは)
次の瞬間。 その少女は、優しく話しかけてくれた。
たまちゃん
相浦琴葉 (あいうらことは)
たまちゃん
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
たまちゃん
たまちゃん
まる子
相浦琴葉 (あいうらことは)
突然の話に、ついていけない。
今、何が起こっているのだろうか。
まる子
相浦琴葉 (あいうらことは)
照れている。
あの、まるちゃんが。 『ちびまる子ちゃん』でお馴染みの まるちゃんが、今。照れているのだ。
少し控えめに話すその姿は、 かつてまるちゃん本人が 小学一年生だったとき。 初めてたまちゃんに向けて声をかけた あのときの様子を、 見事連想させていた。
次は私なんて、 なんだか嬉しいなあと思いながら 会話を続ける。
相浦琴葉 (あいうらことは)
まる子
病院にいる期間が 殆どだったからであろう。
友達からのお見舞いなのだと、 仲の良かった患者さんが貰っていた フルーツの詰め合わせ。 自分の病室から見える点滴や、 なんの面白みもない風景など。
静止した自然物が、 主な題材だったから。
気がつけば、そればかり描いていて、 描けなくなっていた。
普通の女の子が夢見るお姫様は、 誰からも愛されて、環境も。
私のもとには、 王子様はいただろうか。
綺麗で可愛いお姫様には、 華やかで格好良い王子様。
私には、たった一人の友達すら、 いなかったというのに。
お姫様も王子様も。 あれだけ好きだった童話物語だって、 気がつけば手に取らなくなっていて。
嫌だったのだ。
自分の環境との違いが、 あまりにもはっきりとしていたから。
頑張って耐えているのに、 何も変わりやしない自分の体が。
なんで、お姫様というだけで、 あんなに素敵な日々をおくることができるのだろうと。
羨ましかった。
妬ましかった。
まる子
相浦琴葉 (あいうらことは)
私ははっとした。
相浦琴葉 (あいうらことは)
まるちゃんの紙に描き出されたそれは、 とても幸せそうで。
ピンクのリボンに、ピンクのドレス。
とても楽しそうに描いていた。
私には描けないやと、 諦めと尊敬の眼差しを込めて、 絵を褒める。
相浦琴葉 (あいうらことは)
まる子
まるちゃんが声を大きくして言った。
まる子
それは知らないから。
知らないから描けないんだという 言葉は呑み込んで。
嫌な思い出が蘇る。
現実にはそんなもの無かったから、 そんな日常知らなかったから。
描けなくなったんだと。
どうして私は素直に喜べないのだろう。
ありがとうと、一言言えないのだろう。
「捻くれてるからね亅
そんなこと知っているのにと、 自分に答える。
嫌悪を悟られないように、返事をする。
相浦琴葉 (あいうらことは)
相浦琴葉 (あいうらことは)
まる子
小さくて丸いから、ちびまる子ちゃんって呼ばれていて、略してまる子だよ!!
お馴染みのやりとりを続ていると、
まる子
たまちゃん
さっきとは違う様子で、 まるちゃんが話し始める。
まる子
シンプルに驚いた。
相浦琴葉 (あいうらことは)
なんだかむず痒いような、 そんな気分だ。
まる子
たまちゃん
駄目なのに。
笑みが溢れた。
相浦琴葉 (あいうらことは)
二人とも、驚いた顔をしている。
相浦琴葉 (あいうらことは)
まる子
相浦琴葉 (あいうらことは)
まる子
たまちゃん
相浦琴葉 (あいうらことは)
あんなのの後だもんね。と、ひとり振り返りは苦笑する。
相浦琴葉 (あいうらことは)
まる子
たまちゃん
驚いたように、二人が言う。 2回目だ。
相浦琴葉 (あいうらことは)
寝不足気味かな〜と、なんでもないように笑う琴葉に、 心配そうな顔をする二人。
まる子
まる子が口をあけたところ、 ひとりの少年の声が、それを遮った。
主です!! 小3設定忘れて……どうしよう…
見てくれる人いる分からないけど、楽しんでくれてたら嬉しいです!! またね〜!