それから、フェイ様は自室にこもるようになってしまった
どうやら何かに没頭しているようだ
今までも研究で自室にこもることはあったが
食事もおろそかになり、いつになく真剣と言うよりは
険しい表情をするようになった
何をしているのか、僕にはわからない
<フェイ様の自室にて>
フェイ
フェイ
何日経ってもフェイ様の様子が変わることは無かった
ベソ
ベソ
コンコン
僕はフェイ様の部屋のドアをノックしたが
シーン
返事は無かった
ベソ
それでも返事は無かった
眠ってしまったのだろうか
たまにあることだ
普段なら中に入って起こしに行くのだが
フェイ
そう言われていた
しかし、今日はフェイ様の好きな料理
せっかくの料理が冷めてしまうのももったいない
ベソ
ベソ
ガチャ
部屋の中はかなり散らかっていた
机には色とりどりの試験管が並び
床には紙が散乱していた
それに関しては慣れていたが
フェイ様の姿が無かった
ベソ
ベソ
僕はなんとなく机に目を向けた
散らかっている机の上に
一つのノートが開かれていた
ベソ
ベソ
ノートにはそう書かれており
思考した後がびっしりと残されていた
ベソ
ベソ
ベソ
フェイ
ベソ
ベソ
ベソ
ベソ
ガシャン
僕が振り返ると腕が当たり、いくつかの瓶が倒れてしまった
瓶の中の薬品が漏れ出し、机で混ざり始める
それらは光を帯びて、火花が散り始めた
フェイ
フェイ様が声を上げると
ドカーン
ベソ
大きな音と光でを感じた後
僕は気を失った
目が覚めると、僕はベットの上にいた
フェイ
ベソ
目の前で爆発が起こったにもかかわらず
僕には怪我は無かった
爆発に巻き込まれる直前に
フェイ様が防御魔法で守ってくれたらしい
フェイ
フェイ様はほっとした顔をして僕を見た
ベソ
フェイ
ベソ
フェイ
フェイ
ベソ
フェイ
フェイ
ベソ
ベソ
ベソ
フェイ
僕は驚いた
オークションにかけられる前にいた牢屋で
僕がつぶやいた願い
牢屋の前を通る人は多かったものの
聞いている人など誰も居ないと思っていた
その小さなつぶやきをこのお方は聞いていたのだ
うつむいてばかりの自分はそれに気づかなかった
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
ベソ
フェイ様は杖を振ると、契約書が現れた
フェイ
フェイ様が指し示す場所を見ると、こう書かれていた
契約期限:契約者が普通を手に入れるまで
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
フェイ
それは正解だった
僕はフェイ様の元から離れるつもりは無かった
フェイ
フェイ
ベソ
フェイ
ベソ
フェイ
フェイ
ベソ
差し出された契約書を受け取って
僕は神経を集中させた
そして、僕が持つ魔力を契約書に注ぎ込んだ
契約期限の欄の文字が光り始め
違う文章へと書き換える事が出来た
契約期限:永遠
フェイ
フェイ
ベソ
フェイ
フェイ
ベソ
僕は微笑んでフェイ様を見た
ベソ
ベソ
ベソ
フェイ
フェイ
うれしそうに言ったフェイ様は
かすかに涙を浮かべていた
フェイ
ベソ
こうして、ぼくら
世界を面白く彩る
「カラフルパレット」
その始まりだった
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