ミク
「愛に飢えたセカイ」のミクだよ。

えむ
愛に………飢えた……セカイ?

ミク
ここは……愛に飢えて、えむじゃなくなっちゃった………

ミク
えむのセカイだよ。

えむ
あたしじゃ……なくなっちゃった?

ミク
うん。その腕のキズがその証。

えむ
えっ……これはっ…

ミク
隠さなくていいよ。全部、知ってるから。

えむ
そ、そうなんだね……ミクちゃん……

いつものミクちゃんとは違う
いつもより弱々しくて淡々としてて
でも、どこか温かい
レン
………えむちゃん?

えむ
レンくんもいるの?

ミク
うん……ここにはね、私とレンがいる。

えむ
そ、そうなんだね………

愛に飢えた?あたしが?
違うよ、あたしはちゃんと愛を注がれてた
だから飢えてなんか……
えむ
飢えて……なんか…………!

ミク
えむ!

えむ
あたしは……愛に……飢えて………

ミク
………私たちがえむの想いを見つけるお手伝いをするから

ミク
一緒に見つけよう?

えむ
………うん…

えむ
………本当にここがあたしのセカイなの?

ミク
うん、そうだよ

あたしの想いは、ずっと司くんみたいに明るくてキラキラしたセカイを持つ想いだと思ってた
でもここは………
えむ
結婚式場?

レン
そうだね。えむちゃんの[愛して欲しい]という想いが形になったんだよ。

えむ
愛して……欲しい……………か。

えむ
愛されれば、あたしは……鳳えむでいられるの?

ミク
…………わからない。

えむ
えっ……なんで?

ミク
あくまで、私の推測だから

ミク
もしかしたら、えむの想いは全く違うものかもしれないから

えむ
………そっか

えむ
うん。

それにしても、ここは居心地がいいな。
誰にも何も言われなくて、空気が気持ちいい。
えむ
ずっとここにいたいな………

ミク
……ここにいる?

えむ
え?

ミク
えむが望むなら、私は構わないよ。

えむ
…………居たい……けど……

えむ
お兄様たちにも迷惑かけちゃうし……

えむ
帰るね

ミク
…………うん…

ミク
気をつけてね

えむ
うん、バイバイ。ミクちゃん、レンくん。

レン
う、うん……バイバイ!えむちゃん!

ミク
Untitledを停止すれば、もとの世界に戻れるよ

えむ
あ、うん。

ミク
…………

ミク
えむ、あんま驚かなかったね。

レン
ね、もしかしたら、セカイの存在を知ってたのかも。

ミク
………セカイをもう既に持ってなければいいけど。

レン
………ね。
